見出し画像

霜田山雅の前半戦を振り返る<選手編②>

今回は選手編の後編。
ボランチ・2列目・CFに分けて振り返っていく。

(前半戦はこちら)


■選手総括

<ボランチ>

・パウリーニョ

16(15)試合 1229分 2G0A Y2/R0
ボランチでは2位の住田(908分)を大きく離して1番手に。1試合平均インターセプトリーグ6位、平均タックルリーグ11位と今年も主に奪取面で他を寄せ付けない強さを発揮。昨年無得点だった得点面も今年はミドルから2得点決めている。ただし琉球戦からは姿を見せておらず、安永加入後の起用法はどうなる……?

・住田将

15(11)試合 908分 0G1A Y1/R0
開幕スタメンを見事掴んで8試合連続先発。離脱の多いボランチの中でもコンスタントに出場を続け、誰と組んでも卒なくこなせるのが魅力。汗かき役もこなせ、空中戦でも勝率86.7%と強さを出せているが、好守で霜田監督から注文をつけられていることもしばしば。安永が加入したのはダイレクトに影響しそうだが、併用も含めて存在感を示していきたい。

・安東輝

7(7)試合 469分 0G0A Y1/R0
9節に復帰して11節鹿児島戦には再発するもメンバー入りした試合は全てスタメン出場。復帰後は70分前後にプレー時間を調整されていて、裏を返すとそれだけチームにとってもアキレス腱となっている。保持・非保持ともに精力的に顔を出していて、昨年と比べるとカードのペースも激減。後半戦は引き続きリーダーシップも期待。

・喜山康平

13(4)試合 465分 0G0A Y1/R0
7年ぶりに山雅に復帰して主戦場はすっかりボランチに。出場は途中出場から流れを変える役割を担っていて、実際に喜山を入れることで山雅のボール回しがスムーズになることも多い。地を這うようなロングボールにも彼ならではのスペシャリティを感じる。後半戦で出場時間はどれだけ伸びるか。

・米原秀亮

5(0)試合 156分 0G0A Y0/R0
元々長短のボール回しを得意としており、霜田監督から名指しで言及されるなど評価の高さは伺える一方で、先発は0試合のまま。後半頭から出場した福島戦が最長出場だったので不完全燃焼の気持ちが強いだろう。怪我での離脱が長かったので万全な状態でどれだけやれるかは未知。まずは初先発を目指したい。

・安永玲央

1(1)試合 89分 0G0A Y1/R0
加入発表から早速スタメン出場。わずか1試合でサポの心をガッツリ掴み、父親とともに山雅に新たな風を吹き込んでくれている。自分の得意なサッカーができればJ1でもやれることは証明済みなので加入したタイミングも絶妙だったように思う。スタミナが持つ時間も長いので後半戦のフル稼働を期待。

・稲福卓

5(0)試合 35分 0G0A Y0/R0
昨年13試合の出場と初先発を記録し、今年はサイドにも挑戦。しかし、思うように出場時間は伸ばせず、結局ボランチで出場した琉球戦(18分)が最長出場だった。保持・非保持ともにバランスよくこなせ、霜田サッカーへの親和性もあるが、夏補強からも分かるようにボランチは蓋(即戦力補強)をされやすい。3年目なので出番も欲しい所だが……

<2列目>

・菊井悠介

18(18)試合 1614分 4G5A Y5/R0
出停の1試合を除いて全試合先発、2試合を除いてフル出場と攻撃の核として出場を続けている。ドリブル・パス・プレス、どれを取っても高水準でゴールやアシストも昨年(2G3A)を超えて自己ベストを更新。途中からボランチに下げてでもピッチに残すなど昨年以上に欠かせない存在になれている。が、それゆえに10G10Aは彼にとっては至上命題。そのためにもカードトラブルは減らしたい。

・滝裕太

17(13)試合 1034分 3G2A Y2/R0
序盤は右サイドで起用されていたがなかなか数字が残せずにスタメン落ち。苦しんでいた中で、主力の出停で12節に得意の左サイドで起用されると本来の力を発揮。8試合で3G2Aと考えるとかなり良いペースで数字も残せるようになってきた。なかなか固まらなかった2列目で完全に左のポジションを掴めたのであとは菊井同様に数字を2桁に乗せられるか。

・榎本樹

16(9)試合 741分 1G1A Y1/R0
これまでのキャリアでもCFでの起用がほとんどだった榎本だが始動の時点でWGに本格コンバート。開幕から3試合は左で先発を続ける。ただその後は出番は減少、右に移されるなどあまり思うように出場機会を得られていない。「コンバートが成功か?」と言われると難しい所だが、CFで使われる気配もないのでオンリーワンの武器を生かしてWGで活路を見出したい。

・村越凱光

16(8)試合 738分 3G1A Y0/R1
入団から3年間は出番はあっても定着できず、昨年はレンタルも経験して無事帰還。先発機会の少ないところから結果を残して評価を高め、榎本と入れ替わる形で定着しつつあった。だが、愛媛戦の退場からの負傷で戦線から離脱、チームとしても個人としても苦しい期間となってしまった。自ら得た信頼を失ってしまったがまだ半年ある、後半戦で名誉挽回は十分できる。

・鈴木国友

14(7)試合 640分 2G1A Y0/R0
J2レンタル修行から帰還。小松菊井が強力とはいえ、実績は国友の方が上。実際CFで出場すると2人のDFを苦にしない力を発揮している。ここまで出番が少ないのは想定外だったように思うが、それでも汗かき役や献身的な守備を進んで行う姿は2年前より明らかに多くなった。J3では反則級の破壊力を出せる場面は少ないがチャンスが来た時は確実に生かしたい。

・國分龍司

9(2)試合 283分 0G0A Y0/R0
新卒選手でほぼ唯一と言っていい出番を得ている選手。ダービーでも随所にテクニカルなプレーは見せていたが、前半戦のラスト2試合では先発出場して80分頃までプレー。SHは負担が大きく、交代前提のことがほとんどのことを考えると十分スタメンに値するタフさを見せている。このまま出続ければ数字を残す日も近いだろう。重荷にならないために早めに1発欲しい。

・ルーカスヒアン

2(0)試合 31分 0G0A Y0/R0
今シーズン最大の秘密兵器枠。神戸戦でもスピードと仕掛けの迫力は見せ、キャンプやTMでは結果を残しているものの、周りとの連動性や守備の理解度がより求められる今年のサッカーではやはりその点がネックに。実戦でも早々にそこを突かれてしまった。使いどころは相当に難しいが、助っ人という立ち位置上時間もあまりない。後半戦で見れる日は来るか……。

・濱名真央

0(0)試合 0分 0G0A Y0/R0
昨年は特指で登録されると春先に早速リーグ戦に出場、アシストを記録した濱名だったが、今年はベンチ入りすら出来ていない状況。尖った武器を持っている選手なので壁さえ超えられれば面白い戦力になる可能性は高いが想像以上にその壁が高い。まずは切り札としてベンチ入りするところまでいきたい。

<CF>

・小松蓮

18(17)試合 1517分 13G3A Y1/R0
改めて言うまでもない大活躍。昨年のチーム得点王・横山(11得点)を前半戦だけで超える13得点は衝撃的だった。内ヘディングの得点が6と特に冴えており、良いボールが上がればかなりの確率で決め切っている。守備でもハードワークを続けており、もはやこのままの調子を維持してくれればオールOKなレベルなので怪我やコンディション面だけ気を付けてもらいたい。

・渡邉千真

11(3)試合 300分 1G1A Y1/R0
今年の補強の目玉となる存在だったが期待値に対する出場時間はかなり少ない。小松がすご過ぎるのか?代える域まで達していないという評価なのか?は少し読み取りづらいところだが、もう1つギアを上げていくためにはもう1人は結果を残せるストライカーが欲しい。前半戦の最終戦に決めた移籍後初ゴールが目覚めるきっかけになってほしい。

・田中想来

4(0)試合 43分 0G0A Y0/R0
高卒からまだプロ入りして半年ということを考えれば焦る必要はないが、昨年J3でもある程度通用することは示せただけに上を目指すためにももう少し試合に絡んでいきたいところ。後半戦でリーグ戦初ゴールを目指したい。

・新井直登

0(0)試合  0分  0G0A  Y0/R0

TMの得点者では定期的に名前は目にするものの、新井も他の大卒選手と同様に出場までが遠い。他のCF同様に小松の絶好調の影響は一定あるが、新井の場合は前線の複数ポジションの適正がありそうのは強みになってきそう。どこで最初に出てくるかも含めて注目。

------------------------------
選手の振り返りは以上。

この振り返りから残りの後半戦でそれぞれの序列や結果はどのように変わっていくか。成長過程を楽しみつつ、逆転昇格に向けてはシビアな状況なのでこれ以上のものを見せていかなければならない。チームとしてもう一回り大きくなっていける後半戦にしていきたい。

END

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?