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Eat me.
わたしを食べて
獣の肉を貪るように
骨髄や血さえも
最後の一滴まで飲み干して
きっとあなたの血肉になるから
わたしを食べて
禁断の果実を貪るように
滴る果汁さえも
最後の一滴まで飲み干して
きっとあなたの毒になるから
***
晩餐の準備は整った
さあ席について
豪奢なテーブルに並ぶは多種多様な料理
まずは口に入れて咀嚼して
そして飲み込んで消化して
わたしはあなたの身体をめぐって
少しずつ、あなたの一部になる
血肉になるのか
毒になるのか
食べてみないとわからない
食べてもわからないかもしれないね
苦い薬も
甘美な毒も
どちらが正しいかなんて
本当は誰にもわからないのよ
生きることとは
食べること
祈りなんていらないわ
「おいしそう」
「美味しそう」
「おいしそう」
そう想ったのなら
遠慮なく
みっともなく
欲望のままに
手を伸ばして
「さあ、どうぞ召し上がれ」
*
*
*
*
果たして
食べているのは
食べられているのは
どちらだったのか
「どっちだっていいよね」
「どうせ、ひとつになるんだから」
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