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【感想と解説】NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第23回「狩りと獲物」

2022年6月12日(日)20時放送、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第23回「狩りと獲物」を視聴しました。

<始まる前に>

第7次出演者が発表されました。
男優陣は、平賀朝雅(山中崇)、慈円(山寺宏一)、土御門通親(関智一)、源仲章(生田斗真)
女優陣は、のえ(菊地凛子)、初(福地桃子)、藤原兼子(シルビア・グラブ)、せつ(山谷花純)、つつじ(北香那)、トウ(山本千尋)
どんな演技を魅せてくれるのか楽しみです。

<NHKのあらすじ>

嫡男・万寿(金子大地)の披露目の場とするため、御家人を集めて富士の裾野で巻狩りを行うことを決めた源頼朝(大泉洋)。
工藤祐経(坪倉由幸)が賞賛する中、頼朝を憎む曽我十郎(田邊和也)・五郎(田中俊介)兄弟らが謀反を計画。
梶原景時(中村獅童)から企みを知らされた義時(小栗旬)は、急ぎ五郎の烏帽子親である父・北条時政(坂東彌十郎)のもとへと向かう。
不穏な気配が漂う巻狩りには、義時の愛息・金剛(坂口健太郎)も……

■プロローグ

義時は、隠していることはないかと時政に問いますが、時政はただの敵討ちだと考えています。
義時は曽我兄弟の狙いは単なる敵討ちではなく、頼朝への謀反を企んていて時政は利用されたのだと打ち明けます。

---曲---
エバン・コール

■ナレーション(長澤まさみ)

最高指導者の暗殺。
歴史上、権力の絶頂で命を落とした者は多い。
鎌倉殿、源頼朝にもまた、冷たい刃が迫っている。

■万寿の初陣

巻狩りに万寿が初めて参加、北条家が揃って初陣を送り出します。
坂東各地から御家人が頼朝の元に集結していました。
初日、獲物を捕れなかった万寿に対し、金剛は鹿を仕留めました。
時政に、義時と畠山重忠が話し合います。
頼朝は謀反の企てを知らず、畠山重忠が謀略を食い止めようとします。

■翌朝

弓矢の苦手な万寿に対し、皆が弓の指導をしています。
万寿は金剛に弓をやって見るように言うと、一発で仕留めてしまいました。
万寿に対し、梶原景時が戦に作法はない、毒針を獣道に仕掛けておけばいいのだとアドバイスするものの万寿は聞く耳を持ちません。

■比奈の心

比奈(堀田真由)は義時と二人きりで夜に外出すると、イノシシと遭遇してしまいます。
襲ってくるイノシシにあわやのところで逃げることができました。

■動かぬ鹿

八田知家(市原隼人)が鹿の剥製を持ってきました。
鹿の剥製に向かって弓を放つ万寿、家人が放った矢が命中するという出来レースでした。
頼朝が手を回して仕組んだことに万寿は気づいていました。

■矢口祝い

「武家の男子が初めて獲物を仕留めた際に三色の餅を山の神に供える儀式である」(長澤まさみ)
比企能員(佐藤二朗)や道(堀内敬子)が万寿が仕留めた鹿のことを話し、万寿を褒めています。
しかし、政子(小池栄子)と大姫(南沙良)は鹿を仕留めたのは当たり前、大したことでないとその場を冷淡に対応します。
比企能員一家と政子は仲が悪いようです。

■5月28日夜

夜、比奈の下へ出かけようとする頼朝を安達盛長(野添義弘)が引き止めますが、でかけてしまいます。
頼朝の寝床には工藤祐経が身なりを変装して寝ていました。
比奈の所には義時がいたため、頼朝は帰っていきました。
雨が降り出し、頼朝は雨宿りするしかありません。
曽我十郎、曽我五郎等が夜襲をかけようと狙っています。
方向が違うという仁田忠常(高岸宏行)に曽我兄弟は鎌倉殿の館で間違いないといい、交戦状態になります。
鎌倉殿の館に待ち構えていた畠山重忠の軍勢が曽我兄弟勢と一騎打ちになります。
曽我五郎が頼朝の寝床に討ち入り仕留めます。
万寿は無事ですが、頼朝は討ち取られたとの情報が入ります。
現場の仁田は首のない死体を見ていると、そこに頼朝が現れました。
範頼が鎌倉の北条政子に一報を知らせに来ました。
「鎌倉は私がお守り致す」(範頼)

■比企能員一家

「賭けに出るか?」(能員)
比企能員は範頼(迫田孝也)をけしかけ、今こそ鎌倉殿になれと強く話します。
しかし、生死がはっきりしていないのに動いてはいけないと大江広元(栗原英雄)は制します。
三善康信(小林隆)は範頼に味方します。

■富士野では

梶原景時は捕らえられた曽我五郎に、鎌倉殿は生きていると話します。
このままでは兵を貸した時政も罪に問われるため、義時は頼朝に謀反を装った敵討ちがあったと報告します。
敵討ちを装った謀反ではなく、謀反を装った敵討ちだと。
曽我五郎の面前で、誠にあっぱれ、騒ぎを起こしたことは許しがたいいう理由で断首とします。
「兄弟の討ち入りは見事であった末代までの美談である」(頼朝)
曽我五郎は討ち入りではなく頼朝を狙ったと言い張ります。

■頼朝の気持ち

「時政は曽我五郎の烏帽子親と聞いた、北条は関わりないのを信じていいのか?」(頼朝)
「もちろんです」(義時)
「鎌倉殿は天に守られております」(義時)
「これまでとは違う。昨日は何も聞こえなかった、たまたま助かっただけじゃ」(頼朝)

■比奈の心

比奈(堀田真由)は義時と二人きりで夜に外出すると、イノシシと遭遇してしまいます。
襲ってくるイノシシにあわやのところで逃げることができました。

■比奈の想いと

比奈は義時を気に入り、側にいさせてほしいと願います。
義時は八重のことを忘れることはできないと、その場を去ろうとします。
「私が小四郎殿を見ていればそれでいいのです」(比奈)

■政子と頼朝

政子は頼朝が無事で良かったと包容します。
そして、範頼が鎌倉殿になったかのような振る舞いをしていたと、大江広元は頼朝に報告します。

----つづく----

次回は第24回「変わらぬ人」6月19日放送です。

■感想

曾我兄弟の仇討ちをどう描くのか楽しみにしていましたが、予想外の見事な展開でした。
細かい描写が続き、少しでも見逃すと意味がわからなくなるくらいです。
どこまでが偶然でどこまでが計画どおりだったのか、もちろん史実はわかりません。
これまでのドラマの展開を見ていると、本当にこうだったのでは、と思わせるストーリーでした。

■勝手に解説

日本3大仇討ち事件、赤穂浪士の討ち入り、鍵屋の辻の決闘、もう一つが曽我兄弟の仇討ちです。
建久四年5月28日(1193年)、富士(静岡県)の巻狩りにおいて曾我五郎と曾我十郎の兄弟が父親の仇である工藤祐経を富士野にて討った事件とされています。

NHK鎌倉殿サミット2022「源頼朝 死をめぐるミステリー 日本史上の大転換点」にて論じられた内容を引用致します。

■曽我兄弟の仇討事件
工藤祐経に父を殺された曽我兄弟が仇討ちを果たしたという事件。
巻狩最終日の夜、工藤を殺害念願を果たした。
吾妻鏡にはその後に起きた事件が書かれていた。
曽我兄弟は、頼朝めがけて走り、殺そうとした、というのだ。
武士にとって頼朝は自分たちの利益を守り、朝廷と向き合ってくれる存在だった。
しかし、奥州藤原氏を滅ぼすと、お家拡大のチャンスが無くなる。
権大納言・右近衛大将に就任、名実ともに朝廷に認められた。
大正時代の歴史学者・三浦周行は曽我兄弟事件の裏には頼朝暗殺の黒幕がいたと主張する。
それが北条時政。
もうひとりが、弟・範頼。
「範頼が控えておりますのでご安心ください」
謀反の疑いがあると島流しにされ、その後殺害された。

・専門家は全員反対
坂井「曽我事件は暴発、事件後の粛清で暗殺の可能性はなくなった」
井上「暗殺ならお見事、誰も見抜けぬ完全犯罪」
近藤「黒幕になる動機のあるものがいない」
佐伯「曽我事件は単なる暴発」
朝廷との結びつきを強めていく頼朝に対し不満を抱く武士たちもいた。

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