見出し画像

【感想】NHK大河ドラマ『光る君へ』第3回「謎の男」

2024年1月21日(日)20時『光る君へ』第3回「謎の男」を視聴しました。

<始まる前に>
そろそろメインの登場人物は、顔と名前が一致するようになってきました。
まだまだ、登場人物は増えそうですけど。

<NHKのあらすじ>
放免に捕えられた道長(柄本佑)を案ずるまひろ(吉高由里子)。
為時(岸谷五朗)に謹慎を強いられ、成す術もない。
ある日、まひろは為時から思わぬ依頼を受けることに。

自分のせいで放免に捕らえられた道長(柄本佑)を心配するまひろ(吉高由里子)。
しかし、父の為時(岸谷五朗)に謹慎を強いられたため、ただ案じることしかできない。
兼家(段田安則)の指示で道兼(玉置玲央)は女官を使って帝の食事に毒を仕込み、円融天皇(坂東巳之助)は急激に体が弱っていく。
政権を掌握するために二の手を打ちたい兼家は、ライバルの左大臣家の動向を探るため、為時を利用してまひろを間者として送り込む。

■プロローグ

●永観2年(984年)
前回の回想からスタート
三郎が盗賊と間違って捕まります。

---音楽---
冬野ユミ

---テーマピアノ演奏---
反田恭平

■道長、放免になる

道長は無罪放免になりました。
その様子を陰からうかがう直秀(毎熊克哉)です。
右大臣の息子がなぜ放免などに捉えられたか、父の兼家に道長は責められます。
民の暮らしを知ると思い切った政はできないとも言います。
懐仁親王を東宮にして帝にしなければならない。
自分と同じ三男のお前には望みをかけたが間違いだったのだなと兼家は後悔します。
兼家は従者の百舌彦(本多 力)をこの屋敷から去れと命じました。
詮子が三郎を助けに入りました。
身分の卑しい女性を好きになったと勘ぐり、早くそのようなおなごは忘れなさいと言いました。


(感想)
ドラマは、兼家が三男だったのに出世したのは、悪巧みばかりしたからだと言いたいようです。

■まひろに忍び寄る男が

まひろが夜に抜け出さないよう、乙丸(矢部太郎)が監視しています。
まひろは月を見るだけと言って外に出ると、誰かが声をかけてきました。
それは直秀で、あいつは無事だとだけ言ってすぐにいなくなりました。
まひろは似顔を書き、六尺以上の背丈で名前が三郎というものを探してくれと太郎(高杉真宙)に頼みます。
高辻富小路の絵師を訪ねてみることもアドバイスします。
歌はうまいけど、絵は下手だなあと太郎に言われてしまいました。

■宿直での仲間

盗賊は入らないだろうと宿直で三郎は仲間と囲碁を指しています。
仲間とは、藤原公任(町田啓太)と藤原斉信(金田哲)です。
文を持ち寄り、歌の吟味を始めました。
藤原公任は、姉についている女房の歌を、歌はうまいが顔はまずいと評価します。

●ナレーション 伊東敏恵(NHKアナウンサー)
「藤原公任は関白の息子で中宮・遵子の弟。藤原斉信は大納言の息子である」
道長も懐に文を隠し持っていました。
藤原斉信は、左大臣の姫君・土御門の倫子に文を届けたと言います。
年上なのにまだ婿をとっていないそうです。


(感想)
さすが源氏物語とシンクロするだけに、美男子の色恋が描かれそうです。
この二人はその代表格でしょう。

■三郎の捜索
絵師(三遊亭小遊三)に三郎が来たら教えてほしいと頼みますが、まったく話になりません。
本人の従者にも聞きますが、知らないと答えられます。
まひろの前に三人の三郎らしき人物が連れてこられますが、皆違いました。
太郎は三郎について、鬼とか悪霊とか怨霊とか、幻じゃないのと案じます。


(感想)
太郎も立派に成長してよかったです。
頼りになる弟ですね。

●安倍晴明の祈祷
(ナレ)
「安倍晴明の祈祷のかいもなく、帝の容態は一向に回復しないまま、時が過ぎた」

■円融天皇の具合

道兼が、藤原実資(秋山竜次)に様子を尋ねますが、重くはなっていないが回復の兆しがないようです。
実資は様子がおかしいと感じ、内侍所に行って、食事の検分を行うようです。
それを兼家に報告しますが、陪膳の女房は守られていると思えば口は割らないとも言います。
実資はお上の信頼も厚く、いずれ味方にしておかねばとも。

■藤原道隆一家

藤原定子(木村日鞠)が転びますが、母の高階貴子(板谷由夏)は、自ら起き上がるように命じます。
定子は藤原道隆(井浦新)のむすめです。
懐仁親王(石塚陸翔)と兄弟のように遊ぶ定子を入内させるつもりだと道隆は述べます。
安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)と須麻流(DAIKI)は、邪気は払ったが、背負われた荷物が重く、それを降ろされたらいいとそして、掃除したと兼家に述べます。


(感想)
平安京って、鬼とか悪霊とか怨霊がうようよする魔界なんですよね。
安倍晴明のような陰陽とかが流行ったのもうなずけます。

●円融天皇
天皇は安倍晴明が譲位せよというのかと言うと、実資は邪気払いをすればいいと答えます。
懐仁親王以外では自分の血筋が絶えてしまうのを案じます。
懐仁を次の東宮にしたいというのは右大臣とも意見が一致します。
師貞親王(本郷奏多)が次の天皇に今すぐなれば世は乱れると実資は意見します。
兼家が天皇にご機嫌伺いにやってきました。
東宮になればもう少し強くなるであろうと。
東宮になるのがお上の願いであり、この国の願いでもあるとも語ります。
頭中将(実資)はいけ好かない、私達を疑うなんて無礼極まりないと内侍所で噂します。
検分はもう終わりにする、自分の早とちりであったと実資は道兼に話します。

●東宮について
兼家が左大臣の思惑を尋ねますが、左大臣は遠い親戚であるが、為時は良い答えが出てきません。
為時はそこで役に立てるかもしれないと何か策を兼家に授けます。

■土御門殿

(ナレ)
「こちらが左大臣家である。左大臣・源雅信、その妻・穆子、一の姫・
倫子」
琴を弾く倫子(黒木華)を前に源雅信(益岡徹)と妻・穆子(石野真子)が話しています。
倫子は来年22歳になると心配する穆子に、宇多の血筋だから心配ないと雅信は答えます。
雅信が土御門殿に婿入したのは20歳の頃だったそうです。

■まひろ左大臣家へ

和歌の好きなまひろに、左大臣の家に行ってみないかとまひろに打診します。
左大臣家の穆子には和歌の名人・赤染衛門がおり、そこにやんごとなき姫君が集う会があると説明します。
まひろは左大臣家に行くと、女性が集まっていて、初対面で挨拶します。
「先の播磨権少掾・藤原朝臣為時の娘・まひろ」と名乗りました。
芽子(渡辺早織)に、父親の内裏での仕事を聞かれると、まひろが官職がないと答え、倫子は笑いながら楽しんでいってくださいと応じます。
赤染衛門(凰稀かなめ)が指導し、手始めに「偏つぎ」という札に書かれた漢字の旁に偏を合わせる遊びを行います。
「月」を出すと、まひろが「日」を取ります
すべてまひろが取ってしまい、完勝でした。
すべてまひろが答えたため、その他の女性は不満げです。
これからは漢詩が読めないと子どもたちに指南できないと言いました。

■漢詩の学習

公任は、孟子曰はく「不忍人之心(人に忍びざるの心あり)」の一節をそらんじます。
人皆人に忍びざるの心有りと謂ふ所以の者は、
今人乍ち孺子の将に井に入らんとするを見みれば、
皆怵惕惻隠の心有あり。
交はりを孺子の父母に内るる所以に非ざるなり。
誉を郷党朋友に要むる所以に非ざるなり。
辞譲の心無きは、人に非ざるなり。
是非の心無きは、人に非ざるなり。

(ナレ)
「姫たちののどかな遊びとは対照的に、関白の屋敷では休日であっても上級貴族の子息達が国家を率いてものとしての研鑽を積んでいった」


(感想)
休日返上で学問をしたとは貴族も大変です。
とはいえ、おそらく平日何もしていないでしょう。
まあ、週休2日とかの現代と違い、平日とか休日とかの概念もなかったんでしょうけど。
キリスト教のように安息日という概念も無いし。

(ナレ)
「こちらは後に書で名を馳せる藤原行成である」
まじまじと行成(渡辺大知)の字を見つめる道長です。

●まひろの報告
まひろは為時に報告します。
為時は、婿を取るという話は出なかったのか問います。
兼家に、間者にするように頼まれたのではないか勘ぐります。
嫌なら行かなくて良い
倫子のお気に入りなれるよう務めると真摯に答えるまひろです。
まひろはその場を離れると息遣いが荒くなり、泣きそうになりました。

■和歌サロン

芽子がサロンで和歌を詠みます。
「見てもまた またも見まくの 欲しければ 馴るるを人は いとふべらなり」
古今和歌集の人のをそのまま盗んではいけない、自分の心を見つめ自分の言葉でないと相手に伝わらない、と赤染衛門に指導されます。
小野小町の歌を赤染衛門が詠みます。
「秋の夜も 名のみなりけり 逢ふといへば ことぞともなく 明けぬるものを」
乙丸とともに帰宅途中、散楽を見に行くことになりました。
そこに道長がやってきて、まひろも三郎に気づきます。
散楽で踊る芸人の覆面が外れると、夜に話した直秀でした。


(感想)
赤染衛門がなかなか賢そうな妙齢の美女としてうってつけの役割ですね。
なんで名前が「赤染衛門」なんでしょうね、江戸時代っぽい名前。

----終わり----

次回は 第4回「五節の舞姫」1月28日放送です。

■感想

藤原公任が読んでいた孟子の漢文の要約です。

人の不幸を黙って見過ごせない心で、人民の不幸を黙って見ていられない政治を実行するならば、掌の上で物を転がすように、極めてたやすいことである。
人間は誰でも皆 人の不幸を黙って見過ごせない心を持っているわけは、もし今ある人が 急に子どもが今にも井戸に落ちようとしているのを見たならば、
皆 ドキッとして痛切に悲しむ気持ちが起こるだろう。
子どもを助けなかったという悪評を嫌がってそのようにしたのでもない。

古文・漢文の世界

漢詩といい和歌といい、なかなか文化の香りが濃厚に漂う楽しいドラマです。

小野小町の歌です。

秋の夜も 名のみなりけり 逢ふといへば ことぞともなく 明けぬるものを
「秋の夜が長いというのも、言葉の上だけのことだった。せっかく恋人と逢う夜なのに、これということもなく、たちまち明けてしまうもの」(新潮日本古典集成より)。

美術展ナビ

古今和歌集といい、小野小町といい、久しぶりに聞く名前です。
仏教美術とか仏像とか好きなんで、たまに展示会を見に行ったりします。
まさに平安な時代を印象づける内容です。
しかし、ドラマ内でも宿直の中でコメントあったように、盗賊が頻繁に出現する時代でもありました。
平和な時代が終わりを告げる一歩手前でもあったのですね。
でも、この時代つまり、1000年頃に生きた人はラッキーです。
あと100年もすれば乱世が始まります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?