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噴火の観察

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火山の噴火は予知できませんが、始まった噴火を観察して、その解釈をすみやかに情報共有することはできます。
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2020年8月の記事一覧

気象衛星ひまわり8号で見た西之島2020年6月-8月噴火

西之島は、2020年6月26日にスコリア丘が南に大きく崩壊したあと、爆発的噴火を2か月続けた。VAAC東京は西之島の噴煙の高さを毎日4回定期的に報告した。下の図に、毎日の最大高さを示す。 FL100は3000メートル。7月上旬にFL200すなわち6000メートルまで達した。この2か月間に噴出したスコリアは1億トンだった。 気象衛星ひまわり8号がとらえた7月31日15時の噴煙は南に向かっていた。 VAAC東京は、これをFL190すなわち5700メートルと報告した。 7月

気象庁噴火予知の精度と感度

気象庁は、2007年12月1日から火山に噴火警戒レベルを設定して噴火警報の業務を始めた。2020年8月までの12年余に気象庁が出した噴火警報を詳しく読むと、噴火予知を55回したと解釈できる。そのうち7回の直後に該当する噴火が発生した。噴火予知の精度は13%だった。いっぽうこの間に噴火警報がないまま顕著な噴火が24回発生した。噴火予知の感度は23%だった。 (以下の表3つは、噴火警戒レベルの上げ下げと噴火があるたびに更新している。) 予知成功の代表例  2015年5月6日箱