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荒地行2→

この國、邦、国は様々な民族文化、文明の入り混じる器であった。今もまた勢力ある民族地域、活力あふれる種族達が、あからさまに、ひそかに、この狭い回廊のような大地にやって来ている。何度も侵入者、流入者、亡命者を迎え入れ、入り混じらせ、小ぶりながら精密、細やかながらおおらかな民族を育んだ。

高度経済成長、プラザ合意などを経て、日本人の活力は高度な戦略によって吸い取られ、先進技術や基礎研究によるゼロベースからの未知の領域を生み出す猛々しい開拓本能そのものが、雲散霧消した。教育はもう荒廃という段階を通り過ぎて、白痴的意識と憎悪の温床になっている。社会、文化、文明を営む力を喪失している。世界の少数民族や厳しい自然条件の地域で、貧困構造から抜け出そうと難民化する人々は、白痴ではない。ハングリーな精神と強い人間性をまだ豊かに持っている。敗戦後の焼跡の頃の日本人のように。人間性そのものが悪魔的な品種改良?改悪され始めて100年以上。新しい血と本能、ハングリーな精神、豊かな人間性そのものを、輸血しなければならない段階だ。日本は言わば、首を切り落とされ、身体に無数のチューブをつながれた家畜的、植物的、疑似国家、住民になってしまった。もう30年くらい前から、私は友人に、やがて日本人はアメリカ先住民インディアンの人々のように、居住区に暮らす事になると、よく話していたものだ。

このもはや産霊の力を持たない広大な荒れ地を蘇生させるには、まずは野生の精神力を保持した人間を集めて、ロビンフッド集団をつくるところから、始めるしかない。

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