【感想】NHK大河ドラマ『光る君へ』第25回「決意」
2024年6月23日(日)20時『光る君へ』第25回「決意」を視聴しました。
<NHKのあらすじ>
越前の紙の美しさに心躍らせるまひろ(吉高由里子)。
その頃、まひろのもとには宣孝(佐々木蔵之介)から恋文がマメに届いていた。
為時(岸谷五朗)からの勧めもあり、まひろは都に戻り身の振り方を考えることに。
道長(柄本佑)は、定子(高畑充希)を愛しむあまり政が疎かになっている一条天皇(塩野瑛久)に頭を悩ませていた。
そんな中、晴明(ユースケ・サンタマリア)の予言通り、次々と災害が起こる。そこで道長は…
■プロローグ
冬は山で雁皮を集め、女が紙をすく、越前の紙すきの技を視察する為時とまひろです。
---音楽---
冬野ユミ
---テーマピアノ演奏---
反田恭平
■越前の租税
為時は、決められた数量よりも300個、紙が多いことに気づきました。
余分な紙は返す必要がありますが、まひろはその余った紙がほしいようです。
納品業者は返さなくても結構、案ずることはないと話し、その紙はお礼だといいます。
4年で都に帰る国守にはわからないこと、今のままにしておいてくださいと懇願します。
●宣孝のこと
まひろが半月を見つめ、道長も見つめます。
為時は、清濁併せ呑む宣孝に心を捉えられたのかとまひろに話します。
宣孝は妻も妾も居て他の女も慈しむ、そのことで傷つくな心構えはしておけとアドバイスしました。
●まひろ帰京
琵琶湖を船で戻るまひろです。
道長は、三人のわが子と倫子(黒木華)と遊んで幸せそうです。
●いい人
弟の惟規(高杉真宙)といと(信川清順)が出迎え、そこに知らない人物が現れました。
驚くまひろは、「帰ってこなかったほうがよかったかしら」と驚きます。
福丸(勢登健雄)は他に妻がいて、たまに来る関係です。
乙丸(矢部太郎)もいい人・きぬ(蔵下穂波)を連れて戻ってきたのです。
そこに、宣孝が酒を持ってやって来て、今夜は宴会になりました。
■長徳4年(998年)
■安倍晴明の予言
安倍晴明が一条天皇に新春の寿ぎの挨拶をしています。
晴明は道長に、これからしばらくは凶事が続きます、地震、疫病、火事、日食、嵐、大水それらすべてが起こると予言します。
災の根本を取り除かないと無駄、帝を諌め国が傾くことを防ぐのは左大臣しかいないと述べます。
「良いものをお持ちではないか、お宝を使え」(晴明)
といって帰っていきました。
●悩みのタネ
一条天皇と定子は親密な関係を続けています。
伊周も戻ってきて、出入りさせれば追い払われ行くところがなくなると定子は心配します。
●隆家
道長は民のことをおろそかにする帝を案じています。
隆家(竜星 涼)が政がしたいと道長に自己アピールしています。
●行成の苦労
栓子の容態がよくなく、詮子から鴨川のことを進言することは困難とのことです。
行成が一条天皇に面会しようとしますが、無礼だと言って追い返されました。
●ナレーション 伊東敏恵(NHKアナウンサー)
「太宰府から戻った伊周は、帝から職御曹司の出入りを許された」
伊周(三浦翔平)は清少納言の枕草子を読んで、これが評判になれば、中宮の隆盛を取り戻すことができると提案します。
●実資
中宮は恥を知らんのか「非難すべし、非難すべし・・・」
オウム「すべし」(山村響)
●災難続き
(ナレ)
「晴明の予言通り、次々と災いが都を襲い始めた」
右大臣・藤原顕光(宮川一朗太)が道長に注進しようとしますが、何も言えず帰っていきました。
■枕草子誕生のきっかけ
笛を奏でる公任(町田啓太)、その演奏を聞く帝と定子と伊周がいます。
公任が作った下の句に清少納言が上の句を返歌しました。
「少し春ある 心地こそすれ」(公任)
「空寒み 花にまがえて 散る雪に」(清少納言)
一条天皇は、白楽天の「南秦の雪」だと答えました。
伊周が公任の歌の会を開くことを提案しました。
(引用)
空が寒いので、花に見間違えるように散ってくる雪に
少し春らしさを感じることです(講談社学術文庫「枕草子(中)」から)
美術展ナビ
https://artexhibition.jp/topics/news/20240622-AEJ2140492/?dicbo=v2-nMGe0fo
(感想)
「枕草子」がどのように広がったかを示すエピソードが展開されました。
なんだか本当にありそうな展開です。
■道長辞意
そこに道長がやって来ました。
鴨川の堤が崩れ、家や田畑が失われ、民の命が失われたことを報告します。
堤の修繕の許しを得られず、勝手に政を進めることができず、その迷いが失策につながったと述べます。
罪は極めて重く、左大臣の職を辞したいと願い出ます。
それに対し、帝は辞職はならない、自分が悪い、許せと述べました。
辞表は行成を通じて提出したので
(ナレ)
「道長は三度にわたり辞表を提出するも、一条天皇は受け取らなかった」
(感想)
権力を掌握した道長が、簡単に辞職するわけもなく、単なるパフォーマンスだとわかります。
天皇まで動かすことの出来る藤原氏の面目躍如といったところですね。
●洪水の後片付け
まひろ一家は、鴨川の氾濫で水が溢れた屋敷を復旧しようと作業しています。
よく尽くす福丸に感心なまひろ、いとは一途のようです。
乙丸のいい人・きぬは、海女でウニを求めに行ったときに出会ったそうです。
●宣孝と道長
宣孝が道長に面会します。
宣孝は、為時の娘も夫を持つことができ、実は為時の娘の夫だと報告し、道長は驚きながら無表情で返しました。
●白楽天の「新楽府」を読むまひろ
「君の門は九重を閉ず 君の耳はただ聞こえる 堂上の言 君の目は見えず 門前のこと」
白楽天の「新楽府」を読んでいるまひろです。
そこに宣孝がやって来ました。
先ほど左大臣に面会し、まひろを妻とすることも報告したら、つつがなく仰せになったと話します。
また叱られたと笑って帰る宣孝です。
■道長からの祝い
まひろが帰宅すると、出世した百舌彦(本多力)が婚礼のお祝いの品を持って来ました。
まひろは道長からの手紙を読みます。
そこには道長が書いたものではない漢詩が書かれています。
文を書くまひろは、それを乙丸に託しました。
お互い不実なものだと認識しながら、宣孝とまひろは一夜を共にし結婚ました。
(ナレ)
「翌日は日食、不吉の兆しであった」
(感想)
なんとも次回を期待させる終わり方です。
道長は他人に書かせた文を送り、まひろとの関係を断ち切ったのでしょうか?
そして、安倍晴明の予言にあった「お宝」を使えというのと次回の「いけにえの姫」につながっているのか、期待をもたせます。
----終わり----
次回は 第26回「いけにえの姫」6月30日放送です。
■感想
最初の場面で越前和紙の視察シーンが登場し、これからの『源氏物語』創作へとつながる予感がしてきました。
清少納言の『枕草子』をドラマの前期に持ってきて、後期で『源氏物語』を描こうとしているのでしょうね。
さて、鴨川の水害が描かれました。
何度も起きていた鴨川の氾濫、起きるたびに政治批判につながっていたのかと思われます。
淀川水系の鴨川は鞍馬川と合流後、上賀茂で京都盆地に出るのですが、上賀茂神社と下鴨神社がその起点となってさらに合流しながら南下しています。
都会を流れる河川としては勾配が急だったため、京都市内で氾濫を繰り返す暴れ川でした。
そして、気候温暖化の現代と同じように、平安時代も温暖な気候だったと言われています。
温暖なことは良いことですが、それが著しすぎると厄災となって我が身に降り注ぎます。
そして為政者が対策を怠ると非難される。
ドラマではそれが言いたかったのでしょうか。
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