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どこかで笑えればええやないか 〜ちひろさん〜

一旦、距離を置こうかな。
ちょっと、しんどいのかな。

そんなことを思った今週。
今年に入ってひと盛り上がりことも何となく区切りをつけた。
別に良い方向に終わった訳ではないけれど、俺らしくて良かったのかな。

それでも誰かの道化師として笑われる。
それがしんどくて。ただ。
ストレートに言って欲しかった。遠回しに言われるのは気遣いなのか。
焦らしてるだけなのか。

曖昧な感情を持ちながら好き勝手言う奴に中指を立てたかった。
そんな週に見た映画にどこか救われた気がした。

ちひろさん

きっと彼女に、会いたくなるー。
ちひろは、海辺の小さな街にあるお弁当屋さんで働く元・風俗嬢。ちょっと口が悪くて、マイペース。そして自由。そんな彼女は街では浮いている。へんな”おとな”だ。でもなんでだろう、彼女に会いたい。ひとり母の帰りを待つ小学生、本音が言えない女子高生、そして無口なホームレスのおじさん・・・・ちひろの優しくない言葉と素っ気ない態度が、さびしくて不思議とあったかい。この不思議を体験しに、さあ、ちひろさんに会いに行こう。
Filmarks

有村架純主演作で今泉力哉監督の最新作。

有村架純は「前科者」においても誰かを支えるあどけない女性を演じていたけれど、どこか触れにく過去を持ちながら、人を支えるあどけない女性を演じさせたらピカイチだな。

今泉監督は直近の数作とは違う空気感を醸し出す。
近い雰囲気なのは「あの頃。」に近いのかもしれない。
メジャー感をきっちり出しつつ、今泉監督らしい人間描写。流石である。

いつまでも帰ってこないお母さんを待つ。堅い家族に感じる息苦しさ。
家族に違和感を感じる人にちひろさんは手を差し伸べる。
自分が家族に違和感を感じた時に「ちひろさん」に出会って救われたように自分と出会うことで誰かが助かれば良い。そんなことを思っているのかもしれない。

「色即是空」
家族や学校。自分の目の前にあるものが全てだと思ってしまうかもしれないが、そんなものには何も実体はなく、あくまでも自分は自分のままでしかない。

自分が何かに縛られた今週。
そんなことなんてどうだって良いじゃないか。
そんなことを教えてくれました。笑われるならとことん笑われよう。
笑ってるやつを笑ってやれば良いじゃないか。

そんなことを教えてくれた一作。
若葉竜也や佐久間由依の若手株から平田満・風吹じゅんのベテランまで素晴らしい俳優達が魅せてくれる一作は今年の邦画を代表する一本です。

また、馴染みの店に顔でも出そうかな。

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