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苔むすエンジン1. “〈個〉への凝固から〈群〉への回帰ヘ”

苔むすエンジンという表現でイメージできるのは、田舎のジャングル化する田んぼなどによく廃品化して大量に放置されている耕運機、トラクターや廃自動車などの赤錆た鉄がまず浮かぶ。そしてよくNHKのアーカイブ番組で見るフィリピンや南洋の島々で80年以上放置され珊瑚や苔や植物に覆われたあの大日本帝国の船や飛行機、戦車の残骸かもしれない。まだ遺骨の傍らに転がるヘルメットなどにも。また君が代の“苔のむすまで”という歌詞そのものだろう。以前、『紺碧の艦隊』などの異世界小説などを読みつつ、もしも大陸や南洋の島々で餓死したり戦死した日本人達100万人がもしも今の日本に何らかの拍子に帰還したならば、彼らはどのように感じ何を思いどのように行動するだろうかと、果てしのない感懐にとらわれたことがある。国の遺骨収集事業や仏教教団による戦地英霊供養などで、犠牲となりまた自らを捧げた百万人の英霊達はすでに帰還され、祀られているかもしれない。まさに“苔むすエンジン”は日本の新しき神々の御神体であり社なのだ。彼らと彼らの家族300万人の犠牲のもとにこの80 年の奇跡的繁栄がもたらされたが、同時に私たちは霊性も知性も高い道徳も精神性も失いつつあり、民族そのものが“水漬く屍草生す屍状態”にあるようだ。
この80 年間呆けたようにそれぞれの人生時間を謳歌してきた世代から抜け落ちてしまった、まずは精神性からでも少しづつ取り戻さなければならないのではないか。よく豊かな旅行や登山などに大騒ぎしながら過去を懐かしみ楽しんでいる、おそらく豊かな老後に恵まれた世代を見るが、あとのことはもう知らないよ、私たちはなすべきことをしたという忘却の相があらわれている。そこにもはや霊性も精神性も無い、空虚な表情が暗くよどんでゆきつつあるのを感じる。
今回の世界同時多発生物兵器テロにしても、この数十年間の思考放棄が招き寄せた当然の結果と言える。世界では何が起き、そのものごとの主体は何なのか本質はという思考を陰謀論という言葉一つで葬りさり、そんなことはどうでもいい、まあ銀行預金だけ株だけうまくやればよいというのが、おおかただろう。滅びに値する、滅びを招く痴呆民族と成り果てているのだ。昼間のテレビ番組には時々顕著に国民痴呆化のあからさまな意図が見える。もはや隠すこともなく。
ましてや戦後80年、アメリカに巧妙に移植された半島由来上級国民・新貴族層のみに権力繁栄をインビジブルに専有され世界一豊かな羊奴隷化を満喫し、ほぼ満足している。世界とは何なのか・生命人生とは何なのか・どのように生きればよいのかという思考を放棄した結果にほかならない。労働力不足とやたらに海外からの移民を煽るが、今国内には障害者人口936万人、引きこもり人口146万人がいる。このような膨大な数の日本人はたまたま偶然そうなったのではない。植えつけられた歪な社会構造というインビジブルな収容所の犠牲者達なのだ。年金受給者と障害者と引きこもりが人口の70%を占める植民地の被占領民族というのが、正確な評価だと思う。しかし逆説的に考えるならば、アメリカの背後や欧州の地下深く潜むインビジブルな地球支配層の最も従順かつ改造された日本人の血肉、遺伝子、霊流の中には、まだまだ深いところに受け継がれ温存されている心性霊性が息づいていて、これから始まる民族融合の一つのコアとなるべく高次元から導かれているとも思える。ユーラシア大陸をはさんでイギリスと日本とは対象的な相を持つ。アングロ・サクソン民族の“個”への凝固と日本民族の“群”への回帰。大英帝国に始まった産業革命が250 年をかけて日本という対局に収束して、民族を超えた人類による地球統合革命に入ってゆく跳躍ジャンピングボードとして弓なりの日本列島が置かれたのかもしれない。没個性から際立つ群性へと。


■画像はヤフー、苔むす画像より。

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