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レース模様の不思議なキノコの正体🌈

レース模様のマント(菌網)を身にまとい、異様な存在感を放つ『ウスキキヌガサタケ』。

日本・中国・韓国・インドおよびメキシコ(熱帯アメリカ)に生息し、日本国内では、6月頃から、宮崎県・徳島県・高知県・山口県・広島県・京都府などに現れ始めるキノコです。

京都府レッドデータブックでは、『絶滅種(カテゴリーEX)』に分類されています。

<京都府レッドデータブックとは?>
京都府が絶滅のおそれのある野生生物の現状を取りまとめた資料集で、野生生物の保護に取り組むために発刊されたもの。
絶滅のおそれのある野生生物だけでなく、保護を要する地形・地質や自然現象、学術上重要な自然生態系なども対象。

ウスキキヌガサタケは、夏から秋にかけて、林の中に生え、高さ10~20cmまで成長するキノコ。

頭に鐘の形をしたカサをかぶり、そこから黄色や純白の美しいレースのマントを垂らします。

その華麗な姿から『キノコ界の女王』とも呼ばれ、目撃した人たちに幸運をもたらすと言われています。

地上に姿を現してから、3~4時間で高さ15cmくらいになるため、タイミングよく目撃できた人だけの特権。

レースのマントを垂らす早さはさらに速く、とてもドラマチック。まるでマジックショーのようにあっという間に終わってしまいます。


そんなウスキキヌガサタケには、デメリットもあります。

胞子を虫に運んでもらうため、頂部から便のようなにおいを発しています。

そのため、非常に臭いんです。

また、綺麗なレースの部分には、毒性があります。

偶然見つけても、決して触ってはいけません。

ただ、頂部を除くとおいしく食べられるそうで、中国では高級食材として重宝されています。

中国語では『竹蓀(ヂュウスン)』と呼ばれており、この竹蓀を乾燥させたものを蒸した若鶏と一緒にした『燉鶏湯』というスープ料理があり、夏バテ予防などに効果を発揮します。


日本では今、天然のウスキキヌガサタケは減少傾向にあります。

そんなウスキキヌガサタケの人工栽培に、今から20年前、高知県森林技術センターが全国で初めて成功し、そこから少しずつ絶滅危惧種から脱却しようとしています。

技術者たちによって、梅雨の時期や気候変動などから、数が減る原因が解明されつつあるんです。

これから来る梅雨のシーズンから夏場にかけて生える可能性が高いキノコですので、竹林を訪れる際は、黄色のマントを目印に探してみてください😌

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