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🔥勝つための思考と行動~東洋の英知「孫子の兵法」

東西文明が交代期にある今、国際政治も会社経営の現場も、鎬(しのぎ)を削る戦いの場となっています。食うか食われるかの陣取り合戦が起こっているのが、世界の現実です。 必要なことは、…
これからお届けする【勝つための思考と行動~東洋の英知「孫子の兵法」】は、現時点で書籍化しておりませ…
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2024年6月の記事一覧

【孫子の兵法・その17】 戦争は国の重大事。国民の生死が決まるところであり、国家存亡の分かれ道でもある。だから、しっかり考えねばならない。

国家は国民によって成り立ちます。生活が豊になって国民が幸せに暮らせなければ、そもそも国家の存在に意味は無くなってしまいます。 戦争は、国家と国民に、最も多大な被害を及ぼす。そこで孫子は、「計篇」の最初に「戦争は国の重大事だ。国民の生死が決まるところであり、国家存亡の分かれ道でもある。だから、しっかり考えなければいけない」と教えたのでした。 👉国防の基本とは何か?(孫子の兵法・その16) ●戦争を避けるためには、「国家として外交を巧みに行い、開戦に至らないよう最大限の努力

【孫子の兵法・その16】 兵士・物資・食糧…これらの輸送で国家は疲弊する💦

「戦上手は、兵士を二度と徴用せず」。これは、兵士を一度徴発したら、その兵力で早期に勝つよう努め、繰り返し徴兵して国民を苦しめないという意味です。 「食糧は三度と運ばない」。こちらは、二つの意味が考えられます。 一つは、戦争の途中で戦地に食糧を運ばないという意味です。一度目は出陣のとき、二度目は勝利の凱旋のときに食糧を自国から運ぶのですが、その間の食糧は現地で調達せよという指示になります。 もう一つの意味は、母国からの食糧配送は二度までとし、三度目は許さないという戒めです

【孫子の兵法・その15】 戦上手は、兵士を二度と徴用せず、食糧は三度と運ばない。

食糧や飼料の現地調達は、なぜ重要だったのか?食糧輸送が大きな負担であった理由の一つに、輸送担当者自身の食糧も運ばなければならなかったこともあります。 もしも、輸送の往復に一ヶ月を要したとすれば、担当者一人につき一ヶ月分の食糧を上乗せして運ぶ必要があったわけです。 そこで孫子は、食糧や飼料の現地調達の必要性を説きました。 今日の経済活動は、物流の国際化が進んでいますが、それでもこの「可能な限り現地調達で対応する」という在り方は、現代社会の心得としても生かせる場面があるはず

【孫子の兵法・その14】 ”勝利のため”には「拙速」が必要な場合がある。

チャイナの城攻めは、日本とは状況が異なる。日本の戦国時代などで行われた城攻めは、一般的に籠城した側が敗色濃厚となります。日本の城は、武士が構える砦が基本であって、城内に井戸や多少の食糧備蓄があるとはいえ、長期戦には不向きでした。 一方チャイナの城は、都市全体を高い城壁で囲んでいますから実に広大です。それ自体を国(城塞都市)と呼んでもおかしくなく、城内には豊かな食糧や物資が蓄えられています。しかも城は、見晴らしの良好な平原の中にあります。 これを攻める側は、地形の複雑な日本