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【感想】NHK大河ドラマ『光る君へ』第21回「旅立ち」

2024年5月26日(日)20時『光る君へ』第21回「旅立ち」を視聴しました。

<NHKのあらすじ>
定子(高畑充希)が髪をおろしたことは内裏に広まり、一条天皇(塩野瑛久)はショックを受ける。
任地に赴くことを拒み逃亡する伊周(三浦翔平)を実資(秋山竜次)らが捜索し、やがて発見するが…。
定子を守ることができず落胆するききょう(ファーストサマーウイカ)を励ましたいまひろ(吉高由里子)は、中宮のために何かを書いてはどうかとアドバイスする。
越前へ旅立つ日が近づき、まひろは道長(柄本佑)に文を送り…


■プロローグ

■長徳2年(996年)
出家することを決意した定子に、一条天皇はなぜ止めなかったのかと道長、実資を問いただします。
一条天皇は、定子は自分とはもう会わない覚悟なのかと嗚咽します。

---音楽---
冬野ユミ

---テーマピアノ演奏---
反田恭平

■まひろ一家

まひろは宣孝(佐々木蔵之介)に定子の事件を見たことを述べると、この騒動で得をしたのは道長だと宣孝は考えました。

●定子
清少納言が定子のもとにやってきました。
再び側においてほしいと懇願しますが、定子は拒否し、定子は倒れてしまいました。

●実資と妻・婉子
実資(秋山竜次)は、再婚した妻・婉子(真凛)にマッサージを受けています。
伊周を見つけなければ検非違使別当を止めるに止められない。
「今少し待て、今少しじゃ」(実資)

■捜索中に

実資は道長に命じられ、二条邸を捜索しようとすると、伊周が僧の格好をして出てきました。
剃髪していないことがバレて、定子に見苦しいと見放されました。
どうしてもここを離れたくない伊周は自分が我家を守ると述べますが、高階貴子(板谷由夏)にも止められました。
伊周が捕まったことを一条天皇に報告し、母と同行しているものを直ちに引き離し太宰府に流すよう厳命されました。
そして、母・高階貴子の同行を懇願しますが実資に騎馬にて下向とされました。

●ナレーション 伊東敏恵(NHKアナウンサー)
「父・道隆の死からわずか1年、その子どもたちはすべて内裏から姿を消した」

●二条邸が火事
定子は火事になっても逃げようとしませんでしたが、清少納言にお腹の子のために生きるよう促されました。

●詮子と倫子
詮子は倫子に兄・道隆の焦りから始まったもの、先のことはわからないと感じていました。

●琵琶を奏でるまひろ

●一条天皇
●ナレ
「一条天皇は実資を中納言とし、望み通り検非違使の別当を免じた。そして、道長を正二位左大臣に昇進させた」

●ナレ
「定子の出家後、次の后探しが始まっていた」
道長が后候補として挙げたのは、藤原顕光の娘・元子、村上天皇の孫です。
あの呪詛は不思議なことだった、詮子と兼家は仮病が得意だと倫子(黒木華)は笑って話します。
この言葉に、詮子(吉田羊)も道長も唖然としています。


(感想)
やっぱり、倫子は詮子、道長以上に怖い存在でした!

■まひろと清少納言

清少納言はまひろに対し、定子が懐妊したことを打ち明けます。
生きる気力を失った定子は食事もあまり食べず、腹の子に影響があることを心配します。
定子を元気にするアイデアを尋ねられたまひろに、ききょうは以前高価な紙を定子から帝に献上したことを話します。
司馬遷の『史記』を帝が書き写したところ、定子が何を書いたらいいかしらと尋ねました。
枕詞を書かれたらいかがでしょうと申し上げたら、と答えました。
史記は四季ものだから枕ですかとまひろは理解しました。
まひろは、その紙に定子のために何か書いたらどうかと提案します。
帝が司馬遷の史記だから、ききょうは春夏秋冬の四季はどうかといいます。

■枕草子誕生

清少納言は筆を執り、その文を定子の寝室に差し入れました。
その文章は、枕草子です。
ホタルが舞う中、定子はその文を読んでいます。
「春はあけぼの、ようよう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。
夏は夜、月のころは、さらなり、やみもなほ蛍のおほく飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなどほのかにうち光りて
行くもをかし。雨など降るもをかし。
秋は夕暮。夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、鳥の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛びいそぐさへ、あはれなり。まいて雁などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫のねなど、はた言うべきにあらず」


(感想)
定子が枕草子を読む場面は、文章の持つ力を感じて感動的でした。
蛍の舞といい、音楽といい、感傷的な二人を見ていると、悲しさの中で元気づけられる思いが伝わります。
この定子が最悪の時に枕草子の話を挟んだのは、よく理解できました。

●ナレ
「たった一人の悲しき中宮のために、枕草子は書き始められた」

●為時への命令
為時(岸谷五朗)が道長に呼ばれやってきました。
我が国では博多の津においてのみ宋との商いを許している。
ところが、宋人70名余りが若狭に到来し、新たな商いを求めてきた。
しかし若狭に異国人を入れる館もなく、越前に移し松原客館に留め置いている。
朝廷は越前に新たな商いの場を設けることはしない。
都に乗り込む足がかりとすることも考えられる。
商人と偽り、官人、軍人であるかもしれないから宋に返すよう、為時に命じました。
為時は、大きな使命を浴び、プレッシャーで気が重い状態です。
まひろは宋人に合うのが楽しみだと宣孝に述べています。
そして、弟・惟規(高杉真宙)は文章生に合格しました。
惟規を世話するためにいと(信川清順)は、越前に行けない、待っているといいます。

■逢引

まひろは筆を執り、廃邸で道長に会いました。
父の越前守就任について、道長はまひろが書いた字はわかるといいます。
まひろは、最後に聞きたいことがあるとして、中宮様を追い詰めたのは道長なのか?
伊周を追い落としたのは謀なのか?
道長はそうだと答えました。
まひろは、顔を見てわかった、そういう人ではないと安心しました。
道長は、まひろとの約束を何一つ果たしていない、どう向かえばいいのかわからないと打ち明けます。
抱き合い接吻しながら、しばしの別れを惜しみました。

■越前へ

船で越前へ向かうまひろ一行。

●ナレ
「京を出立したまひろたちは、琵琶湖を船で北上し、越前への山道を進んだ」
途中休憩で、国府に行く前に立ち寄りたところがあるという為時です。

●松原客館
為時は一刻も早く宋人に会いたいと言います。
そこには大声でつかみ合う宋人たちが集まっていました。
中国語で越前の新しい国司だと話す為時、陰からそれを見つめる周明(松下洸平)とオウムです。


(感想)
直秀(毎熊克哉)に代わる、周明(松下洸平)とオウム(声・種崎敦美)が越前編の重要な鍵になりそうで、楽しみです。

----終わり----

次回は 第22回「越前の出会い」6月2日放送です。

■感想

枕草子の内容は3つに分かれます。
①日記(宮中での出来事)
②テーマ(「かわいらしいもの」など)
③エッセー(自然や人間について)
順番がばらばらで、晩年のことがはじめに出てきたり極めて珍しい形の本でした。
中宮・定子を褒め称えるために書かれたのが枕草子でした。
ドラマとは違い、もう少し早い時期、つまり定子の絶頂期から書かれたのではないかと考えられます。
そして、紫式部と清少納言は嫉妬があり、ドラマのような仲の良い友達関係ではなかったようです。
ドラマで関係の変化がどう描かれるかはわかりませんけど。
今後のまひろとききょうの展開に期待ですね。


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