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買ってよかったCDオブザイヤー2019

ストリーミング全盛期ですがオールドスクールな僕は未だにCDを買い集めています。
買ったものの中で今年の個人的ベスト10をまとめてみました。

Temporary : CRCK/LCKS

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超絶技巧とかスゴ腕ジャズプレイヤーによるバンドとか言われがちですが、彼らは彼らの頭の中にあるものがそのままアウトプットできる技術を持っているだけで技術よりも頭の中に本質があると思うのです。

introduction~KISSの流れの最初のクロススティッキングの音は完璧で一気にアルバムに引き込まれます。ここだけ聴きたくて聴き始めて気が付いたらアルバム丸ごと聴いてしまったのも結構な回数。個人的には今年のアルバムは一枚しか買えないって言われたらこれ。

今までよりいっそう歌というか人の声や言葉にフォーカスされたアルバムだと個人的には思います。ひかるまちの歌詞とかグッとくるものがありますよね。
僕も割といいおじさんなのに。


Songbook 4 : 石若駿

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先のCRCK/LCKSでもドラムを叩いている石若駿さんのソロ作。このアルバムはドラムも控えめで彼の曲の良さがしみじみと伝わります。ジャズだけではなくCRCK/LCKS、くるりを経てポップスも十分に取り込んだうえでさらに混ぜ込まれる現代音楽。芸術性とポップさのバランスに聞くたびに驚きがあります。

石若駿さんの曲の良さは僕は日本をとても感じるところにあるんだと思います。CRCK/LCKSのTemporaryの春うららもそうですけど曲の持つレンジ感とか抑揚の感じとか日本人っぽいじゃないですか。あと楽曲が強い。どう強いかというと先述の春うららとこのアルバムのIWAOTONARITEを比較するとわかりやすいのですがクレジットのとおり、この二つの曲って演奏しているのも作曲しているのも同じ人なんですけど後者はどう聴いてもCRCK/LCKSの曲にはならないんですよね。曲がプレイヤーに負けないんです。多分テイラースウィフトが歌っても石若駿の曲に聞こえると思います。


Answer to Remember : Answer to Remember

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また石若駿さんです。

【インタビュー】石若駿 | Answer to Rememberはドラムをめちゃくちゃ叩くプロジェクト
上記のインタービューにもある通り、Song bookとは対称にドラムを叩きまくるプロジェクトです。ドラマーがドラム叩きまくるソロ作ってひどい出来のものが多いじゃないですか。とくにフュージョン系とか。でもこのアルバムは違います。
参加アーティストも素晴らしく、石若駿世代の見本市のようになっています。全員世代最強クラスでその全員の音楽性が遺憾なく発揮されていて嘘みたいにかっこいい音楽になっています。

石若駿を作曲でもドラム技術でもアーティストとしても日本最強と評することができるアルバムです。

Chapters : Kneebody

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ベースのKaveh Rastegarが脱退してからの初の(EPは出してたけど)アルバムなのですがKavehのあのでかい体から出てくるガツっとしたベースラインがNate Woodのドラム+ベーススタイルに置き換わるとちょっと物足りないのではないかと思っていたのですがそんなこともなく。
低音が足りないときはサックスのBen WendelやキーボードのAdam Benjaminが頑張っていたりで低音不足感は全く感じないです。
むしろ今の編成でのベストを目指している感じで前作からのバンドとしての変化が面白かったりのアルバム。

ゲストも豪華で最高です。

BEAT MUSIC! BEAT MUSIC! BEAT MUSIC! : Mark Guiliana

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推しのかっこいいアルバム。今までのBeat Musicの音源はジャムバンドっぽい感じも強かったように思いますがもう少し楽曲にフォーカスされた感じ。
ドラムもハイハット2種類とシンバル1枚、太鼓はスネアとバスドラムのみ、みたいな感じだし。好きなアルバム過ぎて逆に多くを語れない。

Live Sesh and Xtra Songs : Louis Cole

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KnowerよりもLouis Coleのソロのほうが僕は好きなのですがそのLouis Coleのソロアルバム。Youtubeに挙げているどっかの戸建てで演奏しているのと未発表だったりする曲を集めたアルバム。Louis Coleのサウンドの80's感いいですよね。

あと個人的にThinkingのNate Woodのドラム好きなんです。地味なんだけど。

Moments : bohemianvoodoo

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ドラムのトーンが素晴らしい山本拓矢さん目当てで買ったけどギターもキーボードもベースもよくてお得感のあったアルバム。特にギターが生っぽくていいんですよね。アコギとシンバルって近い素材感(アコギ弦は銅)のせいかバランスが難しいイメージありますが2曲目のGypsy Funkとかとてもサウンドが美しい。
ゲストのトランペットがいい感じに楽曲のイメージを拡張させてくれていてゲストの使い方も絶妙。


Amber : Camila Meza and Nectar Orchestra

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ニューヨーク住んでるけどニューヨークっぽくない。南米音楽かというともっとアカデミックな物を感じるCamila Mezaのストリングスを起用したアルバム。
いままでの作品からの流れでフォーキーなものだろうと思ってたら意外にプログレを感じるユニークなアルバム。
ライブも良かったしまた生で見たい。

Terrible Animals : Lage Lund

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Lage LundはNYで活躍してるジャズギタリストの中でもヨーロッパを感じる気がしています。ヨーロッパを感じるといっても北欧の人ですけど。
今作はドラムがとてもいいんですよね。Tyshawn Soreyという方なのですがフリージャズの出自のようでしてそのルーツがいい方向に出ています。
あとLageにしてはエフェクターの比率を多く感じる点も面白いです。
ギターの指板と脳みその直結具合はLage LundがNo1だと思っています。

Vi:木

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たまたま見たライブでとてもよかったバンドの「木」。検索しても木しか出てこないからバンド名をもうすこしどうにかしてほしいところ。
曲もいいしシンセのセンスが抜群だしで割とずっと聞いていられる感じのアルバム。
でもバンド名はどうにかした方がいいと思う。

今年もたくさんCDを買ったわけですが今年はドラマー石若駿さん参加作品が異常な数でしかも全部良かったのがほんとうに謎でした。
若手ドラマーからするとこの仕事量をこのクオリティでこなされるとか悪夢ですよね。

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