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【感想】NHK大河ドラマ『光る君へ』第7回「おかしきことこそ」

2024年2月18日(日)20時『光る君へ』第7回「おかしきことこそ」を視聴しました。

<始まる前に>
ポロに似た競技「打毬」、打毬と書いて「だきゅう」と読むそうです。
乗馬で行うラクロスって感じ?

<NHKのあらすじ>
道長(柄本佑)への想いを断ち切れないまひろ(吉高由里子)は、没頭できる何かを模索し始める。
散楽の台本を作ろうと思い立ち、直秀(毎熊克哉)に直談判。まひろの演目は辻で披露され、次第に大盛況に。
うわさを聞きつけた藤原家の武者たちが辻に駆けつけ大騒動に。
一方、道長や公任(町田啓太)ら若者たちはポロに似た球技・打きゅうに参加する。
招待されたまひろは倫子(黒木華)たちと見物に行くことになるが…


■プロローグ

前回の回想からスタート
●ナレーション 伊東敏恵(NHKアナウンサー)
「この夜、花山天皇がただ一人心から愛した忯子が、お腹の子とともに世を去った」
●永観5年(985年)
「死は穢れと考えられていたこの時代、天皇はじめ貴族たちが遺体に近づくことは許されなかった」


(感想)
道兼がまひろの母を刺したのも穢れになりますよね。
高貴な身分の右大臣家がやるとは思えない。

---音楽---
冬野ユミ

---テーマピアノ演奏---
反田恭平

■おかしきことこそ

直秀(毎熊克哉)が盗んだ品を民衆に与えています。
盗賊を既のところで逃した道長は、そのことを思い返しています。
直秀は、腕の傷の手当を受けています。
まひろは、「おかしきことこそ」という言葉が頭に浮かんで消えない様子です。
「下々の世界ではおかしきものこそ目出たけれ」
という直秀の言葉を思い出しています。


(感想)
腕の傷と義賊はなにかの伏線でしょうか。

■安倍晴明

兼家(段田安則)は安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)に対し、呪詛しろといったが、女御の命まで奪えとは言っていないと責め立てます。
安倍晴明は、右大臣には吉兆になる、自分を侮れば右大臣一族にも影響するとも言います。
褒美が足りないならそう申せ、とも。
兼家は、宿直で盗賊と渡り合ったことを聞き、人の命を奪うのは卑しきもののすることだと、道長に忠告しました。
父とのやり取りが楽しくてならない、見送りはいらない、と安倍晴明は帰っていきました。

●祟りにおののく兼家
兼家は、悪夢にうなされ飛び起きます。
藤原寧子(財前直見)は大丈夫だと優しく慰めます。
道綱のことをよろしく頼むと兼家を介抱しながら念を押しています。


(感想)
藤原氏最大の敵は怨霊、祟りでしょう。
長屋王の変、菅原道真、早良親王・・・

●物語を育む
まひろが直秀に狐に騙される猿たちの話しを語ります。
右大臣家にすり寄る男を直秀が演じます。

●散楽
まひろが考えた物語が演じられます。
馬が落としたものを頭に乗せろ、皇帝にも劣らぬ力を得ることができる。
みんな頭に馬の糞を乗せ喜んでいます。
それを面白そうに観客が笑い、まひろもご満悦です。

■花山天皇と側近

藤原義懐(高橋光臣)が陣定に行き、為時(岸谷五朗)が残され、脚をさすることを花山天皇(本郷奏多)に求められますが断ります。
「お前、義親が嫌いだろ」(花山天皇)
信用できるものはお前と義親しかいないのだから仕方ない、他のものは右大臣に繋がっている。
天皇は、忯子は右大臣が呪詛したのかもしれないと疑っています。
忯子に会いたいと沈んでいます。


(感想)
右大臣が呪詛したと思われても致し方ないほどタイミングが悪すぎ(良すぎ)ます。
出産はそれだけ危険を伴ったんでしょう。

■陣定

皇后の称号を贈りたいという花山天皇の命を議論しています。
前例のないことで、考えられないという意見が多数です。
皇太后が送られた前例はあると反論します。
中宮にある皇后は誰もいない、贈って何がいけないのか。
意見は下位の者から順番に述べるのがルールだと、藤原公季(米村拓彰)。
前例が見つかればいいと兼家は言いました。

●実資
実資(秋山竜次)は参議に昇進した藤原義懐のことで、妻の桐子(中島亜梨沙)に、蹴鞠をしながら不満を述べています。
参議の枠はいっぱいだったのに、帝は無理やり義懐を入れたし、右大臣もおかしい。
こたびはどうした、という実資に、日記に書いたらと返しました。


(感想)
こうした不満も「小右記」に記されるているんですよね。

●兄弟の信頼
道兼は、義親が兄を飛び越して参議になったのは腹立たしいと語ります。
道隆は、いずれ私たちの世が来る、それより道兼が父に良いように使われる始末だと心配しています。

●入内に反対
藤原斉信(金田哲)は妹・忯子が亡くなったのは帝に入内したからだと考えています。
父も斉信も不承知で、義懐が強引に入内させたようです。
あんな若さで死ぬことはなかったのにと後悔しています。
道長は入内は決して女性を幸せにはしないと考えています。

■散楽取締り

百舌彦(本多 力)は道長に、ずーーっと気になっていたことがあると、まひろに送った文はだめだったということかと、聞きます。
「ふられた!」(道長)
藤原への中傷が過ぎる散楽があるので、藤原の武者たちが取り締まろうとしています。
そこに道長がやってきて制します。
乙丸(矢部太郎)も殴られます。
道長に手を取られて逃げることに成功、二人きりに。
藤原を笑い者にする散楽の話は、まひろが考えたのだと言います。
俺も見たかったと答えます。
乙丸と直秀がやってきて、帰っていきました。
「お前の一族は下の下だな」(直秀)
「まったくだ」(道長)

●為時と兼家
為時は、兼家に近況を知らせます。
帝の様子を報告することが苦しくなった、この役目を辞めたい、帝を偽り続けることは勘弁してほしいと願い出ます。
兼家は、これまでといたそうと優しい言葉をかけました。

●宣孝
宣孝(佐々木蔵之介)やまひろに為時は、兼家の間者を辞めることになったと報告します。
それに対し、右大臣があっさり手放すとは思えない、右大臣側にいないでどうする、東三条殿に行って取り消してこいと宣孝は強く主張します。
もう貧しい暮らしは嫌だ、右大臣の間者に戻ってほしいと、いと(信川清順)は泣いて求めました。

■和歌サロン
猫の小麻呂も見つめる華々しいサロンに打毬のお招きの文が来ました。
まひろも道長と書いてある案内を見ています。
皆に誘われます。

■打毬

●打毬の準備
行成は腹痛で欠席です。
一人少ない三人での戦いは勝負になりません。
姫君も集まり、ききょうも藤原斉信に誘われ観戦しています。
行成の代役が思いつきました。
急遽、直秀が打毬のメンバーに入ることになりました。
そして、まひろも遅れて観戦することに。

●ナレーション 伊東敏恵(NHKアナウンサー)
「打毬は紀元前6世紀頃のペルシャを起源とする。日本に伝わったのはイギリスでポロとなるより何百年も前のことであった」


(感想)
イギリスより何百年も前に日本に入ってくるなんて、素晴らしい!
だけど、皆考えつきやすい原始的なスポーツのような気もします。
本当に海外から入ってきたのかな??

●4対4の対戦スタート
斉信の活躍にききょうも嬉しそうです。
道長の姿を見つめる倫子とまひろ。
すると雨が降り出し、終了となりました。
猫の小麻呂が逃げ出し、探していると、ある場所に入っていきました。
そこには打毬のメンバーが揃っています。

■女性談義

斉信は、ききょう一人ではまずいと為時の娘もついでに招いたと言います。
「あれは地味でつまらんな」と公任(町田啓太)は思っているようです。
斉信は、土御門殿の娘・倫子は「もったりとしていて好みではなかった」と話します。
ききょうに首ったけだとも。
為時の娘は身分が低くてだめ、ききょうも遊び相手です。
公任は、恋とか愛ではなく婿に入り娘を入内させて次の代に進む、家柄が大事だと言います。
道長は、直秀の腕の傷を見つけ、あのときの盗賊ではないのか、と気が付きました。

●恋文
この女性談義を聞いてしまったまひろは逃げるように泣きながら走って帰って行きました。
「越えてはならない神社の垣根を踏み越えてしまうほど、恋しいお前に会いたい」
道長の恋文を燃やしてしまうまひろでした。

----終わり----

次回は 第8回「招かれざる者」2月25日放送です。

■感想

いろいろな場面に伏線が入っていてミステリーとしても楽しめますね。
今回の直秀の腕の傷もその伏線の一つです。
今後どういう展開になるのか期待できそうです。
さて、源氏物語にも女性を品定めするエピソードが登場するらしいので、源氏物語とのシンクロが感じられます。
今回は散楽で磨いたストーリー展開が源氏物語につながったと読み取れる内容でした。
他氏排斥で冤罪の怨霊に恐れおののいた藤原一族。
早良親王は別として、長屋王、菅原道真、古くは大津皇子、橘逸勢、源高明などなど発覚したものだけでもこれだけあります。
これだけ祟られたら止めるものだけど、執着しすぎですよね。
考えるに、自ら手を染めることのない貴族だからできるのかもしれません。
そして、道長等の貴族達があんな下衆な話をすればするほど、直秀が頼もしく見えるのも、今後の展開がなんとなく読めて怖くなってきました。


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