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鞄の歴史を紐解く🌈

鞄の歴史は、紀元前30世紀頃まで遡ります。

まだ人間が洞穴に住み、移動しながら生活していた時代です。

この時代にも、鞄のような物は存在していました。

1991年に、イタリアとオーストリアの国境付近にあるアルプス山脈の氷河の中から発見された有名な男性ミイラ『アイスマン』。

今から5300年前に亡くなったとされるアイスマンですが、発見時、樹皮を編んで作られたポシェットや山羊皮製のリュックサックがあり、手元には子牛皮の袋が置かれていたと言われています。

つまり、今から5300年前(紀元前33世紀)に、すでに鞄のような物が存在していたということです。


そして、現在私たちが使っているバッグの原型となったのが、古代ギリシャや古代ローマの時代(紀元前30世紀~2世紀)、ナイル川を横断する際に生み出された、大木の幹をくり抜いて作られたトランク形のバッグ。

鞄は、富や名声の象徴でした。

荷物の量と装飾具合によって、人々は身分や権力を誇示していたんです。

新約聖書には、

「新しい葡萄酒を新しい皮袋に」

という記述があります。

この時代の人々は、葡萄酒(ワイン)の貯蔵や輸送に、丈夫で軽い皮袋を使用していたということです。

また、この時代から、旅行は、長らく特権階級のみに許されていた贅沢品でした。

馬車で移動する際、食器・家具・貴重品などを入れる、美しくデザインされた半円形のバッグが生まれたのもこの時代です。


中世(6世紀~15世紀)になると、貴族の間で、現在のポシェットやハンドバッグの原型となる、装飾された巾着袋『オモニエール』が流行り始めます。

オモニエールは、装飾されたベルトに吊るして使うもので、これが、私たちが使っている取っ手付きのバッグの原型になります。

中世の貴族たちは、オモニエールを腰のベルトに吊るして使っていました。

服飾技術が発展するルネッサンス時代(15世紀~16世紀)に入ると、メンズファッションにポケットが付くようになります。

これによって、男性は、頻繁に鞄を持ち歩く必要がなくなりました。

しかし、18世紀末のフランス革命以降、質素な服が流行り始めます。

再びポケットが付いている服が少なくなっていったため、男女関係なく、様々な種類のバッグが作られていったんです。

鞄がステータスとされていた頃の貴族の肖像画などには、鞄がよく描かれています。


日本では、平安時代頃の中頃から、小さな巾着袋に貴重品を入れて使用していました。

そして、西洋の文化が入ってきた明治時代になると、少しずつ現在私たちが使っているような形のバッグが生産されるようになります。

日本で特に、鞄の産地として知られているのが、兵庫県豊岡市。

そのルーツは、円山川の湿地帯に自生する植物コリヤナギを編んでつくる『杞柳細工』にあります。

1000年以上前から行われており、中でも『柳行李(やなぎごり)』は、製造が国から奨励されたこともあり、一昔前まで、どの家庭でも・洋服や本の収納や弁当箱として活用されていました。

この柳行李を改良してつくられた『行李鞄(こうりかばん)』が、現在の鞄産業の礎になったと言われています😌

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