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【感想】NHK大河ドラマ『光る君へ』第12回「思いの果て」

2024年3月24日(日)20時『光る君へ』第12回「思いの果て」を視聴しました。

<始まる前に>
道長の結婚の話がメインになりそうです。
それにまひろがどう絡むのかが気になります。

<NHKのあらすじ>
道長(柄本佑)の妾になることを断ったまひろ(吉高由里子)。
為時(岸谷五朗)が官職に復帰する目途もなく、生計を立てるためにまひろの婿を探すことを宣孝(佐々木蔵之介)が提案する。
その頃、まひろと決別した道長(柄本佑)はかねてから持ち上がっていた倫子(黒木華)との縁談を進めるよう兼家(段田安則)に話す。
一方、姉の詮子(吉田羊)は、藤原家との因縁が深い明子(瀧内公美)と道長の縁談を進めようと図るが…

■プロローグ

●寛和2年(986年)
臨終が近い、為時の妾・なつめ(藤倉みのり)が得度し出家しました。
呻きながら娘のさわに会いたいと言っているようです。
為時はまひろに、分かれた夫の元で暮らす娘を探すよう頼みました。

---音楽---
冬野ユミ

---テーマピアノ演奏---
反田恭平

■最期の別れ

まひろが娘のさわ(野村麻純)を連れてきました。
なつめは泣きながら娘の手を握りほほえみました。

●ナレーション 伊東敏恵(NHKアナウンサー)
「為時に慈しまれたなつめは、穏やか世を去った」

■さわとまひろ
さわがまひろの家にやって来ました。
おなごは何もするなと言われているのでなにもできないと言うさわは、庭仕事を手伝いたいと言います。
さわは、まひろのもらった恋文を見ながら、どのような人が文を出したか気になって想像しています。
背が高くてシューッとした感じ、と言い当てました。

●縁談
宣孝が婿取りの縁談を持ってきました。
正四位下の左中将・実資はどうかといいます。
昨年北の方が亡くなって、学識があり、権勢に媚びない人望があり財があると言います。

●ナレーション
「実資は赤痢に罹っていた」

●実資
宣孝が実資の見舞いにやってきて、通りがかった実資(秋山竜次)を見て、諦めるように感じました。
「鼻くそのような女との縁談ありき」女性の舞う絵を見て興奮しています。


(感想)
実資が見つけた女性の舞の絵で興奮するのは面白い。

●妾のつらさ
道綱(上地雄輔)は道長より11歳も年上、東三条殿に行ったといったら母は怒るか尋ねます。
妾の側からはまるで足りない、妾はいつも待ち続けている、母を見ているとわかるのだと言います。
道長はまひろに妾になれと言ったことを思い出していました。

■縁談
兼家は源雅信(益岡徹)を呼び出し、道長が左大臣家の姫を慕っているという話をします。
これは道長から申し出たことでした。
それで、強引に話を進めようとする兼家でした。

■和歌サロン

畑仕事も床を拭くのも龍に見えたり楽しいと話しますが、しをり(佐々木史帆)や芽子(渡辺早織)は気が進みません。
倫子はまひろに気遣い床をみんなで見るように誘いました。
猫の小麻呂もいます。

■「此者、道長也 摂政」

さっそく、道長は源雅信の元を訪れています。
御簾の裏から倫子と母・穆子(石野真子)も道長の姿を眺めています。
倫子は父の雅信に対し、道長を慕っていると告白しました。
猫だけしか興味がないのではという父に対し、どうか私の婿にしてほしいと頭を下げて懇願します。
自分が目に止まっているかどうかわわからない、摂政はそのようだと雅信は話します。
母・穆子も喜んでいます。
猫の小麻呂も。

●別の縁談
好みは特にないという道長に、詮子は明子を紹介します。
源高明を太宰府に追いやったのは藤原、怨念を鎮め、高貴な血を我家にいれるのは最高だと言います。
明子が来ていました、今日でした。

●明子
詮子は明子と話しながら、世話をさせても良いか尋ねると、行く宛もない身なので、承諾しました。

■高松殿
明子は兄の源俊賢(本田大輔)に話をすると、俊賢も乗り気です。
明子は兼家の命を奪い無念を晴らすと断言しました。


(感想)
いろは唄(いろはにほへとちりぬるを)を作ったのは源高明という説があるとか。
『源氏物語』は源高明が書いたという説もあるようです。

●二人の思い
道長は書道の練習をしています。
行成(渡辺大知)は書の指導をします。
そこに公任(町田啓太)と斉信(金田哲)がやって来ました
公任は父の藤原頼忠(橋爪淳)が出世することを辞めると言います。
摂政家では、道兼の懐に入っていくのがいいとアドバイスします。
さっそく、道兼(玉置玲央)は、藤原顕光(宮川一朗太)等とうまく振る舞っていました。


(感想)
道長が書道を練習する和歌は、
「安積山 影さへ見ゆる 山の井の 浅くは人を 思ふものかは」だそうです。
(「大和物語」百五十五段)
源氏物語でも、安積山がひらがなになっている歌が登場するとか。
ここでも源氏物語とシンクロしています。
美術展ナビ
https://artexhibition.jp/topics/news/20240324-AEJ1932911/

■庚申待の夜

●ナレーション 伊東敏恵(NHKアナウンサー)
「庚申待とは、古代中国が起源の行事である。この夜人々は眠らない。眠ると腹の中にいる三種の虫が天に昇り、天帝にその人の罪を告げると言われていた」

さわを妹のように思っているという、弟・惟規(高杉真宙)。
さわはまんざらでもないようです。
百舌彦(本多 力)が恋文を持ってきたのを、惟規が受け取り、それを勝手に読んでしまいます。
「まだ三郎と付き合っていたの?」(惟規)
優しい文字が書かれていました。
まひろは、走って会いに行きました。

■すれ違い

道長は、左大臣家の一の姫に婿入することになったと告白します。
まひろはショックで言葉がありません。
そして、倫子はすばらしい人、どうぞお幸せに、と心のない返事をします。
(心の声)「妾でもいいといってくれ」(道長)
まひろは、辿る道が違う自分の道を行く、どうぞ健やかにと言って帰っていきました。


(感想)
恋とはすれ違いとか、素直になれない思いとか、うまくいきませんね。

■道長の行動
無礼を承知で道長が倫子のもとにやって来ました。
御簾の中に入る道長、倫子の手を取り、顔を見つめ倫子から抱きつきました。


(感想)
今も昔も恋愛というのは変わらない。
相思相愛と言ってしまえばそうですが、人間の心は複雑ですね。
心が読めてしまえばどんなに楽になるのか。。。

●まひろ家
落ち込んだ表情でまひろが戻ってきました。
堪えなくてもいいと優しく声を掛けるさわ。
弟から酒を勧められ一気飲みし、泣きながら空を見つめていました。

----終わり----

次回は 第13回「進むべき道」3月31日放送です。

■感想

このようなドラマのような展開が本当に起こっていたらと思うと、歴史のイメージが膨らみます。
藤原氏を書く時、道長とまひろの場面や倫子と道長の行動が、頭の中に登場しそうです。
歴史を学ぶには人の感情というものが重要なのですが、史料には残りづらいのが厄介です。
国内の政情が安定していたこの時代、人間の感情表現が記録に残ったのは、奇跡でしょうね。
そして、このような人間の感情が政局に影響していったのかもしれないです。
源高明は安和2年(969年)の安和の変で失脚するのですが、藤原氏の策謀だと言われています。(藤原氏陰謀説を否定する異説あり)
高明が配流されてまもなく、平安京にあった高明の邸宅である西宮殿は焼失して、致賢や明子の母・愛宮も次々と出家したとあります。
17年前なので、明子も兄の俊賢も影響を受けたことが伺えます。


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