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創作

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詩とか、小説とか。ノンフィクション、フィクションごちゃまぜ。
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#エッセイ

あなたの心音を、今でも憶えている

夏になると思い出す、ある初恋のこと。 遠く離れた距離と忙しい日々。 直接会えるのは半年に一度だった。 初めて恋人として会った冬の日。 「次は抱きしめてあげる」 世界の全てに怯えていた私に、あなたは約束してくれた。 それからちょうど半年後の夏、二度目の逢瀬。 電話では毎日話しているのに、いざ会うと緊張してか少しよそよそしい。 私も、意図的に距離を取ってしまっていた。 そして互いに触れられないまま、別れの時間が近づいた夕暮れ時。 あなたは私の手をぐっと引いて。 約

ただ、思うままに綴る

ふと、悲しかったことをただ「悲しかった」と綴ってみたくて筆を執る。 心が途中でブレーキをかけるかもしれないけど。 わたしはかなり目が悪く眼鏡をかけている。一時期はコンタクトだったけど、小3〜6くらいまでの間は眼鏡をかけていた。 当時はいまほど眼鏡をかけている子というのは多くなくて、クラスに一人いるかいないかだった。わたしはクラスの男子から「メガネザル」なんてあだ名でからかわれていた。本当にそれが心底いやで、おまけに眼鏡をかけていた自分の顔もブスでいやだったし、早くコンタ