早瀬野卑

詩、俳句、短歌、エッセイに挑戦したい。小説はその先。書きたい小説のタイトルは"…

早瀬野卑

詩、俳句、短歌、エッセイに挑戦したい。小説はその先。書きたい小説のタイトルは"原初の夏へ還る旅"と決まっているのだが…

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  • 暁に還る

    全地表を覆う核爆発による現代文明崩壊後の一記録。

  • レット・イット・ビー讃歌

    人生でこれ程ビートルズを聴き続けた日々は無かった。

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長い長い待ち時間が人生だった

私たちは輸送機から強襲降下したエアボーンのようにあらかじめ地図上で決めていた作戦ポイントに入ったに過ぎないこんなに荒涼とした空が落ちてくるような大量死と無自覚殺…

早瀬野卑
2年前
97

俳句ライター

闇い夜 言葉の灯りを 照らし合う ■画像はヤフー、黒画像より。 ■闇い(くらい)。暗い、昏い、冥い、いろんな暗いがあるみたい。

早瀬野卑
4時間前
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族長の時代 1. 〜群衆の中の神々〜

何百万人という群衆を動員し、共鳴させ、時代霊や世代の象徴を生理的に群衆の深層心理に立ち上がらせる音楽とそのミュージシャンは、もはや魔術的な神霊力を与えられた族長…

早瀬野卑
14時間前
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俳句ライター

照らしても 何も見えない そのさきを ■画像はヤフー、黒画像より。 ■KeithJarrett、Part Ⅺを聞きながら。

早瀬野卑
1日前
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アンモナイトの耳 5.

かのEnigmaの“Return To Innocence”はこの四半世紀、おりにふれて聴いている曲の一つだ。私はアンモナイト工作員なので詳細なことはわからない。解説はウイキペディアに…

早瀬野卑
1日前
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春侯爵詩片

ただ一人 その山の前に 立っている 幼い頃に 足を踏み入れて 仲間たちと 峰に登り 谷に降り 何かを 無言のうちに 語りかけられた ただ一人 その川べりに 立っている 幼…

早瀬野卑
1日前
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俳句ライター

火球降る夜に 迷路を爆破する ■画像はヤフー、黒画像より。 ■KeithJarrett、“Part Ⅺ”を聞きながら。

早瀬野卑
2日前
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アンモナイトの耳 4.

エディット・ピアフの『愛の賛歌』を聞いている。あのバイオリンの弦の震えのような歌唱法は、まさに時空を越えて、民族魂をも凌駕してすべての人間に愛を喚起している。 …

早瀬野卑
2日前
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春侯爵詩片

かつて ヨーロッパ大陸の そこそこで 負傷兵たちが 包帯に あらゆる酒を こぼしながら 聞き惚れた曲 終戦後の GHQに接収された 銀座のクラブで 密かに日本人が 聞き惚…

早瀬野卑
2日前
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アンモナイトの耳 3.

雑用をいつものように、私の特性なのかきちんと順番通りに済ませて、コーヒーを飲みつつ気に入った音楽を聞きながら発想を書き留めている。レナード・バーンスタイン指揮の…

早瀬野卑
3日前
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春侯爵詩片

アンモナイトの殻を 今あなたの耳に 押し当てて 渺茫たる 鳴き声を 聞いてほしい カーーー コーーー ヒューー 私には このように 聞こえる それは 皆んなの過去 そ…

早瀬野卑
4日前
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アンモナイトの耳2.

前々から脳裏にある発想の源として、アイザック・アシモフの『銀河帝国の興亡』シリーズがある。細かい事項はウイキペディア参照におまかせして、いい加減な水底の田螺の記…

早瀬野卑
4日前
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アンモナイトの耳1.

ジョン・レノン、周波数で検索すると、528Hzとかソルフェジオ周波数という都市伝説界隈に出る。昔、グレゴリオ賛美歌などの周波数といい、レノンは『イマジン』に使用して…

早瀬野卑
5日前
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春侯爵詩片

もしも あの時 今の私が あそこにいれば あの出会いの 10分前に あの頃の私に近づき 語りかけただろう 今しかない 今すれ違えば お前は永遠に 愛に呪われる 全身全霊で…

早瀬野卑
6日前
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痛風君、こんにちは

捻挫をみてもらおうと、はるばる総社市から来てくれた友の車で病院に行った。老医師は患部を見てすぐに、どこにもぶつけてないと話すと、これは痛風ですと診断してくれた。…

早瀬野卑
7日前
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春侯爵詩片

光が 私たちを きらめかせる 風が 私たちを さざめかせる 音楽が 私たちを 奏でる 運命が 私たちを 醸造する 生老病死が 私たちを 通り過ぎてゆく 孤独など ありえな…

早瀬野卑
8日前
18
長い長い待ち時間が人生だった

長い長い待ち時間が人生だった

私たちは輸送機から強襲降下したエアボーンのようにあらかじめ地図上で決めていた作戦ポイントに入ったに過ぎないこんなに荒涼とした空が落ちてくるような大量死と無自覚殺人の時代に生き合わせるなんてでも自分たちで選んだ運命なんだでもあちらの空母で仲間たちとそういう場所で戦うと、つらい日々になると話し合った想定内の事長い長い待ち時間が人生だったこれから展開していく状勢はすでにむこうの基地で仲間たちと何度も何度

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俳句ライター

俳句ライター

闇い夜

言葉の灯りを

照らし合う

■画像はヤフー、黒画像より。
■闇い(くらい)。暗い、昏い、冥い、いろんな暗いがあるみたい。

族長の時代 1.  〜群衆の中の神々〜

族長の時代 1. 〜群衆の中の神々〜

何百万人という群衆を動員し、共鳴させ、時代霊や世代の象徴を生理的に群衆の深層心理に立ち上がらせる音楽とそのミュージシャンは、もはや魔術的な神霊力を与えられた族長である。おそらくそのコンサートや野外フェスで同期した何十万人は、あとからSNSやネットで押し寄せる数百万人〜数億人と、民族魂と時代魂を融合させることができる。人類意識、ユングの言う普遍的無意識にぽっかり穴があき、吸い込まれるような青空が覗い

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俳句ライター

俳句ライター

照らしても

何も見えない

そのさきを

■画像はヤフー、黒画像より。
■KeithJarrett、Part Ⅺを聞きながら。

アンモナイトの耳 5.

アンモナイトの耳 5.

かのEnigmaの“Return To Innocence”はこの四半世紀、おりにふれて聴いている曲の一つだ。私はアンモナイト工作員なので詳細なことはわからない。解説はウイキペディアに任せるとして、私の感性の反響のみを言語化してみる。なんてやっていると、ウイキペディアの精霊が、お前それはないだろう、フォロワーの方々にお前の妄想だけを読ませるのか、と突き上げてきたので、ウイキすると、
エニグマは19

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春侯爵詩片

春侯爵詩片

ただ一人
その山の前に
立っている

幼い頃に
足を踏み入れて
仲間たちと
峰に登り
谷に降り

何かを
無言のうちに
語りかけられた

ただ一人
その川べりに
立っている

幼い頃に
足を踏み入れて
仲間たちと
魚を捕まえ
ザリガニを掴み

何かを
無言のうちに
与えられた

しかし
もう
誰も
いない

山に登る者も
川の流れに入る者も
絶え果てた

私の中に
何か
残っているのか

ただ一人

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俳句ライター

俳句ライター

火球降る夜に

迷路を爆破する

■画像はヤフー、黒画像より。
■KeithJarrett、“Part Ⅺ”を聞きながら。

アンモナイトの耳 4.

アンモナイトの耳 4.

エディット・ピアフの『愛の賛歌』を聞いている。あのバイオリンの弦の震えのような歌唱法は、まさに時空を越えて、民族魂をも凌駕してすべての人間に愛を喚起している。
私の文学始めはヘルマン・ヘッセの『郷愁』だった。F.G.ロルカ、リルケ、ハイネ、アルチュール・ランボーなど偏りはあるが、何故かヨーロッパは私の感性に暗く深い影を落としている。なぜだろうか。
1980年代には心霊ブームもあり、守護霊とか指導霊

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春侯爵詩片

春侯爵詩片

かつて
ヨーロッパ大陸の
そこそこで

負傷兵たちが
包帯に
あらゆる酒を
こぼしながら

聞き惚れた曲

終戦後の
GHQに接収された
銀座のクラブで
密かに日本人が

聞き惚れた曲

リリー・マルレーン

かつて
連合国と
枢軸国の
潜水艦乗りたちが
耳鳴り程度の音量で

聞き惚れた曲

リリー・マルレーン

だから双方その時は
魚雷は打たずじまい

リリー・マルレーン

■画像はヤフー、ララ

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アンモナイトの耳 3.

アンモナイトの耳 3.

雑用をいつものように、私の特性なのかきちんと順番通りに済ませて、コーヒーを飲みつつ気に入った音楽を聞きながら発想を書き留めている。レナード・バーンスタイン指揮のドビュッシー“海”が実に私の田舎には何故かフィットする。山ばかりなのだが、実は山にも海の精がいて、違う名前を持つのかもしれない。しばらくそうしていると幻想界の泡立つ海の渦巻から巨大な貝殻形象が現れた。ゴツゴツした牡蠣のような殻が剥がれ落ちて

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春侯爵詩片

春侯爵詩片

アンモナイトの殻を
今あなたの耳に
押し当てて

渺茫たる
鳴き声を
聞いてほしい

カーーー

コーーー

ヒューー

私には
このように
聞こえる

それは
皆んなの過去

それは
生きている
過去

私たち皆んなの
乗っている
気流の音

アンモナイトの耳を
持つ為に

今あなたの眼を閉じて

耳鳴りのような
静寂を
聞いてほしい

■画像はヤフー、海と少女画像より。
■Tomoya Nak

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アンモナイトの耳2.

アンモナイトの耳2.

前々から脳裏にある発想の源として、アイザック・アシモフの『銀河帝国の興亡』シリーズがある。細かい事項はウイキペディア参照におまかせして、いい加減な水底の田螺の記憶だけで綴る。銀河帝国の壮大な崩壊を、心理歴史学という領域を開いたハリ・セルダンという科学者が予言というか科学的に予測する。彼の弟子達や信奉者達は帝国滅亡後の千年に及ぶ暗黒期を短縮するために銀河系の両端に二つのファウンデーションを秘密に設立

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アンモナイトの耳1.

アンモナイトの耳1.

ジョン・レノン、周波数で検索すると、528Hzとかソルフェジオ周波数という都市伝説界隈に出る。昔、グレゴリオ賛美歌などの周波数といい、レノンは『イマジン』に使用して暗殺されたのではないか、というあれだ。様々な周波数が取りざたされている。私も詩らしきものを作るときにはエモーショナルな楽曲やキース・ジヤレットのビアノを聞きながらだと、枯れかけの脳の髄液がうまく流れてくれる。作りながら牛乳ならぬ脳汁がど

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春侯爵詩片

春侯爵詩片

もしも
あの時

今の私が
あそこにいれば

あの出会いの
10分前に
あの頃の私に近づき
語りかけただろう

今しかない
今すれ違えば
お前は永遠に
愛に呪われる

全身全霊で
流れに踏み込み
恋しき人に微笑みかけて
愛のジョーカーになれ

運命をぶち壊し
運命になれ

ごめん
これ以上は
干渉できないから

あなたは誰ですかって

そうだな

私はお前の影
お前の故郷を
数十年あとに
吹いてい

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痛風君、こんにちは

痛風君、こんにちは

捻挫をみてもらおうと、はるばる総社市から来てくれた友の車で病院に行った。老医師は患部を見てすぐに、どこにもぶつけてないと話すと、これは痛風ですと診断してくれた。フォロワーの方の中には前回のnote読んですぐに、あーこれはあれだと、ほくそ笑まれた方もいらっしゃるだろう。老医師は念の為、尿酸値を見るために血液検査とレントゲンを処置してくれた。結果、見事に痛風診断。しかし尿酸値が尿酸の結晶化する値に達し

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春侯爵詩片

春侯爵詩片

光が
私たちを
きらめかせる

風が
私たちを
さざめかせる

音楽が
私たちを
奏でる

運命が
私たちを
醸造する

生老病死が
私たちを
通り過ぎてゆく

孤独など
ありえない

私たちの中にはいつも
協奏者がいる

私たちは
授かりもの

私たちそのものが
この上ない
世の
恩寵
なのだから

私たちは
この上ない
美酒として
献ぜられる

私たちは
ありふれて
溢れている
地上の光の

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