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量子精神学の曙光14. ユングの夢分析の世界に入ってゆく14. (C.G.ユング著、"パウリの夢"参照。)

(1936年、ベイリー島セミナー、第2講より。)

"質問者:「夢の中でマンダラが回るとき、つまり太陽の車輪が回転する時、その回転は右回りでしょうか?左回りでしょうか?もしくは回転方向が反転する事もあるのでしょうか?」                                            ユング:「動くマンダラつまり回転するマンダラは常に実際に進行している過程を象徴しています。時計回りの動きは、もちろん太陽とともに進むことになり、そして太陽とともに進むことは光の中にとどまることになります。その為、物事が時計回りに動く時には意識の中へ意識の方へと動いていくのです。…しかしある動きが或いは展開が、無意識の中に沈みこんでいくなら、それは反時計回りとなって、太陽と逆行し、陽の光から離れて、闇へと入り込んでいくことになります。仏教徒達特にチベット仏教徒達が、聖人やブッダその人の遺物を納める寺院の周囲を円環する時は常に時計回りに歩くのです。もし動きが反時計回りなら…私達は光から離れて闇へと入り込みます。左への回転はいつも不吉で、魔術に深く関係します。」"(✷‿✷)非常に臨床的な、実践的な知見。ユングの数多い精神境界事例からの解釈と感じます。健常な意識の喪失による異界、超自然の混沌を垣間見る患者からユングが受け取ったものは、聖者や魔術師また当時大盛況だった神智学、人智学の領域とも地続きなのです。

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