見出し画像

<川崎方面の方々へ>塚川取り扱い説明書

普段は主に山雅サポ、J2サポ向けにnoteを書いているが……今回は例外。移籍が決定した我ら山雅サポの希望「塚川孝輝」について。

「塚川のプレーを見たことがない」「山雅の試合をチェックしていない」……。無理もない。なぜならJ1のチャンピオンチームなのだから。

正直、こちらとしても川崎への移籍と言うのは意外中の意外。プレーも意外なら移籍先も意外とは。J1勢には隠しておきたい選手であったが……塚川の成功を願って少しでも後押しができればという願いを込めて取説を書いていきたいと思う。

------------------------------------------------------------------------------

■ポジションについて

・注意点

一応、プロ入りからGKとSB(WB)以外はどこでもやってきていますが、CBはまず外してもらっていいと思います。岡山サポさんからも食いつきすぎるのでおススメしないとの声をもらいましたが、2CBなら尚更厳しいのは山雅サポでも想像に容易いです。

また、SHも岐阜時代にやっていましたがこちらも守備に不安があって攻撃に専念させるために回された側面が強いのでサイドプレイヤー的なタスクではなかったです。TOや怪我人続出の際に、(消去法的に)SHに当てはめることはできる程度に考えてもらうのが良いかと思います。

・適正ポジはサポ内でも意見が分かれます

そして、ここからは意見が分かれそうな適正ポジについてです。

まずは442システム時。ボランチで起用した際はフィジカルを生かした奪取や競り合いは強い一方、「保持時のゲームコントロール、展開力」と「非保持時のカバー能力」に相当余裕のある相方と組ませないとうまく回らない可能性が高いです。代表級のボランチ陣がいる川崎ならばその条件を満たす選手はいるかもしれませんがそれでも相方に求められるタスクは多いです(ただ上記のように空中戦・肉弾戦など他の選手にないメリットは一応あります)。なので442の場合は最前線のFW、もしくは山村のトップ下(セカンドトップ)的な使い方をするとハマるかもしれません。

そして今季の川崎のシステムである4123時。個人的にはIHが一番合っていると思います。基本的に攻撃も守備も前に前に行きたいタイプなのと先ほどの塚川の欠点を残り2人の中盤で埋めるイメージからです。守備時に塚川をあげて442化することで守備の粗さも出にくいかと思います。

ここで起用した際には他のIH陣と比べると足元での技術やアジリティ的には大きく後れをとると思いますが、「ゴール前での高さがもう1枚欲しい時」や「裏への抜け出しが足りない時」にIHの新たなオプションになる可能性はあります。

他にはアンカーもできなくはないと思いますがプレーにムラがあるので危なっかしいのと前に行きにくいことで良さが消える可能性が高いのであまりおすすめはできないです。終盤リード時にここに入れるのもありですが、守備固めで入れられるのには慣れてないのは懸念点です。

ついでに1トップも厳しいです。WGは未経験ですがサイドストライカーとしてしか生きない可能性が高いです。それ以外では鈴木雄のほうがこのポジションでは上かと思います。

■スケール感がウリです

続いてプレーについてですが、1番の魅力はそのスケール感です。184㎝、77kgという高さ・強さがありながらプレスをかけ続ける走力もあり、技術もそこそこあります(あくまでJ2基準)。パス&ゴーなどで勢いを持って突っ込まれると止めるのはJ1の選手でも容易ではないです。そして、今季は得点力が爆発。ディサロ・河田ら決定力をウリにしているFWと同様の決定率を記録しており、サポからも完全にストライカー認定されていました。

画像1

■感覚型の選手なので(良くも悪くも)振り幅は大きいです

なぜここまで良くなったか。昨季苦戦していた反町監督の守備のタスクから解き放たれ、最初のブレークを果たした岡山時代の恩師・布監督の指導の下、タスクから解き放たれて復活を果たしているのですが、頭脳派ではなく、いわゆる感覚型の選手です。

うまく良い感覚を植え付けさせれば今季のような覚醒に繋がりますし、逆にタスクを与えすぎるとマイナスの部分ばかり目立つ可能性があります。

川崎が塚川のためにやり方を変えるということは想像できないのでハマらなければかなりドツボにはまりかねず、逆にもしうまくいけば大きな掘り出し物になる可能性を秘めた選手になっています。そういう意味でもスケール感はあります。

■ゴール前での強さが抜き出てます

今季自己最多の9得点をあげた塚川ですが、そのうち6得点は頭(リーグ1位)、1点はゴール前でのバイシクルです。そのほとんどが相手にマークに付かれた状態で振り切るか、完全に上回って決めています。特にポジション上、身長のミスマッチができやすいので走りこんでいるところに放ればほぼ勝って決めてくれます。鈴木雄とはホットラインを形成していました。

画像2

■意外性の塊。もっている男です

次に今季9得点を取った時間帯にも特徴が現れています。
9点のうち3点は福岡戦(後半49分)、山口戦(後半50分)、長崎戦(後半50分)とほぼラストワンプレーで決めており、なぜかめちゃくちゃ勝負強いです。この時はFWではなく、ボランチもしくはIHでの起用だったはずなのでこれだけチャンスが転がってくるだけでもけっこうなことだと思います。リーグ戦の最後の方は塚川が終盤までピッチにいると、例え負けていても「どうせ塚川のいつものパターンでどうにかなる」とサポ内で謎の自信が沸くほど頼りになる存在でした。

ちなみに辛口で知られる反町さんも塚川のブレイク前から「意外性」については触れていて期待していた面だったように思います。

■中盤では当たり負けほぼしません

奪取に関しては読みや寄せが特別鋭いわけではないですが、とにかく力強く、なぎ倒すように奪えます。川崎繋がりでいうとカイオセザールともフィジカル面では互角に渡り合っていました。J1のスピード感でどれだけ寄せられるかは未知な部分ですが、イーブンの奪い合いや相手の大型ボランチにも負けずにやってくれると思います。

■守備はガムシャラですが取り扱い注意です

守備の出足自体も良いです。献身的にガムシャラに走ってくれます。ただし、背中に相手がいるのに出ていったり、狩りにいきすぎてスペースを使われたりと不安があったため、守備のタスクが明確になった今季後半戦では穴を空けることで序列を落とし、ポジションも前の方で使われることが多くなりました。周りでカバーするかボロが出にくいポジションで使ってあげてください。

■少年の心を持っています。

次はキャラクターについてです。とにかく無邪気でいたずらも好きな少年、ちなみに年齢は27歳です。川崎でいうと長谷川と同い年、大島と守田・脇坂の間の年齢にあたりますが、全然そうは見えません(褒めてます)。ピッチ外でもチームを盛り上げてくれるのでこの点は川崎との相性は非常に良いと思います。

ただ今季は責任感もついてきて副キャプテンにも就任しました。インタビュー時も意識の高さが見え、大人な一面もでてきています。

■楽しむ心が原動力です。褒めてあげてください。

今季塚川が覚醒した際には、タスクから解き放ったのと同時にサッカーを楽しむ心を再び植え付けたそうです。今回川崎行きを決めたのも記事にあるような「『もっと上に行くんだ』というギラギラ感」を取り戻して、原点に戻ったことでフットボーラーとしての向上心が再び芽生えたものだと解釈しています。

しかし、この点は山雅サポとしても心配な点でもあり、これまでの所属チームと比べるとはるかに練習の強度の高い川崎でもサッカーを楽しむ心を持ち続けられるのかはまだわかりません。褒めて伸びるタイプなのでいいプレーをしたらどんどん誉めてあげてください

■最後に

長所も欠点も書きましたが、まだまだ伸びしろがあるのは改めて保証します。今季の成績と更なる成長という意味ではJ1再挑戦も妥当だと思います。

山雅サポ内で「いきなり川崎で大丈夫!?」と心配する声が多いのは否めませんが……わずか1年半の山雅生活の中で多くのサポの心を掴み、今季はトップスコアラーにまで成長した塚川なので絶対に成功してほしいという声も多いです。(私事ながら)他サポに宛てた取説を記事を初めて書いたのも塚川だからというのはあります。不器用で適応にも時間はかかるかもしれませんがぜひとも温かく見守っていただければ幸いです!!!


J1のピッチで再開できることを祈ってます。塚川に幸あれ!






もしもフィットしないなどありましたら必ず、絶対に山雅に返してください。よろしくお願いします。

END


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?