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ミュージカル ジョジョの奇妙な冒険 ファントム・ブラッド 東京公演2/15 マチネ〜9割ディオ様の感想の巻〜


宮野真守さん推し(特に苦しんでる役の芝居がだぁいすき!) 兼 ジョジョ好き(1〜6部履修済み)の、クソデカ感情コンテンツを啜って脳がキマるタイプのヲタクが、ジョジョミュを観劇した感想です。

シンプルに、一言で言うと、原作のエキスやメッセージを上手に抽出して、ミュージカルとしてしっかりジョジョという作品の大きなテーマ「人間讃歌」をみせてくれた、良いミュージカルでした。

今回は、全体的な感想ではなく『ミュージカル ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』における「ディオ・ブランドー」の感想です。
S席だったのもあり、ほぼ宮野さん(ディオ)固定で見たので。
全体的な感想や他のキャストさんの話は、また別記事でするつもりです。
(エリナのソロが最高だった。エリナ〜〜ッ!好きだ〜〜ッ! (告白すな)
ツェペリさんもカッコよかったし、スピードワゴンもスピードワゴンしててよかったよ!)

見ている箇所がやや偏った感想になりますが、あらかじめご了承ください。


※以下、ストーリーや演出、衣装のネタバレなど含みます。




まず……
宮野さん、金髪似合いすぎませんか??!
少年期のディオ(宮野さん)が、本当に、14歳の少年で、びっっっくりしました……。
紫ズボンも大変お似合いです。

少年ディオくんの好きなシーンや動きは、
・ジョースター卿にお辞儀する時、いつも丁寧に手足を交差させるところ。
・ジョナサンに口悪モードで話した直後、ジョースター卿に猫かぶってる爽やか声のギャップ。
(後ろを向いていて、顔は見えないけど、声がめちゃくちゃ爽やか優等生ちゃん。宮野さん、さすがです。)
・食事をしている時の優雅な仕草。
・↑のあと、メイドのおねいさんにさりげなく花瓶から抜いたお花を手渡すところ。
・ボクシングのリングに入る前、後ろからジョジョたちの様子を見ている、妙に色気のある佇まい。
・ボクシングの後
ディオ「実は、パンチした時、僕の指がジョナサンの目に入ってしまって……(しゅん、とした声) だからこれは僕の反則負けd」モブたち「いやいやいや、ディオすごいよ!」「ディオの勝ちだよ!」「ディオ!ディオ!」
ディオ「そんな、ありがとう(謙遜)(照)」
の、猫被りなディオくん。
※台詞はニュアンスです。
(原作と変わっていた部分。いい子ちゃんのふりしてる時の声が高くてかわいい。)
・ズキュゥゥゥン!の前後の囁き声や、セクシーなゆらゆらした動き。
(そんなにセクシー出してくるの?! ディオくんったら〜〜!!)
・原作まんま再現の、ズキュゥゥゥン!
(しっかりキッス!しているし、しっかりエリナの腰を抱いているッ!)
などです。

酒ッ!飲まずにいられない……で、べろべろに酔ってたのが、ちょっと可愛かった。
ここで原作通り、マントをお召しだった👍
カテコの時もマントつけてました。マント有りのお辞儀の仕方が、なんとも、美しいんですよ!
マントと手足を前後にクロスさせるんです、毎度毎度、丁寧に。あの所作に見惚れちゃう。もっと間近で見たら、ときめきで心臓が爆発してしまうのでは? ンン〜〜〜〜ッ!! ボーテ100万点。美。

一幕中盤〜二幕で印象的だったのは、
・俺は人間をやめるぞ! の直前の、歌。
(人間の能力には限界がある、云々の台詞が、バラードになっていました。 バラード?!
しかも、絶妙な塩梅の曲で。曲の構成も、宮野さんの歌い方も。悲しげに始まったかと思えば、途中で、空を見上げて夢見るように爽やかに歌っていたり、かと思えば、人間をやめるぞ!は、ほとんど泣きそうな表情で、もうこうするしかないんだ!と、ぎりぎりの崖っぷちに立っていた所からついに落ちてしまったかのような……そんな雰囲気で。
この子はずっと危うい所に立たされていて、それは生い立ちのせいだったのだけど、どうにかならなかったのか。ジョースター卿やジョナサンとの出会いでは、変われなかった。むしろ、彼の劣等感や苦悩を強くしてしまった。それでも、どこかで、どうにかならなかったのか。それほどまでに、彼の苦悩は誰にも、何にも、救えないのか。はじめて、ディオのことを哀れに思った。
私はまだ一度しか観れてないんですが、これって、回によって歌のニュアンス、全然違ってたりするんてすかね??? どうなんだろう。気になる。)
・警官に打たれた時の、階段で立ち止まって、とんでもないエグい角度の後ろ反り、からの、起き上がり。
(体幹どうなってるんですか???????)
・警官がゾンビになった様子を、階段で横に寝そべって愉しそうに笑って眺めている様子。
寝そべっています。セクシーです。
(この時、さりげなく、衣装の腰あたりのファスナーをあげているのを、見ました。
恐らく、ワイヤーで吊るしの時に、器具を取り付けるため、あの紫の衣装の腰?のあたりにファスナーがついているようで、それが下げっぱなしになっていたのを、お芝居しながらさりげな〜く上げていました。オペラグラス越しに観測しました。本当にさりげな〜くで、舞台役者さんって凄いなぁって思いました(語彙力)。)
・華麗なワイヤー芸。
(逆さまになったり、そのまんま上下に回ったり、仰向けで背を反らせて女神像に突き刺さったりしてました。宮野さん、人間やめてました。)
・ジャック・ザ・リッパーをスカウトするシーンの、あやしく誘うミステリアスで蠱惑的な雰囲気。
(『王家の紋章』のイズミルの、キャロルを誘う曲を思い出しました。こういう、誘う系の曲が、似合うんですねぇ、宮野さん。ミステリアスであやしくて、ちょっと怖いけど、惹き付けられてしまう。恐ろしや〜〜!好き。)
・緑の衣装!!!!!!!
上着の襟と袖と裾にファー(?)がついていて、ゴージャス!!!
これこれこれこれこれ、これ、こういうの、舞台で着てる宮野さん、見たかったんですゥ!!!!! ありがとうございます!!!!!!
そして、緑!!! 「嫉妬」の緑ですね!!! ディオ様、紫のイメージが強いですが、緑もしっくり来ますね!!! ヤァ〜〜ッ!!
二幕の衣装が大天才オブ大天才すぎます。ありがとうございます。
エッ、この衣装のディオ様で写真集出しませんか??!←
・ツェペリ男爵の曲の時、後ろでノリノリなディオ様。
・ジョナサンに「君は人間をやめたんじゃない。人間から逃げたんだ」と言われて、項垂れる姿。
(詳しくは後述。というか、この記事で一番話したいことは、これです。これ。)
・ウィンドナイツロットのジョナサンvsディオの歌。
(歌いながらの殺陣。直前の会話を踏まえての盛り上がりが、非常に熱かった。)
・「二人で一つの運命なのだ」のくだり。
顔つきが、それまでのディオ様と違っていて、ゾクッと来ました。
(セリフは原作からかなり端折られていましたが、クソデカ感情はしっかり伝わってきました️⭕️) 



あとは、なんと言っても、全体通して、彼にとって父ダリオが呪いとして描かれていたところが、印象的だった。
ディ〜オ……ディ〜オ……と、ダリオが呼びかける歌が、個人的に一番耳に残っています。ディ〜オ……ディ〜オ……。
ディオが、エリナに手を上げたり、酒に溺れたりすると、その度に、ディ〜オ…ディ〜オ…って、例のダリオの曲が流れる。
ディオは、どんどん自分が大嫌いな父親に似てきていると自覚して、それがとっても、嫌だったんだなぁ、って。

見たくない、聴きたくない、思い出したくない、逃げたい、あっち行け!と言うかのように、頭を抱えて項垂れるディオの様子に、あの、怠惰で、暴力的で、薄汚い父親と、同じ血が流れていることが、どれだけ彼にとってコンプレックスで、意識せずにいられなかったことか、伝わってきて、彼の孤独や苦悩に、観ていて苦しくなりました。
ディオを見て苦しくなったことなんて、今までなかったんです。
彼は悪オブ悪、私には、ほとんど理解ができない思考や野望の持ち主で、それゆえミステリアスでカリスマだと、思っていたんですけど、
ディオって、こんなに、コンプレックスを抱えた、ひとりの孤独な男の子だったんだ、って、いっきに、身近に感じられてしまって。今までと違う愛おしさが込み上げました。

極めつけは、ジョナサンのセリフ。ミュオリジナルのセリフです。

「君は人間をやめたんじゃない。人間から逃げたんだ」

クァァァァァァ〜〜ッ!!!!!!!!(頭抱え)

つまり
『ディオは、人間をやめた。
だけど、むしろ、人間臭い。
対して、ジョナサンは人間だけど、
ある意味、人間をやめている(神々しさがある)』
って、ことでは?! と気付き(解釈し)ました。

ディオの行動は、常に、全て、他者のためではなく、ずっと「自分のため」です。
それは、父親に支配され、怯え、惨めに過ごしてきたから。
地位があれば(貴族になれば)、金があれば、人を支配すれば、力があれば、全てを手にでき、怯えたり惨めな気持ちになったりせず、幸福になれる、満たされる。
だから、自分を満たすために、奪って、支配して、自分が一番になって、何者にも脅かされずに世界に君臨しようとした。
人間をやめても、尽きることの無いその欲深さは、貧しさや惨めさ、孤独から生まれたものなのだと思うと、なんて人間臭いんだと、気付きました。
人間をやめているのに、全然やめることができていない、とも言えるような(?)
だって、人間を"超越"したのなら、欲というものは無縁になるんじゃないのかなって。
仙人とか、神様(に近しい存在)とかって、そういうイメージなので。
だけど、ディオがなったのは、そちらではなく、(スピードワゴンの言葉を借りて言えば)魔物なわけで。
人間を超越したと彼は言っていたけど、ミュでジョナサンが言っていたとおり
「越えたのではなく、人間というものから逃げている」
んですよね……。
それを言われたディオが、一幕の少年だった頃のようにうなだれている姿に、彼の孤独、コンプレックス、弱さをが見えて、あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!(なんてこった……)となりました。

ただただ、他者を支配や力でねじ伏せ、自分の思うがままにしようとするのは、自分自身の弱さからも、自分よりも優れていると思う他者(特にジョナサン)からも、逃げている(問題の根本的な解決から外れまくっている)。

ディオは、自分自身の嫌だなって思う部分を、思い切って誰かに相談すれば、良かったんじゃないかな〜〜。ジョナサンとかジョースター卿とかに。それができたら、こうはならないんだろうけどよォ〜〜……。
などと、考えれば考えるほど、ディオの苦悩って、私が今まで見えていなかっただけで、深かったんだな……と唸ってしまいます。

対して、ジョナサンは、信念、誇り、勇気を、父やツェペリさんから受け継ぎ、エリナや仲間、他者のために闘ってきた。
それが、ディオとの違い。
最終的に、ジョナサンは、自分の死を受け入れ、エリナと見ず知らずの赤子を生かした。
あそこで、自分も何としてでも生きたい!とはならなかったんですよね。
もう、どうにもならないと悟った死を受け入れ、ただ、愛するもの、自分が信じてきたものを守るために、最後の力を振り絞った。
それって、やっぱり、並の精神力じゃできないし、常人じゃない、ある意味、人間じゃあないんですよ。
神々しいんですよ。
人間やめてるのは、ジョナサンの方では?
と、私はジョナサンの、清らかさ、気高さ、精神力に、大変お見逸れしました。

ジョナサン(という、ディオが唯一尊敬し屈服した友)の体を手に入れ、永遠に生きながらえようしたディオの、尽きることない欲との、対比。

私はこの2人のギャップが好きだ〜!!
人間やめてるけど人間臭いディオ様と、人間なのに、ある意味で人間を超越しているかのようなジョナサン。


正直、悪を貫く悪オブ悪、憐れむ隙のないヒールっぷりが、ディオの魅力だと思っていたので、ミュはちょっと違うらしいと噂を聞いた当初は(大好きな宮野さんが演られるとは言え、私は解釈違いを起こさないだろうか…)と、実は内心ではビクビクしていた部分もありました←
でも、実際に観て、あまりにも、宮野さんが自然に、ディオになっていて、ディオとしてそこにいて、苦しんだり悩んだり猫被ったり怒ったり蹴落としたり騙したり殺したり人間やめたりある意味やめられてなかったりしている姿に、これがディオなんだ、って、受け入れられた、というか、納得した、というか、腑に落ちた、というか。(解釈違いは起こりませんでした。)
だって、あまりにも、自然に、そこに、ディオとして、いたんですよ、ディオになっていたんですよ、いつもいつも私の期待や予想の斜め上をブチにブチ抜いて最高を魅せてくれる、大好きな役者が、ディオとして、そこで生きていたんですよ。
これがディオなんだ、って、そこで生きているディオを、ちゃんと見届けよう、と思い、観ました。
これは今まで私が知らなかったディオだけど、間違いなく、ディオなんだ、って。
そう思わせる説得力がありました。
それは、やっぱり、宮野さんが、役として生きているから、なんですよね。
役が、宮野さんの中を通って、生き血の通った感情として、この三次元に解き放たれる。
「役として生きる」宮野さんのお芝居に、だから、私は強く胸を打たれるんです。大好きなんです。
あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜宮野真守さんのお芝居が好きだなァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!(クソデカ大声)


ファントムブラッドがミュージカル化すると聞いて、ディオ様、宮野さんが演られないかな〜ワンチャンないかな〜宮野さんが心の師と仰ぐ子安さんが演られたディオ様を、ミュージカルで宮野さんが、ってなったら、アッチィよなぁ〜、宮野さんのディオ様見たいな〜、なんて思っていて、キャスト発表でぶったまげた、昨年の八月。
それから、観劇の日を心待ちにしていた身としては、非常に満足しております。

まだまだ語りたいことは沢山ありますが、自分の中でジョナサンのセリフが刺さりすぎて、とにかくこれを話さずにはいられず……。
他にも、泥と星の話とか、フィナーレの話とか、他のキャストさんの話とかもしたいですが、それはまた次回。
東京公演にもう一度行く予定なので、その後にしようかなと。


ちなみに。
写真は観劇前のお昼に食べたタイ料理です。
ミュージカル観劇らしい写真をまともに撮っていなかったので、カバー写真はこれにしました←
帝国劇場から徒歩5分ほどのビルにある  SIAM 有楽町店  さんです。
グリーンカレーと小ラーメン(鶏肉)の贅沢セット。
グリーンカレーが、ココナッツの甘みがありつつ、スパイスがしっかり効いた味で、かなり好みでした。
また行きたい!


それでは、今回はここで👋

2024.2.18  かおる

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