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新加入選手を考える~今期プチブレイク!成長期を迎えた水戸の2選手~

■本格的に動き出したオフシーズン

各チームinもoutも活発になっているが、山雅には23日、ホットなニュースが入ってきた。この話題を書くにあたって、1つ前の記事の「まずは取捨選択から」と的外れのことを書いたことは謝らなければならない。すいませんでした。

入ってきた選手からなんとなく出ていくであろう選手も推測することは可能で、色々と噂も流れているがひとまずは確定情報を中心に話を進めていきたい。

今回は水戸から新たに加入した2選手について考えていきたい。

■武者修行を経てチームを引っ張れる選手に「安東輝」

まずは復帰第1号の安東。改めて説明するまでもないかもしれないが……司令塔ともダイナモ(豊富な運動量でアップダウンを繰り返すカンテのような選手)とも潰し屋とも表現されるような特徴を持ち、ポジションも前から後ろまで様々な役割ができる万能型の選手。

だが、それ故に本来のポジションで使われなかったり、今シーズンも山雅からはレギュラーとしては計算されなかった背景がある。特に去年の編成時点では藤田やアウグストの存在は安東のレンタル移籍に大きく影響したと思うが、柴田山雅ではこの2人の存在感はかなり薄くなっており、ボールを動かす能力に長けた安東が優先される可能性は高い。

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来季主戦場となるポジションが、DHになるかOHになるかは他の選手の動向も大きく関わってきそうだが、単純に今の主力陣のサッカーに当てはめてみるとOHが有力か。安東自身、反町山雅時代は守備の約束事を守ることに意識が行き過ぎて良さが消えてしまうことも少なくなかったのだが、元々守備はタイトにこなせ、鋭い縦パスも出せるような攻守にバランスよく力を持っている選手。同年代の杉本太郎とともに世代別に名を連ねていた期待の若手であった。去年の後半戦あたりからは良さが出せない状態から脱却しつつあったので水戸での修行を経てどれだけ"チームを引っ張れる中盤の中心選手”になれたかは楽しみである。

ちなみに今年は27試合(うち18試合先発)して0G0A。水戸の得点数がリーグトップの68点であることを考えると中盤の選手とはいえ、物足りなさはある。来季はアンカーとしてはゲームメイク力、IHとしては数字も残していけるかはポイントとなりそう。

■ようやく開花した快速ドリブラー「外山凌」

西ケ谷監督(水戸当時)から「爆発しそうなタイプ」とそのポテンシャルを評されていたアタッカー型の選手である外山。

ジュニアユースでは西ケ谷コーチと監督と選手の間柄。そこから名門ヴェルディユースを経て、高校は前橋育英、大学は大野と先輩後輩にあたる阪南大学と山雅ともどこか縁がある。

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大学から水戸に17年に加入した際には西ケ谷監督とも再会。初年度から主に途中出場でリーグの半分である21試合に出場。ルーキーとしてはかなり充実した1年を送る。しかし、その翌年は西ケ谷監督の退任や徳島から加入した10番木村の影響もあって出場機会は激減。18年は1度も先発で出場することなく、J3秋田にレンタルに出されることになった。

そこからは半年で水戸に帰ることができたものの、19年はレギュラーの木村に加えて現広島の浅野もSHを主戦場とする選手として加入。守備に多少目を瞑ってでも攻撃的な選手を置いていたSBにポジションを移すことになった。しかし、ここでも同じくコンバートされ、左SBのレギュラーに定着したのは元山雅の志知。強烈な身体能力とスプリント能力をもつ志知のブレークの影に隠れ、本職の左サイドではない右で使われることも多かった。

と、昨シーズンまでは苦労の方が多かった外山だが、志知が移籍した後の今シーズンは左のSB・WBの主力としてフル稼働。快速を生かした裏抜けや本来の持ち味であるドリブルからのチャンスメイクで水戸のストロングポイントだった左サイドでエース・山口一真とともに躍動。SBやWBとして34試合に出場(うち26試合に先発)して1G5Aを記録した。恐らく山雅でも左のWBを務めながら右でも使われるケースが出てくるのではないか。

そして、期待されるのはやはり攻撃面。今年のホーム山雅戦でもCBが良い体勢でボールを持つやいなや、すぐさま駆け上がり、鈴木雄の裏を完全に取ることで中山のゴールをアシストしている。

また右で使われている時はカットインからシュートを狙うことが多いなど左足にはかなりの自信を持つのも特徴的。山雅戦でもカットインからのシュートであと1歩でゴールのところまで迫っていた。

正直、これまで左利きの選手だと思っていたがどうやら利き足は右のよう。「『両足で蹴れないと』とずっと左足で蹴ってきたので両足とも変わらないようになった」という。

ただ選手としては使うタイプではなく、あくまで使われるタイプである。彼にとって両足蹴れることによる最大のメリットは敵陣でのドリブルでより左右を絞らせずに勝負できること。できるだけ高い位置をとらせてクロスやシュートを積極的に打たせていきたい。

即戦力としての懸念点はWBでの試合数の少なさと水戸・秋田でのプレー経験しかない点あたり。守備面では特に同じポジションを任されていても水戸での景色と山雅での景色は全く違う。それだけ伸びしろがあるという捉え方もできるが、本職のSHとして見てもまだまだ荒削りな部分はあるのでそこがどちらに転ぶか……。

外山のことを誰よりも理解している西ケ谷監督がいるのは心強いのでいち早くチームのやり方にアジャストしてWBのポジションを確保したい。

■ここからもリリース続々

去年はだいぶゆったりしていた記憶があるのだが、新加入のリリースが続々と続いており、新加入選手の情報を集めるのにも嬉しい悲鳴があがる状態笑

ここからも田中パウロ・篠原・鈴木国友・下川陽太ら即戦力級のリリースが後をつっかえてるのでオフシーズンも引き続き、更新を頑張っていきたいと思う。

(画像は水戸公式、スポーツナビ。ゴール・アシスト数はfootballlabより引用)

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