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創作

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詩とか、小説とか。ノンフィクション、フィクションごちゃまぜ。
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2019年3月の記事一覧

犯した罪の痛みはまだ平気 犯した覚えのない罪の痛みはただ苦しい 眠れない夜にはいろいろなことを考えてしまう 一人では眠れないから

完璧な仮面

周りがみんな 怖いひとだらけだった だから僕は 僕を守るために 自分の顔を削ぎ落として 代わりに仮面をつけたんだ けれど仮面をつけても 怖いひとは怖いまま 「この仮面じゃダメなのかも」 周りの顔色伺いながら 仮面をつけては壊しつけては壊し そうしているうちに 心は鈍くなっていった 色んな人の顔を観察して 真似て作るのだけはうまくなった 完璧な仮面だと褒められたりもした でもある日、きみが 「はずしたほうがすてきだよ」 なんて言うから 勇気を持って外してみたんだ け

ペット

飼育箱に入れて 自由を奪って 名前をつけて 餌を食べさせて ずっと見ていて 愛でて欲しい どこにも行かないって約束して わたしの方が先に死ぬから 死ぬまできっとそばにいてね 自由なんていらないよ ここにいるだけで満足なの どこにも行きたくない だってお外は危険がいっぱい あなたもいない

観察日記

誰か私の観察日記をつけて 私がどこまでおかしいのか 私がどこまで狂っているのか 観察して 研究して 名前をつけて もう自分がまともかどうかすら わからないんだ 数値化して カテゴライズして 箱に押し込めて 口ではおかしくないって言ったって 身体が動かないんだもの 僕の立ち位置はどこ 居場所はどこ 教えて お願い 居場所をください

水面の空

空を見上げる勇気もなく 水面に映った空を見て 全てを知った気になっていた 水面の空は掴もうとしても歪むばかりで 本物はいつまで経っても掴めやしない 人間は空を飛べないってわかってた けれど認めるのが怖いから 下ばかり向いていた 「飛べなくても見上げていい」と 言ってくれた人がいた 「飛べないなら地を歩けばいい」と 言ってくれた人がいた 「飛べないなら飛べるものを作ればいい」と 言ってくれた人がいた 「飛べないなら飛ぶ夢を描けばいい」と 言ってくれた人がいた 「飛

海を見に行ったよ

「明日休んでくれないと、会社爆破するから」 そんな脅し文句を冗談交じりに言った翌々日、旦那が休みを取ってくれた。翌々日なのは、急に休むと迷惑をかけるから段取りをするためだ。 実は先日のカウンセリングを受けてから感情がうまく整理がつかなくて、精神的に不安定だったから、旦那に一日そばにいてほしかった。 朝起きたら旦那が「会社休んだ」って言った。 とりあえず昼過ぎに家を出て、ドライブに出かけた。 一時間半くらい下道を走り、神社と、その近くの海に行った。 私は日本海側の海