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昨日、出産しました【出産レポ】初産婦、前置胎盤、36w帝王切開、大量出血

おはようございます。朝5時です。
昨日、出産しました。医師的にはどうなのかわからないけど、想像以上のハード帝王切開でした。

皆さん、こう思っていることでしょう。

寝ろ、と。

でもさ、寝れないんだもん、興奮して。ずっと眠れなくて、ようやく眠気が来て2時間くらいまどろんだら、完全に目が冴えてしまった。まだ早朝なのに。

寝ようにも出産時の記憶ばかり蘇ってくるので、どうせなら書いておきます。まじで私、根っからのライターやわ。ベッドの上なので、いつも以上に適当です。それとなかなかショッキングな話もあるので、これから出産、特に帝王切開を控えている方にはおすすめしません。自己責任で閲覧くださいませ。

とりあえずスペック。
36週5日初産婦
辺縁前置胎盤で計画帝王切開
これまでに出血、破水などのトラブル無し
自己血を600ml準備
名前は伏せますが、県で一番でかいレベルの総合病院で出産(精神科などの服薬があったので、前置胎盤判明前から通ってた)

2678kgの男児出産
2800mlの大量出血、輸血あり
あれ、赤ちゃんより出ていった血のほうが多いやん。

まあこんな感じです。個人的に帝王切開レポの中でも怖い部類だと思うので、本当に気をつけて。
では。


出産前日

出血などのトラブルもなく、予定通り計画出産の前日14時に通院。荷物持ちの夫とは、病室に入らずして別れる。出産前最後の対面はとても呆気なかった。※総合病院なので、感染対策のため面会規定がとっても厳しい

病室へ。一般の部屋ではなく、ナースルームの近くにある部屋に通される。リスク高い妊婦はここになるらしい。安心感ぱない。

もろもろの書類を提出したあと、NST装着。3回目になるが、うちのベビーはよっぽど締付けが嫌いなのか、動きまくって何度もエラーに。ママは蹴りまくられて痛い。目に見てわかる腹の動きに、実習中の助産師さんも目を見開く。とっても元気なことだけが救い。本当に元気さんです。

結果的に1時間くらいつけてベビーの元気を確認したら、帝王切開のために下の毛を一部剃られる。自分では見えないのでどれだけ剃られたのかもよくわからない。ちょっぴり羞恥心。

その後は基本放置。24時の絶食、翌日10時の絶飲を言い渡される。よるごはんだけで足りる気がしなくて、持ってきた干芋をつまむ。

そして2130に消灯。睡眠薬は今飲むようにと言われて、とりあえず眠りに。でもほとんど寝られず、2時間くらいおきに起きてた。妊婦は産後の授乳に備えて眠りが浅くなるから、みんなそんなもんらしいよ。

出産当日(準備編)

朝起きてシャワーを浴びる。切腹前のお清めの気分。手術着にお着替え。腹がでかすぎてフィットしない。

あさごはんはもちろん無し。点滴を開始するが、これが想像以上に難航。3人の看護師が挑み、4つの傷ができることに。
どうやら輸血の必要性がある場合は針が太く、かつ直線の血管が3センチ必要なそう。入れ代わり立ち代わり猛者たちが現れていくのが面白かった。結果的に1時間くらいかかっていた気がする。

そうこうしているうちに絶飲に。うがいはしていいとのことで、定期的にうがい。夫と連絡を取りながら、手術時間の確定を待つ。(日付しか決まってなかった)。眠りたいけれど、とにかくソワソワ。寝れるわけねえので、ネットサーフィン。

ソワソワしていると、15時からの手術が決定。ちなみに確定したのは10分前。急いで病院内に待機している夫と電話。いっぱい励ましてくれた。大丈夫だよという夫が一番怖がっている気がして、ちょっと勇気がでる。

帝王切開(麻酔、出産編)

いよいよ手術室へ。点滴しながら歩いて移動。途中でキャップをかぶる。担当の看護師さんや麻酔科の先生からあいさつされる。


テレビで見たことあるような光景が広がる手術室へ。このときは好奇心のほうが勝り、まわりをめちゃくちゃ見渡していた。とはいえのんびりしている暇などなく、早速手術台へ。

早速、麻酔をかけるための痛み止めで、うわさのえびぞりに。なかなか苦しいし、たしかに液が広がっていく感じがとても痛い。でも我慢できるレベル。

その後の麻酔は、なんかしたの?って感じ。アイスノンで感覚があるかどうかの確認をされたんだけど、全然冷たくなくて驚き。麻酔ってすげえ。冷たいかどうか答えろと言われたのに、すごいですね!と言ってしまう。

そして仰向けになる。ここからがちょっと閲覧注意。仰向けの影響か、麻酔の影響なのか分からないけれど、血圧が下がり、マスクが息苦しくなる。我慢できずにマスクを外す。溢れ出る冷や汗。え、ここで死ぬの?と恐怖がよぎるも、看護師さんが手を握って深呼吸を促してくれる。点滴から血圧が上がる薬が入ったようで、持ち直す。顔真っ青だねといわれたので、たぶんそうだったのだと思う。腹を切る前からのトラブルにすでに恐怖しかない。こんなのレポで読んでいないんだが。

だが産科の先生は極めて冷静。特に焦った様子もなく、オペが始まる。産科からは医師が2人体制。新生児科の先生もいたから、この時点で10人くらいいたと思う。考える余裕はなかったけど。

痛みはもちろん無し。なんとなく切られているのはわかる。というか、目を開くと照明に術部が反射していたから、ちょくちょく見ていた。グロ耐性ない人には失神ものかもしれないが、この段階では落ち着きを取り戻していたので、チラ見していた。

手術は横切り。赤ちゃんを出すのになかなか苦戦している様子。先生たちが交互に、「かったい!!」と言いながら腹を押す。硬いのか…。レポでは、赤ちゃんの取り上げ事態はすぐ終わると読んだのに、なかなか進まない。先生たちが息切れしていく。どんどん不安に。
でも助産師実習生さんがずっと手を握ってくれるし、看護師さんも、順調だよ、頭出たよと実況してくれた。必死に手を握り返す私。どうか、無事に生まれて。

「おめでとうございます」

先生の声が聞こえる。でも、鳴き声が聞こえない。一気に不安が駆け巡る。

「フギャー」

そんな私の不安を掻き消すように、かわいくて、でも力強い声が響く。安心して、自然と涙がこぼれ落ちた。涙がどんどん出てきた。

ここでずっと手を握ってくれた助産師実習生さんとはお別れ。見えるけれど、よく見えない位置で処置を受ける赤ちゃん。時折響く鳴き声が、ただただ愛おしい。

そしてご対面。かわいい。やっと会えたね。髪の毛が意外と生えていて、夫に似なくてよかったと肩をなでおろす。頭をちょっとだけ触らせてもらう。かわいい。まま頑張ってね、と助産師さんが私達の頭同士を軽くタッチさせてくれた。幸せ。そしてベビーは先に退室。かわいい。

帝王切開(後処理編)

さて、ここからが前置胎盤妊婦にとって最大のリスクである後処理。胎盤が癒着して、自然に取れることがなく、大量出血になる可能性が高いらしい。輸血や子宮摘出のリスクもある。

事前に2回自己血貯血をしたので、600mlの血は確保した状態ではあったが、やっぱり不安なものは不安。

そして聞こえる先生の声。

「あらー、ふにゃふにゃだね」

何が!?

あとから聞いた話によると、本来は出産すると子宮が勝手に収縮するらしいが、しなかったらしい。てなわけで大量出血ルートに突入。

いつの間にかつけられた酸素マスク。麻酔のときの気持ち悪さほどではないが、これ、もしかしてやばいんじゃね?と思い始める。
ベビーが生まれるまでそばで実況してくれた看護師さんは、すでに退室済み。手を握ってほしいけれど、どの人も忙しそうに動き回る。産科の先生が、

「〇〇持ってきて!って、誰もいない。おーい、行かないで〜〜」

と叫んだとき、ここまでか、と思ったよね。

でもなんか、大丈夫な気もしていた。


バタバタはしていたけど、産科の先生の声はすごく焦っているわけではない。あら〜〜〜〜というテンション。もしかしたら意識のある私に気を遣ってくれたのかもだけど。

それに、途中から応援部隊がさっそうと現れた。よく見えなかったけど、麻酔科の先生が増えたのだと思う。頼もしかった。

そんなこんなで、輸血に点滴に大忙し。とはいえ、私は横になってるだけだと思うじゃん?

輸血が、痛い!!!

漏れているわけではないが、高速スピードで入れていくから、針刺しの部分に痛みを感じるとのこと。もちろん腕なんて麻酔していないので、ダイレクトに痛みが。30秒くらいのもだえる痛みが、定期的に襲ってくる。漏れていないから大丈夫だそうだが、私は全然大丈夫じゃなかった。帝王切開の術中で一番痛いのは麻酔前の痛み止めだと聞いていたが、その比ではなかった。私の呼吸が浅くなる原因の一つだったと思う。

とはいえ、徐々に場は落ち付きを取り戻して。子宮の収縮も始まったらしい。私も定期的に痛みが襲う以外の苦しみはほぼなくなった。途中で看護師さんに手を握ってくださいといえたのも大きい。めちゃくちゃ安心した。

というわけで、2800ml の出血を経て、自己血はもちろん使い切り、輸血をいただいて、手術は終了。本当に怖かった。

術後、病室に戻るベッドで運ばれるときに夫に対面。がんばったよ〜〜〜と泣きそうになった。ちなみに手術中夫はソワソワしていただけで、妻がどんな状況だったかは知らなかったらしい。まあ、知ってたら怖かっただろうし、よかった。

ちなみに、生まれるときにかけてほしい音楽として、藤井風のgrace のCDを持ってきていたのだけど。それどころではなくて、一度も流れず。まあ、トラウマソングになるところだったから良しとする。

病室にて

無事に戻ってきた。胎盤を取り出すときは助産師さんはみんな赤ちゃんのところに行っていたので、手術中をありありと知っている人はいない。けれどプロだから、数値を聞いてヤバさが分かったようで、めちゃくちゃ褒めてくれた。やっぱりがんばったよね?産科の先生、飄々としすぎてて普通なのかもと思っちゃったよ。

この段階ではまだ悪露の大量出血のリスクは残っていて。はじめは15分おきくらいに、下の血を確認に来ていた。わたしはというと、

ママって子ども生んだら、まず先に自分がオムツ履くんだなあ

なんて呑気な気持ちに。もはや、下の毛を剃るときに感じていたような羞恥心はない。

そして、いよいよ夫と赤ちゃんと感動の対面。本当に幸せでした。まあここは惚気になるので省略。

そんな感じで、なんだかんだあって。2日目の朝です。大変なのはこれからだろうけれど、昨日の頑張った記憶も一生の宝物。書いて、もわもわと湧き上がる記憶がすっきりしました。



もう二度とごめんです。

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