裸の希望ひとつとなって
世界が下降し
人生が下降し
日々の風景が動かなくなり
日々の時間が固定する
まるで牢獄に閉じ込められたように
まるで重病にかかって動けないように
僅かな蓄え着の身着のままで
歩いてゆく旅にはもはやもどれない
なぜ?
もしも世界が焼け野原のようになれば
棒切れ一本ででも土を耕して始めるだろうに
周りの人と真剣に助け合うだろうに
個とお金の記憶が呪縛しているから
もはや帰って来ないものを待つのをやめよう
死んで地上を離れる時のように
肉体から出てゆく時のように
その見えざる門を出てゆこう
裸の希望ひとつとなって
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