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【感想】NHK大河ドラマ『どうする家康』第38回「唐入り」

2023年10月8日(日)20時『どうする家康』第38回「唐入り」を視聴しました。

<始まる前に>
朝鮮出兵について家康の考えが描かれます。
まあ、ちょっと想像できてしまうところが、がっかりなんですが。

<NHKのあらすじ>
天下統一を果たした秀吉(ムロツヨシ)は、次に狙いを国外に求めた。
江戸開発に勤しんでいた家康(松本潤)をはじめ、諸大名を肥前名護屋城に集め、唐入りを命じる。
朝鮮に渡った加藤清正たちから連戦連勝という知らせが届き、秀吉はご満悦だったが、家康は苦戦を強いられているという裏情報をつかむ。
家康は石田三成(中村七之助)と共に渡海しようとする秀吉を必死に止めようとする。
そんな時、家康の前に茶々(北川景子)が現れる。


■プロローグ

●鶴松 病没
「次は何を手に入れようかの、わはっはっは」

●天正20年(1592年)・5月
■ナレーション(寺島しのぶ)
「最愛の我が子を亡くした豊臣秀吉は、次なる野望に向けて博多の隣の小さな漁村に巨大な城を建造。我らが神の君はもとより、全国各地から名だたる大名を集結させると、10万を超える大軍勢を朝鮮に送り込み、連戦連勝。肥前名護屋城は活気に包まれておりました」

●肥前名護屋城
仮装大会で盛り上がる家康等家臣諸大名です。
(ナレ)「秀吉は関白職を甥の秀次に譲り、自らは太閤を称し、栄華の極みを迎えておりました」
妊娠中の茶々が勝ち戦の神と秀吉によって持ち上げられています。
(ナレ)「次なる野望、すなわち明国の征服、唐入りでございます」

---曲---
稲本響

■唐入りの準備

(ナレ)「上陸を始めて1か月あまり、日本は朝鮮の大半を制圧し、肥前名護屋城では、いよいよ秀吉本人の唐入りに向けた準備が進められておりました」
石田三成、大谷吉継(忍成修吾)から唐入りの報告がなされました。
諸大名に説明します。
朝鮮国は秀吉に従うことを拒んだため成敗することになりました。
小西行長(池内万作)、加藤清正(淵上泰史)、朝鮮国に上陸、釜山、東来を陥落し、朝鮮国王は逃亡、北の京、平壌に迫り、いよいよ明国に入ります。
前田利家(宅麻 伸)も殿下をお支えするのじゃと。
唐入りの理由は、天皇にお移りいただき、寧波に隠居し商いの都にし、天竺、南蛮も我がものとなろうと説明しました。
これに対し、浅野長政(濱津隆之)は正気の沙汰とは思えない、馬鹿げた戦、狐に取り憑かれていると言い放ちました。
家康は、秀吉をなだめ、浅野のことを自分に預けるよう願い出ました。
唐のため、我が日本のために我らがなすべき行いだと言いました。

■肥前・徳川屋敷

阿茶局(松本若菜)と家康は、浅野長政と同じ思いが多いと話し、用意が足りないと戦況を見ていました。
家康は、狐に取り憑かれている、言い得て妙とも。
渡辺守綱(木村昴)、本多忠勝(山田裕貴)のところへ、足利義昭(古田新太)がやって来ました。
出家し昌山と名乗っています。
服部半蔵(山田孝之)には藤堂高虎の水軍がやられたという噂が入ってきていました。
家康は、本当の情報が知らされていないと訝しがります。
半蔵は、忍びではないが情報を手に入れるために自ら買って出て、大鼠(松本まりか)にやらせました
石田三成は水軍の敗退について、秀吉には話していないとのこと、家康は、一大事なのに報告しないのはおかしい、海路が断たれれば、苦しくなる、秀吉の出兵はやめるよう強く主張しました。


(感想)
秀吉がおかしくなって朝鮮出兵を実行してしまった、側近の石田治部が正しい情報を伝えていなかったという設定のようです。
それに対し、家康は的確に情報を入手していた。と言いたいようです。

■秀吉を説得

朝鮮への出陣を留めるよう進言する家康です。
そこへ茶々がやってきますが、席を外すように促します。
鶴松のことをお悔やみ申し上げるが、それとまつりごとは別物と。
茶々を慰めるために戦を仕掛けた、と家康が考えていることに激怒します。
そこに石田三成が自分が代わりに出陣すると申し出ますが、足蹴にされます。
どうしても朝鮮に行くなら、ここで腹を切ると家康は負けません。
秀吉は容認し、一言も発することなくその場を離れました。

●7月
秀吉は茶々の膝で寝ていると、大の政所(高畑淳子)が危ないということで大坂城に帰ることになりました。
なにか困ったことがあれば、前田利家に相談するように命じました。

●大坂城
大政所が亡くなり、秀吉がやって来て、様子を伺います。
寧々(和久井映見)に大政所は最期の言葉をかけました。
自分のせいだ、腹いっぱい食べたいと秀吉は願うが、それができなかった。自分で何が欲しかったかわからないようだと言いながら亡くなったということです。
寧々も必死に諫言します。


(感想)
本当の母親なんでしょうかね?
なんだか虚偽の親子関係に見えてきます。
唐入りは、身内からの説得でようやく反省し思い止まったということにしたいようです。

■お市と茶々

茶々は家康に対し、家康に相談しろと秀吉から言われていると話しています。
そして、母親お市のことを知りたいと話します。
母から家康を慕っていたことを聞いていたのです。
家康の助けを待っていた、なぜ来てくれなかったのか問われます。
家康はその問に対し、すまなかったと思っているとだけ話しました。
父親だと思ってお慕いしてもいいかと家康の手を握りしめます。
もちろん、お守りいたしますと家康は、冷静に答えました。
そこに阿茶局が入ってきました。
秀吉に取り憑いた狐がいると噂を聞いた、狐をみつけたら退治しろと。
狐退治、大いに励んでくださいとだけ答える茶々でした。


(感想)
なかなか、面白い設定です。
現代にも居ますね、悪女の見本。
今にも逝きそうな金持ち老人に取り憑いて金と権力を奪い取る。
日曜サスペンス劇場戦国時代編。

■出兵苦戦

大鼠から情報が入りました。
朝鮮攻めが滞っていることは確かだ、これが真実なら、現地は地獄の様相を呈しているだろうと話します。
家康は、秀吉に言上します。
大政所のお悔やみを言いながら、阿呆になった取り憑かれているとそう思われていると秀吉は話します。
家康は、茶々を遠ざけるべきと進言します。
わかっている、茶々でまつりごとを危うくしないと返答します。
わしは太閤だ、徳川くらい潰せると強情を張ります。
「目を覚ませ、みじめぞ猿」と手を掴み跳ね除けました。
そこに足利義昭が入ってきてこう言いました。
将軍だった頃はなにもかもわかっていたと思いこんでいたが、逆で何も見えていなかった。
厳しいことを言ってくれる信用できる人を間違えてはならぬと言って出ていきました。
秀吉は、家康に慕う家臣が大勢居て羨ましかった、わしをみすてるなよと語ります。


(感想)
まさに悪女中の悪女、淀殿。
家康も、この女はだめだと思った。
側近の秀長が亡くなったのが大きかった。
石田治部じゃあ無理ということでしょう。
まさかの足利義昭登場、なかなか良いこと言います。

●茶々の帰京
秀吉は茶々を遠ざけることにしました。
これまでのことを感謝していると抱きながら別れを告げました。
(ナレ)「こうして秀吉は明との戦を休止させ、和睦に向けた話し合いを始めました」

■文禄2年(1593年)・5月

石田三成らの報告に、前田利家等も礼を述べました。
秀吉は、素直に大儀であったと礼を述べ、石田等の言う通りにすると述べました。
家康と前田利家が明国の使いをもてなす役目を仰せつかりました。
茶々から書状が入り、そこには子ができたとありました。

----つづく----

次回はどうする家康 第39回「太閤、くたばる」10月15日放送です。

■感想

現代史観から唐入りを論評すると必ず秀吉悪人ということになるので、公平に論じることは難しいのが実情です。
まず、唐入りという言い方を秀吉はしていて、朝鮮を征服するのが最終目標ではないということです。
唐入りするためには、半島経由と大陸直接の2つのルートしかなく、大陸直接ルートは、水軍が大量に必要となるため、この時代では実現困難だったでしょう。
実際、加藤清正は半島北の先端・女真族の領地までたどり着いています。
なぜ唐入りを止めたのかについては、戦意喪失というのが大きかった。
領地を奪ってもメリットがないということです。時間もかかり過ぎる。
日本人とは違う民族が住んでいて言葉も分からず、しかも明の植民地、貧しい風土なので、領地としての価値が低く、すぐに嘘を付き裏切るのは当たり前、辟易していたのではないかと思います。
今の民族性を見ればわかります。
韓流ドラマを見ていてはわからない(観たこと無いけど)
蝦夷地を開拓するのと同じようなイメージではないか。
家康等はそれがわかっていて戦争をやめようとしていたのでしょう。
ドラマ内で、耄碌した秀吉がとんでもない戦争を仕掛け、負けていたことを隠蔽し実情は苦戦していたからやめようとしたというのは大ウソでしょう。


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