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【感想】NHK 歴史探偵「幕末へGO!外国人と戊辰戦争」を視聴しました

2023年2月1日(水)22:00~22:44、NHK 歴史探偵「幕末へGO!外国人と戊辰戦争」を視聴しました。

<始まる前に>
武器商人が歴史を動かしていた、という今まで陰謀論として無視されていた歴史観が解明されるのでしょうか。
大変楽しみです。

<NHKのあらすじ>
幕末を動かしていたのは外国人だった!?
戊辰戦争を激化させた謎の武器商人。
徳川のサムライたちともに戦ったフランス軍人。
戦場を徹底調査し、描き出す新しい幕末秘史。

■YOUは何しに幕末へ!

■スタジオで
幕末に日本にやって来た外国人のお話です。
佐藤所長「即座に出てくるのが黒船・ペリーですね」
開港間もない頃の横浜の絵図、イギリス、フランスなど国際的な様子に変わります。
横浜開港資料館へ
・白井拓朗さん
当時の外国人の暮らしはどんなものだったのか?
外国人居留区を写したパノラマ写真、和洋折衷の変わった家屋です。
外国人が急激に増加し、様々な問題が起きていました。
家賃は月500万円かかったり、下水道の整備が追いつかず汚水が道にあふれる状態でした。
さらに新たな軋轢として、攘夷運動が起きたのです。
日本の政治は混乱、薩長藩が勢力を伸ばし、幕府と対立します。
徳川幕府が混乱を治めるために利用したのがフランス軍事顧問団で、幕府軍を近代化しようとします。
ジュール・ブリュネ副団長が指揮を取ります。
先ず取り組んだのが、日本人を西洋式の軍隊の動きになれさせることでした。
どんな訓練が行われたのでしょうか?
・大久保秀哲さん(金沢星稜大学)
集団で同じ動きをすること、当時の日本人には苦手な動きでした。
狙いは、サムライたちを機械のように正確に動く兵士に育て上げることでした。
さらに、軍服や武器も西洋式に一新、こうして誕生したのが、「伝習隊」です。

■フランス軍人の戦い

薩摩藩邸焼き打ち事件
強盗や放火が相次いでいて薩摩藩が背後で暗躍していたので、ブリュネたちは薩摩藩邸攻撃を計画します。
大砲を駆使して敵を打ち倒そう、という作戦でした。
まず大砲を屋敷の屋根や門さらに屋敷を砲撃、敵を追い出して白兵戦に持ち込みます。
見事に成功し、江戸から薩摩の勢力を一掃します。
ところが、薩摩、長州は京都で天皇を忠臣とする新政府を樹立、戊辰戦争の始まりです。
総大将・徳川慶喜が突如江戸へ逃亡、徳川軍は崩壊、江戸開城。
しかし、榎本武揚率いる徳川艦隊が抵抗を開始、伝習隊も挙兵、新たな戦いが始まりました。
フランス軍事顧問団には、帰国命令が出ていましたが、命令を無視し、徳川軍に加わったのです。

■スタジオで
佐藤所長「ブリュネさんに侍魂を感じてしまいました」
『ラストサムライ』はブリュネがモデルになっているそうです。
・バウマン・アンドレアスさん(ドイツ出身の国際関係史専門)
「自分の部下に対する愛情が一つ。最も大きいのは、イギリスへのライバル意識が強かったのです」
「イギリスとフランスは世界中で覇権争いをしていました。日本もその舞台の一つでした」
佐藤所長「グローバルなイギリスVSフランスという感じがします」
別の目的でやってきた外国人たちがいました。
一攫千金を夢見て多くの商人たちがやってきました。
戊辰戦争に関与した外国人とは?

■外国人と戊辰戦争

横浜開港資料館へ
ジャパンパンチという風刺画に書かれているのは、妙な格好した着物姿、ブーツに刀の外国人。
会津の将軍?といわれたこの男の正体は?
ハインリッヒ・シュネル
元はプロイセン出身で公使館の通訳を務めていました。
なぜ通訳が将軍と呼ばれるようになったのか?

■新潟県小千谷へ
・淺川道夫さん(日本大学)
戊辰戦争激戦の地の一つ、新潟県朝日山です。
調査を開始して1時間、見つかったのは椎の実型の銃弾です
エンフィールド銃のものとわかりました。
近代的な戦法を駆使していたのです。
エドワルド・シュネルはハインリッヒの弟です。
会津の兄と協力し、東北諸藩に武器を売りさばきます。
ライフル銃1000丁に相当する金額の軍事物資を売却していました。
福岡万里子さん(国立歴史民俗博物館)
ハインリッヒが東北諸藩の参謀たちと新潟でエドワルドを交えて商談、コネクションのある外国商会に武器を発注。
新兵器はガトリング砲です。
弾丸を連射する兵器で、この兵器が開発されたアメリカ、当時の設計図を復元した銃で実験します。
毎分200発、兵士100人分に相当する銃弾を打ち込むことができました。

■市立米澤図書館
軍艦の購入や軍資金の調達まで助言する立場になっていました。
しかし、この関係は突如終わりを迎えます。
新政府軍が東北に大量に兵を派遣してきたのです。
その時シュネル兄弟は、必ず援軍を連れて戻ってくると、姿を消します。
そして、援軍がやって来ることはありませんでした。

■スタジオで
佐藤所長「ここまで外国の商人が影響を与えていたとは知りませんでした」
「なんて物騒なものを日本に持ち込んできた、恐ろしい」
バウマン・アンドレアスさん
「アメリカでは南北戦争があった、大量の武器が残っていたので、カタログを使い売却したのです」
「ただ、金儲けだけでは語れないものがあった、シュネルはおようさんという嫁をもらい子もできました」
その後会津への協力を続けたのです。家族と仲間たち30人くらい船に乗せてサンフランシスコに送り、ワカマツコロニーという名をつけたのです」
アメリカに残っていたのが、松平容保からシュネルに送られた葵の御紋が入った刀です。
「初めて信用され頼りにされ、身分を得た、愛情と忠誠心が生まれたんじゃないでしょうか」

■箱館:フランス軍人最後の戦い

五稜郭にブリュネはやってきます。
・野村祐一さん(函館市教育委員会)
戊辰戦争の10年前から築かれ始めた西洋式のお城、要塞になります。
五角形なのは大砲を置き、死角がない鉄壁の要塞でした。
とろこが、ブリュネが来た時、箱館奉行所として使われていました。
一度も攻撃を受けることのなかった五稜郭、大砲が備え付けられていなかったといいます。
ブリュネたちは五稜郭の改造工事を行ないます。
大砲を運び込むためのスロープを設置、発掘調査では轍が見つかりました。
鉄壁の要塞に作り変えます。
さらに海上では、開陽丸が睨みをきかせます。
しかし、大しけに会い開陽丸が沈没、さらに悪い知らせが。
新政府軍がアメリカから最新鋭の軍艦「甲鉄」を手に入れたという情報が。
「甲鉄」は厚さ14cmの鉄板がはられていて、当時の大砲で鎮めることは不可能でした。
ブリュネたちは起死回生の策を打ち出します。
アボルダージュ作戦
闇夜に紛れて船を近づけ、甲鉄を奪う作戦です。
・淺川道夫さん
「展望を持って海上権力を維持していくかという戦略だっと思います」
最後の戦い、1869年5月6日宮古湾で始まります。
しかし、凄まじい銃撃が伝習隊を襲います。
甲鉄にあったのはガトリング砲です。
圧倒的な火力を持つ敵にアボルダージュ作戦は失敗に終わります。
新政府軍が上陸、ブリュネの仕事は終わり、祖国フランスへ帰国。
日本を去る船の中、こう日記に書き記しています。
「我が弟子たちの勝利を見ることができなかった、私達が伝えてきたことを受け繋いでくれるだろう」

■スタジオで
佐藤所長「親が子に対して思うようなことだなあ」
バウマン・アンドレアスさん
「この後、フランスに帰り、軍人といて出世し、陸軍少将まで上り詰めました」
ブリュネ直筆のスケッチが残っていました。
佐藤所長「絵描きさんのような絵で、上手です」
バウマン・アンドレアスさん
「軍人たちはスケッチを習い、戦いに必要な地形を正確に伝えるため学んでいました」
外国人は、日本にどういう影響を与えたのでしょうか?
「代表的な例は浮世絵は、日本で買った品をつつむ包装紙、緩衝材として使われていましたがかなりの衝撃を受けたのです」
佐藤所長「湯呑みを開けて、この絵は何?というような」
「ジャポニズムブームが生まれました。外国人から吸収し受け入れる力があった」

ーーーおわりーーー

次回は(再放送)「桶狭間の戦い」2月8日(水)放送です。

■感想

昨年10月に放送したNHKスペシャル 新・幕末史 グローバル・ヒストリー 「第2集 戊辰戦争 狙われた日本」の二次加工番組でした。
つまり、Nスペがイギリスの視点で、歴史探偵はフランス軍から見た幕末でした。
このNスペをオブラートで包みこみ、武器商人や外国軍人を美化した感じ。
なんだか、ロ・ウ紛争のウク応援番組を感じさせる内容でした。
結局は、欧米列強の代理戦争として小国は戦わされ、武器を購入させられるということです。
もちろん、そんなことは一言もありません・・・。
現代の武器商人や欧米列強(G7)の悪口はもちろん言えませんし。。。
あとは、Nスペではストーンウォールといい、こっちでは甲鉄といっていたのが面白かったです。
歴史を勉強すると現代のご時世まで見えてきて学びがいがあります。


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