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押しボタン式の横断歩道

帰り道に押しボタン式の横断歩道がある。
車の通りがとても多いときと、そうでもないときがある。
あまりにも車が通らないときには、赤信号のままダッシュで渡ってしまう。

気まずい瞬間がある。
車はあまり通っていないけれど、とりあえずボタンを押して自分が渡り終えると、
1台車がやってくる。
誰も渡らない横断歩道の脇、赤信号に止められたその車は、なんとも言えない表情で佇んでいるような気がする。
あぁ、しまった。ボタンなんか押さなきゃよかった。行く手を遮って申し訳ない。
私一人のためだけに時間を無駄にさせてしまったなぁ。
などと思ってしまう。

だからボタンを押して、歩行者信号が青になるまでの時間、私はずっと不安な気持ちで待っている。
ボタンを押すかというのも、とても迷う。
道路を横断するのだから安全のために押すのが当たり前で、車も人も平等に通行できるように青になる時間が設定されているのも分かっているけど、なんだかなあ。こんな私なのである。

ラッキーなときがある。
いざ青に変わったその瞬間、自転車に乗った人や、ゆっくり歩いてくるお年寄りがやって来る。
みんなが渡るんだから、ボタンを押してよかった。
そう思える瞬間である。
より多くの人が渡ると、より良い。嬉しい。
皆さま、今日もお疲れさまでした。
明日も安全で、良い日をお過ごしください。
こんな風に思う。
人間やっててよかったなあと。
なんでかはよくわかりません。

車に乗ってると、横断歩道渡ってる人に対して早く渡れとか、なんで今止めるんだとか思わないから、こんなこと考えるまでもないけど。
明日も皆さまお元気でいらっしゃるといいなと思ってます。自分を含め、みんなでもう少しずつ優しくなれますように。ということで。

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