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【感想と解説】NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第15回「足固めの儀式」

2022年4月17日(日)20時放送、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第15回「足固めの儀式」を視聴しました。

<始まる前に>

詳細不明の上総広常事件の真相が暴かれるのでしょうか?
前回解説でフライングしたところのシーンもありそうです。

<NHKのあらすじ>

源義経(菅田将暉)率いる一軍が迫っていると知った木曽義仲(青木崇高)は、後白河法皇(西田敏行)を捕らえて京に籠もる。
一方、鎌倉では御家人たちが謀反を計画。
上総広常(佐藤浩市)も加わり、義仲の嫡男・義高(市川染五郎)を旗頭とし、都ばかりに目を向ける源頼朝(大泉洋)の失脚をたくらむ。
義時(小栗旬)は御家人たちの計画を潰すため大江広元(栗原英雄)らと連携し……

---曲---

エバン・コール

■ナレーション(長澤まさみ)

義仲討伐のため、すぐにでも出兵したい頼朝。
しかし、御家人たちがこれに反発する。
着々と進む、頼朝追放計画。

■御家人たち

頼朝の嫡男・万寿を連れ去り頼朝を追放するという計画を練っています。
文覚(市川猿之助)は5百日目は初めて立ったことを祝う行事のところを襲うという計画を練ります。
梶原景時(中村獅童)は頼朝側の人間ということで和田義盛(横田栄司)に捕らえられてしまいました。

■五百日の儀式当日

頼朝側は、鹿狩りが5百日の儀式と同日に行われることを不審に思います。
大江広元(栗原英雄)により、儀式は都にそのような儀式は存在しないことが判明します。
御家人側は、比企能員(佐藤二朗)を味方に誘い込みました。
鹿狩りは上総介広常が仕切るので案ずるなと伝えるように比企能員に言い渡します。

■探り合い

義時は文覚がなにか隠しているのではと不審に思います。
比企能員は、鹿狩りは任せておけといっていたことを側近たちに伝えます。
義時たちは怪しいことを感じていますが確証はありません。
そこで、土肥実平(阿南健治)に謀反の企てがあるのか問い詰めたところ、暗に認めました。

■鶴岡八幡宮

儀式が終わる頃に和田軍が万寿を確保し三浦軍が江ノ島弁財天にいる全成を捕らえるよう計画します。
謀反の決起をすることで盛り上がる御家人たち。
牢獄に入れられた梶原景時は必ず失敗すると畠山重忠に告げます。
「頼朝が我々を信じていないことは梶原殿が一番ご存知だ」(畠山重忠)

■頼朝側

上総広常は頼朝側に通じていることを大江広元と義時は頼朝に語ります。
義時は、今兵を引けばすべてなかったコトにするので、御家人たちを説き伏せてこいという命令を受けます。

■御家人側

上総広常に少人数でいくよう誘導されます。
万寿を奪おうと畠山重忠(中川大志)、和田義盛が全成(新納慎也)を襲いますが間一髪で逃げ延びました。
そして、三浦と義高、範頼が抵抗をみせて戦おうと一触即発です。
義時がそこに登場し、企てはすでに明るみになったと間に入ります。
御家人たちが力を合わせ平家を倒そうと二人を説得します。
「木曽殿と戦う気はないと申しているのだ」(畠山重忠)
法皇様を人質にしているとうことで和田義盛はあっさり断念しました。
和田義盛は畠山重忠とは逆のことをいうことを見抜いていての発言でした。
畠山重忠も芝居をしていたことを打ち明けます。

■御家人側

義時がすべて終わったことを伝えに来ました。
頼朝は兵を引けば許すと言っている、広常が終息の言葉をかけます。
千葉常胤(岡本信人)は切腹して責任をとろうとしますが義時に止められます。

■頼朝と広常

「御家人は使い捨ての駒、己の道を行けばいい」(広常)
「上総介がいるから今のわしがおる。これからも頼む」(頼朝)

■政子と御家人

三浦義澄(佐藤B作)と岡崎義実(たかお鷹)が政子(小池栄子)に面会します。
石橋山の戦いで息子を亡くした義実は「お役に立ちたいが、俺等のことを見てくれないのが悔しい」
「私も兄を亡くした、忘れはしない。鎌倉殿に言えぬことは私に言ってください」(政子)

■事件の成敗

義時は、平家を倒したあと、所領を御家人たちに分配することを提案します。
御家人たちがなんのお咎めなしというのでは示しがつかないと大江広元はいいます。
見せしめは一人ぐらい必要だと。
上総介広常です。
初めからそのつもりだったのか、義時は問います。
頼朝も初めからそのつもりだったことを認めます。
「あえて謀反に加担させ責を負わせる、見事な策にございます」(大江広元)
「死んで構わぬ御家人を上げてみよ!」(頼朝)
「昨夜別れを告げてきた礼は尽くした。上総介は言った、御家人は使い捨ての駒だと」(頼朝)

■三浦義村と義時

「お前にはそれしかないと思っている」(義村)
「お前は少しずつ頼朝に似てきている、これは褒め言葉だ」(義村)

■運命の12月22日

梶原景季(柾木玲弥)が父・景時にすごろくの道具を持ってきました。
御家人たちが鎌倉殿に集まっています。
梶原景時は上総広常をすごろくに誘います。
遊戯中の最中、突然、梶原景時に斬りつけられます。
事前に善児(梶原善)が懐の小刀を掠め取っていたことをようやく気づいたのです。
抵抗する術はありませんでした。
義時も何も言えません。
頼朝の前で広常はとどめを刺されました。
「謀反人上総介広常を成敗した。その所領は分け与える、西には更に多くの所領がある。
己の力でわがものにせよ」(頼朝)

■事後処理

鎧の中から、文が見つかりました。
”これから3年のうちにやるべきこと、明神様の田を作り、社をつくり、流鏑馬をやる
すべて鎌倉殿の大願成就と東国の太平のため”
「あれは謀反人じゃ・・・」(頼朝)

■八重出産

義時に長男が誕生したのは寿永二年(1183年)のことでした。
後の北条泰時です。

----つづく----

次回は第16回「伝説の幕開け」4月17日放送です。

■感想

上総広常が暗殺される真相が詳細に放映されました。
三谷さんの脚本では、頼朝と大江広元の陰謀による暗殺ということでしたね。
吾妻鏡や愚管抄には書かれていない背景を描いてくれたのですが、非情の頼朝! 独裁者頼朝誕生の瞬間ということでしょう。
大泉さん、キャラがキャラだけに、そのギャップがすごいです。
執権北条氏にとっても語りたくない部分なので、さもありなんという感じです。
タイトルにある鎌倉殿の13人それぞれの謀略、攻防の展開が大きくなってきました。
それにしても広常、可哀想すぎます。

■勝手に解説

寿永二年(1183年)12月末、源頼朝は、梶原景時に命じて上総介広常を、双六をしている最中、謀反を企てたという理由で誅殺します。
さらに、嫡男・能常は自害し、上総氏は所領を没収され千葉氏や三浦氏などに分配されました。
しかし後日、鎧から出てきた書状で、上総介広常が無実だったことが判明しています。
『愚管抄』によると、頼朝が後白河法皇との対面で語ったところでは、広常は最大の功臣の一人でしたが天皇への忠誠心を持たず、平氏打倒よりも関東の独立心が強かったので殺害した、と述べています。
甲斐源氏の武田氏嫡流・一条忠頼も、頼朝の目前で誅殺されています。
これで、主な関東有力武士は頼朝の傘下となり、頼朝独裁が強まり、鎌倉殿の基礎が安定していきました。

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