ロブスターはかつて囚人料理だった🌈
ロブスターと聞くと、巨大なザリガニのような見た目をイメージする方が多いと思います。
高級食材でありながら、伊勢海老とは違う、海外の雰囲気を感じさせる生き物。
実は、アメリカでは、伊勢海老やアカザエビなども含め、大型の歩行型エビ全般を指す総称が『ロブスター』なんです。
日本でも、伊勢海老とロブスターは同じ『エビ目』の甲殻類。
しかし、その下位分類が異なります。
つまり、日本では、伊勢海老とロブスターは違う生き物。
ロブスターは、フランス語で『オマール』ということから、『オマール海老』とも呼ばれています。
こちらの方が馴染み深いという方も多いのではないでしょうか。
ロブスターは、肉が白く、伊勢海老よりも弾力があり、タラバガニに近い質感。
低脂肪で、高タンパク。
リンや亜鉛などのミネラル、ビタミンB12が豊富に含まれています。
大きさにもよりますが、3,000円以上はする高級食材です。
しかし、歴史的に見ると、ロブスターはかつて、貧しい人々の食べ物であり、彼らの貴重なタンパク源でした。
囚人にも提供されていた救荒食だったんです。
17世紀に、ヨーロッパからアメリカのニューイングランドに、初めて人々が入植した頃、ロブスターは肥料や家畜への餌として使われていました。
そのため、「魚が捕れなかった場合に食べる食材」だったといいます。
そのため、ぼぼ無料に近い価格で提供されていました。
そんなロブスターが、高級食材となったきっかけは、その調理法と生態にあります。
正しい調理法が発見されたのは、第二次世界大戦後の19世紀以降。
比較的最近の出来事です。
ロブスターのおいしさを最大限引き出すためには、生きたまま調理する必要があります。
その事を知らなかったため、美味しくないと言われていたんです。
また、ロブスターは、内臓も含めて脱皮を繰り返すことで、生まれ変わり続ける生き物。
老いることがないため、理論上『不老不死』の生き物とされており、実際に、推定140歳のロブスターが確認されています。
しかし、その脱皮のせいで、死滅の確率も高いのが現状です。
養殖に適さないため、値段が高くなってしまっているんです。
ロブスターは、幼生期がとても長いため、食べられる大きさに成長させるまでにコストがかかります。
さらに、ロブスター同士での争いも多いため、一匹一匹離して育てる必要があり、養殖を行うためには、広大な敷地が必要になります。
これらの事から、日本では養殖が進んでおらず、馴染みのない食材になってしまっています。
現在、オーストラリアでは、ロブスターの養殖が行われており、価格はなんと、伊勢エビの1/3以下。
私たちにとっては、羨ましい限りです😌
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