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毎朝、待っている牛がいる〜

週休1日あるだけでもありがたい現場

昨日は、レギュラー従業員のM君がお休み。
その分、僕が彼のカバー要員として朝晩の搾乳を担当しました。
牛舎にいる約80頭の牛を8台の機械(=ミルカー)を使って1時間ちょっとで搾っていきます。

工場なら機械を止めれば人は休めるけど・・・・

先日お話した通り、牛舎の中は牛ファーストが基本。牛達は1日2回の搾乳が欠かせない。また、水も飲むし、餌も食う。人間はとにかく彼女達のペースが崩れないように、毎日お世話をしています。

機械化が進む=大規模化という方向性

“省力化”がどの牧場でも大きなテーマです。昔と違い、人はいないし、皆、高齢化してきた^^;。
これまでは、

省力化=機械化=大規模化

これが基本的な流れです。機械化するためには、大きな投資をして大規模化。でも、搾乳牛が増えるということは、その分、育成牛や、生まれてくる子牛も増える。餌の確保も必要だし、う○ちが沢山でた後の処理を可能にする施設も増設しなければならない。でも、そろそろ、そうした方向性ばかりではない、ということを見出すべき時が来ているような気がします。なんとなくですよ、なんとなく。

動物愛護とは、敬意を持って彼らと接する事

なんだか、外野から見てあれこれと言われることの多い世の中ですが、当事者が感じている現場での日々の想いはなかなか感じて頂くのは難しいなあと牧場の現場にいると思います。
昨日も立てなくなった牛と、もう回復の見込みがない牛の2頭が廃用牛として牛舎を離れていきました。 さっきまで牛の入っていた場所が空っぽになっている様子は何度見ても、なんとも言えない気分になります。

外野の声に耳を傾けるのではなく、軸を持とう


繋ぎっぱなしの牛を見るとかわいそう!って言う人もいますが、放牧が幸せかというと、力の弱い牛はいじめられるきっかけになってしまうこともある。人間の尺度で勝手に決められるものでもないんです。日々、牛の様子をチェックして小さな兆候も見逃さずに早朝深夜であっても、遠慮なく獣医さんに診てもらうこともあります。


家畜(=人間を支える為に飼われている動物)としての命をいかにして全うさせるか。そのために敬意を持って日々接することが、酪農家の考える動物愛護だと僕は思います。 いろいろあるよね。どんな仕事でも。



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