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【感想】NHK大河ドラマ『光る君へ』第4回「五節の舞姫」

2024年1月28日(日)20時『光る君へ』第4回「五節の舞姫」を視聴しました。

<始まる前に>
恋愛ものと思いきや、ミステリーの展開もあったり、毎回が楽しみです。
平安時代の歴史も学べるし、大変面白く視聴しています。

<NHKのあらすじ>
互いに身分を偽ってきたまひろ(吉高由里子)と道長(柄本佑)。
まひろは素性を明かす。
一方、兼家(段田安則)の悲願が成就し、花山天皇(本郷奏多)が即位するが…

互いに身分を偽ってきたまひろ(吉高由里子)と道長(柄本佑)だったが、まひろはついに素性を明かす。
道長も真実を語ろうとするが…その頃、円融天皇(坂東巳之助)の譲位を知った詮子(吉田羊)は挨拶のために謁見するが、思いもよらぬ嫌疑をかけられる。
ある日、まひろは倫子(黒木華)からの依頼で、即位した花山天皇(本郷奏多)の前で五節の舞を披露する舞姫に選ばれる。
そこでまひろは驚愕の真実を知ることに…


■プロローグ

前回の回想からスタート

---音楽---
冬野ユミ

---テーマピアノ演奏---
反田恭平

■永観2年(984年)

誤って捕まり放免に追われたことを謝るように直秀(毎熊克哉)に迫るまひろです。
まひろは、直秀が三郎が許されたことをなぜ知っているのか不思議に思っています。
なぜまひろの家の屋根に来たのかを考えています。
代筆仕事は偽りだったのかと三郎に問われ、まひろは作り話をして嘘を言ったと謝りました。
三郎は、代筆仕事の男はまひろだろう、とすぐに見破りました。
三郎は、まひろがいつもと違う身なりをしていることについて問います。
官職に就けない藤原為時の娘で藤原でも格下で和歌の会があって立ち寄ったと述べます。
三郎は今度会った時話すと約束したその答えを言おうとしますが・・・
そこに宣孝(佐々木蔵之介)が現れました。
まひろを馬に乗せて帰宅しました。
途中、直秀が三郎の前に現れると、もう会うな、手を引けと言いました。
右大臣の横暴は内裏の中だけにしろと言って消えました。

●帰宅すると
宣孝は今日のことは父には言わないから、あの男には近づくなと言います。
身分があるから諍いも争いも起こらないよう、父に迷惑をかけるなとも。
「迷惑な娘でしょうか?」
間者になって、倫子が東宮に入内する気持ちがあるのか探れと言われたと告白します。
学問とは何のためにあるのか、論語も荀子も墨子も人の道を問いているのに父はその逆ばかりしていると。
宣孝は思いは私に吐き出してみよと優しいことを言いました。

●道長の思い
道長は考え事をしています。
帝のご譲位の日を尋ねる詮子は、道長に相談を持ちかけますが、道長はすでに心は決まっているだろうと心の内を見透かされます。


(感想)
宣孝が三郎には会うなということは、恋のつば迫り合いがすでにはじまっているということでしょう。

■次の天皇・師貞親王

●ナレーション 伊東敏恵(NHKアナウンサー)
「夜を徹して行われた占いで、円融天皇の退位と新しい帝の即位の日が決まった。そして次の東宮も」

次の東宮についての噂が女官の間で流れています。
藤原実資(秋山竜次)が師貞親王(本郷奏多)に呼ばれ、蔵人頭をそのまま務めてほしいと依頼します。
しかし、蔵人頭も新しくなるのが習わしだからと、任官を頑なに拒否する実資です。
3人が天皇を補佐します。
花山天皇の叔父・藤原義懐(高橋光臣)、藤原惟成(吉田亮)、そして藤原為時(岸谷五朗)
実資は辞退すると固辞します。
花山天皇はあばれ、彼等の冠を取って投げ捨ててしまいました。
「当時、被り物を取られるということは、今で言うなら下着を脱がされたと同じ感覚の恥辱であった」


(感想)
さすが変人キャラの花山天皇です。
しかし天皇をこれだけ面白く書けるのもスゴイ!時代ですね。

■倫子に入内を打診
藤原文範(栗田芳宏)が兼家(段田安則)に、東宮就任のお祝いの言葉を述べています。
父の源雅信(益岡徹)は倫子(黒木華)に入内する気はないか尋ねます。
母の穆子(石野真子)は、結婚を道具にはしない、入内して幸せなれるのか、詮子のようにはなりたくないと倫子は答えました。

●盗賊
ある夜、屋敷に忍びの盗賊が侵入します。
彼らは袋に金品を入れて奪いました。
次の朝、和歌の会で盗賊が入ったと話します。
まひろは貧しき民に盗賊が分け与えているという話をすると、馬にも乗ると聞いて盗賊みたいと皆が笑いました。
赤染衛門(凰稀かなめ)の講話は、竹取物語です。
赤染衛門は、なぜかぐや姫は5人の公達に無理難題を突きつけたのかを問います。
だれのことも好きではなかったからと、しをり(佐々木史帆)が答えます。
まひろは、かぐや姫にはやんごとない人に怒りや蔑みがあったのではないかと、答えます。
倫子は父が左大臣で身分が高いことを忘れたのかと少し批判気味に言って笑ってごまかしました。


(感想)
出ました!『竹取物語』
これは、ただのかぐや姫の物語ではないらしいです。
時の藤原最高権力者の藤原不比等を揶揄した物語だとか。
5人の公達のうち、最も卑劣な人物として車持皇子が描かれます。
それ以外の人物は物語の中で特定できていて、車持皇子だけが隠されていることから藤原氏であろうという説があり、私もこれを支持します。
藤原氏を批判なんてできない時代ですから。

■次の帝

兼家は次の帝に対する案を尋ねます。
道隆は巷に女好きでこのままでは国が滅びると噂を流すと答えます。
道兼は蔵人になって帝のお側に使え、ご譲位なさったほうがお心のためとささやくと答えます。
道長には聞かれませんでした。

●散楽
まひろが乙丸(矢部太郎)と散楽にやってきましたが、三郎はやって来ませんでした。
直秀はまひろを散楽の仲間との飲み会に誘いますが、姫では無理だと諦められました。

●円融天皇と詮子
円融天皇(坂東巳之助)は、朕に毒を盛ったのはお前と兼家だろうと詮子を詰問します。
生涯許さない、二度と顔を見せるなと罵倒し、笏を投げると詮子の顔に当たり血が出ました。

●東三条殿
この話を聞き、詮子は、兼家に毒を盛ったのは本当なのか強く尋ねます。
何を言っているのかわからないととぼける兼家です。
懐仁を守るといい、間に入る道隆を詰り、泣きながら退きました。
兼家は、楽しい催しを企画し、気晴らしをさせてやらねばと話します。
事情がようやくわかった道隆は家族三兄弟が結束しなければならないと父に述べました。


(感想)
毒を盛ったとか陰でだれそれが暗躍しているとか、ドラマの真骨頂でもあります。
私はこのミステリー色のドラマが大好きです。

(ナレ)
「この年の8月、師貞親王は帝となった。花山天皇である」
「そして、藤原斉信の妹・忯子が入内した」

■花山天皇即位

忯子(井上咲楽)は花山天皇の寝室に入りました。

●祝いの宴
(ナレ)
「こちらでは12年ぶりに官職を得た為時の祝の宴が行われていた」

為時にお礼を述べられると、宣孝は、師貞親王様が即位すれば道に日が当たると述べただけと話します。
為時がいと(信川清順)に礼を述べています。
まひろは太郎(高杉真宙)と昔の父の思い出を語ります。

■内裏
花山天皇は、近頃、民は銅銭を使いたがらないのはなぜか側近に問います。
関白の政が悪いからか?
関白・(橋爪淳)は、物の値が上がりと言いかけて天皇に遮られます。
その代わりに、藤原惟成(吉田亮)は、長雨と日照り続きで米も実らず、同じ値では変えない有様だと答えます。
布一反を100文、同一斤を60文に定めよと、天皇みずから命じました。
兼家は値段は自ずと定まるのが理、なぜこの理を帝に言わなかったのか関白を責めます。
藤原義懐が公卿の前で、花山天皇の言葉を伝えます。
義懐は、天皇が凶作に際し、装束や食事を減らし、天下に模範を示す考えだとも述べました。

●若者4人衆
藤原公任(町田啓太)、藤原斉信(金田哲)、藤原行成(渡辺大知)、そして道長が雑談しています。
忯子に御子ができれば東宮はどうなるかわからないと、そして毒を盛られるとかと冗談めいて話しています。

■五節の舞

(ナレ)
「五節の舞とは、収穫を祝う祭りの後の宴。豊明節会で未婚の舞姫たちが舞を捧げる神事である」
源雅信は家から舞姫を出さなければならなくなったと驚いています。
茅子と肇子が選ばれたと知りますが、倫子は嫌がります。
女好きの天皇の目にとまることは避けなければならないということで、まひろにその出番が回ってきました。
殿方から文がたくさん送られるような女性ではないので大丈夫だとまひろは舞姫役を引き受けました。


(感想)
紫式部はあまり美人ではなかったという説の裏付けでしょうか。
しかし、美人の女優さんにブサイク役はできませんので、齟齬が生まれていますね。
美人に男と縁がないと言われても説得力ないなあ、、ということです。

(ナレ)
「気楽に引き受けたまひろであったが、これは重い役目である」

舞の練習をするまひろです。
特訓がはじまりました。
(ナレ)
「舞姫等は3日前に宮中に入る」

■驚愕の事実が

花山天皇の前でまひろが舞を披露します。
4人の女性、まひろ、肇子(横田美紀)芽子(渡辺早織)、やよい(菊川陽子)が舞を踊ります。
三郎は居眠りをしています。
まひろは道兼の存在に気づきました。
なぜ三郎の隣に母・ちやはを斬り捨てた道兼がいるのかわかりません。
三人が右大臣家の道隆、道兼と道長だということを知り動揺して倒れてしまいました。


(感想)
鮮やかな衣装の色彩は「かさね色目」というんだそうです。
男ながら見惚れました。

----終わり----

次回は 第5回「告白」2月4日放送です。

■感想

秋山竜次さん演じる藤原実資は『小右記』の作者なんですね。
花山天皇の要請を断ったというのは肝が座っている証です。
それにあんな天皇ではついて行けないでしょう。
とは言え実資は『小右記』の中で、花山天皇を悪く描いていないようです。
ちょっとユーモラスな感じの演技は見ていて面白いです。
そう、花山天皇も実資もどちらもです。
今回、赤染衛門の講話で『竹取物語』が出てきました。
かぐや姫の物語をとっていますが、実は藤原氏を批判しています。
竹取物語は藤原不比等を題材にしたのではないかと云われる作品で作者不明なんですよね。
作者不明でないと消されるので当然でしょう。
不比等は道長の時代より300年位前の遠いご先祖です。
ここでも藤原氏がシンクロしています。
なかなか深い時代考証です。


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