見出し画像

【感想と解説】NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第47回「ある朝敵、ある演説」

2022年12月11日(日)20時放送、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第47回「ある朝敵、ある演説」を視聴しました。

<始まる前に>
鎌倉殿の13人も残り2回となりました。
なかなかの出来で面白かった。
大河ドラマのMyベスト3に入るんじゃないかな。
そして、次作は徳川家康が主人公の大河ドラマ、これも楽しみですね。

<NHKのあらすじ>
幕府の後継者争いが発端となり、乱れる京。
朝廷の象徴である内裏が焼け落ちると、後鳥羽上皇(尾上松也)は再建費用を日本中の武士から取り立てることを決める。
しかし、北条義時(小栗旬)は政子(小池栄子)と大江広元(栗原英雄)の支持を得て、要求を先送りにすることを決断。
泰時(坂口健太郎)をはじめ御家人たちが後鳥羽上皇との関係悪化を心配する中、三浦義村(山本耕史)は
京で大番役を務める弟・胤義(岸田タツヤ)に……

■プロローグ

実衣は尼副将軍として政子の補佐をすることになりました。
三浦義村(山本耕史)「立場は人を変えるな」
「北条義時に人生最大の試練が近づいている」(長澤まさみ)
京内裏で、「始まりはこの男、源頼茂(井上ミョンジュ)」
燃えているのは内侍所の方角、上皇は源頼茂追討の命を出しました。
「この一件が鎌倉と朝廷方の命運を決める大戦・承久の乱を引き起こす」(長澤まさみ)

---曲---
エバン・コール

■ナレーション(長澤まさみ)

収まったかに見えた義時と後鳥羽上皇の対立が、再び燃え上がる。
その火は、どちらかを焼くまで消えぬほどの勢いとなる。
決戦が近い。

■大乱近づく京都

「源頼茂の謀反は、あっという間に鎮圧される、しかし朝廷の象徴であった内裏は焼け落ちた」(長澤まさみ)
内裏再建の費用は全国の武士から取り立てる、御家人と義時の対立を煽る、という策を上皇側が練ります。
慈円(山寺宏一)は上皇の考えと対立します。

■鎌倉では
時房は地獄から響く風のような音が聞こえると当たりを見渡すと、三善康信(小林隆)のイビキでした。
都を助けるのは鎌倉の立て直しが済んでからという意見で一致します。
のえ(菊地凛子)と二階堂行政(野仲イサオ)が、兄を京都守護に取り立ててくれたお礼に来ました。
行政とのえは、政村を後継ぎにしたいという思いがますます強くなっています。
北条家では、御家人に厳しすぎる愛嬌の無い義時だと話し、自分には愛嬌のあると時房(瀬戸康史)が言います。
時房と泰時は二人で義時を支えていこうということでまとまりました。

■御家人たち

長沼宗政(清水伸)たち御家人は上皇様と揉めたくない執権が上皇と話をつけてほしいと願い出ています。
泰時は、上皇の狙いが御家人と義時の間を裂こうとしていることだと考えています。
三浦義村の弟・胤義が大番役で京都におり、上皇に取り入るように言ってあると。
上皇は、頼れば取り立ては免除すると胤義に命じます。
上皇は慈円に義時を呪詛せよという命じますが、鎌倉びいきな慈円に対し藤原兼子も上皇を応援、慈円は窮地に立たされます。
藤原秀康(星智也)がその時に備え、西面・北面の武士を鍛えるため流鏑馬と称し兵を集めようとします。

■着袴の儀
のえは政村の後継ぎのことを、話しますが、政子にあっさり退けられます。
実衣も命取りになるとアドバイス。
着袴の儀「義時が三寅に袴を着けさせ、最高指導者であることを御家人たちにあらためて見せつける」

■京都では
「京では義時を調伏するための祈祷が行われている」(長澤まさみ)
上皇側は、大掛かりな呪詛はすぐに鎌倉に伝わるはず、御家人たちが義時から離れていく音が聞こえるようだと話しています。
上皇は、藤原秀康から三浦胤義に京都守護の伊賀光季を討ち取らせよと命じます。
「北条義時追討の狼煙とする」(上皇)
胤義が呼ばれ、「義村と上皇が手を結べば必ず義時を討てる」
「承久三年(1221年)5月15日、京都守護が官軍に襲撃される」(長澤まさみ)

■いつもの三浦

上皇から義村に味方につけと書かれた義時追討の文が届きました。
まずは大義名分がほしいと、現れたのが平知康(矢柴俊博)です。
実は、長沼宗政も同じく平知康から院宣をもらっていたのです。
そして、御所に呼ばれた義村はあっさりと、上皇の院宣が平知康から義村に手渡しされたことを報告したのです。
突然、平知康が捕らえられました。
京都守護の兄が討伐された事件が、のえと行政にも届き、義時に対する怒りが湧いてきました。

■北条会議

官軍と戦うべきと泰時、義時とはいつも逆のことを考えているようです。
義時は戦をするつもりはなく、自分が犠牲になる考えです。
「お前なら安心して北条を、鎌倉を任せられることができる。時房も泰時を支えてやってくれ」(義時)
鎌倉のために命を犠牲にするつもりです。
のえは義時に冷たくされ怒りに泣いています。

■政子と義時

「元は小さな伊豆の豪族の次男坊、その名を上皇様が口にされ、討伐のため兵を差し向けようとする。平清盛、義経、征夷大将軍・源頼朝と並んだのです。北条四郎の小倅が。おもしろき人生でございました」(義時)
「かっこよすぎます」(実衣)
「大丈夫かっこいいままでは終わらせません」(政子)
政子は大江広元に御家人の心をうつ文を書いてもらっています。
義時が話そうとした時、そこに政子が現れます。

■尼将軍の演説

「私が皆にこうして離すのは最初で最後」
「頼朝様の御恩は山よりも高く海よりも・・・」
ここで紙を見て話すのをやめ、本当の話を始めます。
「上皇様が狙っているのは義時の首です、そして己の首を差し出そうとしています」
「鎌倉が守られるのなら命を捨てようとしてあなた達のために犠牲にしようとする。執権を憎むものが多いことも知っています、この人は生真面目なのです。一度たりとも私欲にはしったことはありません。選ぶ道は二つ。上皇の言いなりになるか、戦って坂東武者の世を作るか、源氏の遺跡を守り抜くのです。敵は官軍、厳しい戦いになります。上皇様に付きたいというものを止めることはありません」
泰時は「そのようなものがここにいるはずはありません」
御家人たちは立ち上がり泰時、政子に同意しました。

----つづく----

次回は第48回「報いの時」12月18日放送、最終回です。

■感想

命を差し出す覚悟の義時というストーリーを入れたリアリティある政子の大演説。
なぜ演説として名高いかが伝わり、感動的でした。
泰時と義時の世代では、都に対する立ち位置も少し違っていたと考えると、泰時の方が好戦的だったというのも、有り得そうです。
まさに天下分け目の戦いとなった承久の乱です。
天武、聖武、後醍醐天皇といい皇親政治のような天皇独裁がうまく機能することはほとんどありませんでしたから、後鳥羽上皇も、慈円の言う事を聞いておけばよかったんでしょうね。
そして、のえと義時の関係が気になります。
のえの兄は討伐された伊賀光季だったとは、最終回でその辺が明かされるのでしょう。

■勝手に解説

承久の乱について、一応、こちらにも記事があります。


この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?