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2023年松本山雅 勝手に個人総括<MF・FW編>

さて、個人総括の後半戦!今回はMFとFW編!

GK・DF編はこちら⇩

早速、総括へ……!


<個人総括>

※出場ポジション別、出場時間順

■MF(ボランチ)

・安永玲央

出場試合:19試合(19)、出場時間:1607分
成績:0G1A、警告・退場:6枚・0枚

出場時間を分け合ったボランチだが、終わってみると最多出場は途中加入ながら(出停の1試合を除いて)全試合先発のこの若武者に。水戸ではスタイルに合わずに定位置を失ったが、ボールを積極的に呼び込み、パスやドリブルでゲームを動かすスタイルはこれまでの山雅にはあまりいないタイプ。終盤まで力強く戦えるタフさも魅力的だった。J2でも十分に通用する実力と実績を持っているがカードが多かったのがややネックか。水戸で勝負するのか山雅に残留かそれとも横やりが入るか……J3全体で見ても注目株の1人である。

・米原秀亮

出場試合:22試合(17)、出場時間:1560分
成績:0G2A、警告・退場:3枚・0枚

同じく8月中旬に初先発となった米原が安永とほぼ等しい出場時間に。5シーズン目にしてようやく主力として定着すると、ラスト5試合中4試合はフル出場。元々持っていても生かせなかった「相方と2CBとの組み立てのセンス」や山雅に来てから成長した「前線まで顔を出しての潰し屋としての能力」がようやくピッチで開花し、霜田監督の求めるボランチ像にもマッチした。もう中堅にさしかかる年齢になり、在籍歴も長い貴重な存在になっているが、来季は開幕頭からチームを引っ張る存在になれるかそれとも……。

・パウリーニョ

出場試合:18試合(15)、出場時間:1256分
成績:2G0A、警告・退場:2枚・0枚

開幕戦から7月頭まで試合に絡み続け、前半戦は主力として活躍。トータルでは昨年よりも出場機会を減らすことになったが、2本のミドルを突き刺してボランチでは唯一の得点者となっている。J3のスピード感に苦労する面はありつつもボール奪取や力強さは際立っており、プロの水に慣れてない若手にとっては脅威となっていただろう。後半戦は離脱明けにメンバー入りすることもあったが、なかなか起用されず。どのように評価されているか。

・住田将

出場試合:29試合(12)、出場時間:1190分
成績:0G1A、警告・退場:1枚・0枚

出場試合数は昨年超えの29試合(時間はほぼ同じ)。ボランチの中ではチーム1位の数字で、故障者の多かった同ポジションで1年を通して試合に絡んだ貴重な存在だが、その分1試合あたりの出場時間は伸びてこなかった。新たなスタイルにも前向きに取り組み、警告数も5→1に減らせたのは好材料だが、霜田体制ではさらなる能動性が求められる。ポテンシャルは主力2人に匹敵するものを持っているので凡ミスを減らし、量・質をどれだけ高められるかが勝負となる。

・安東輝

出場試合:10試合(9)、出場時間:617分
成績:0G0A、警告・退場:1枚・0枚

新体制ではキャプテンに任命されるなどオフの段階で霜田監督からも厚い信頼を置かれていたのが伺えたが、開幕はアクシデントで出遅れ、復帰して数試合の鹿児島戦でも無念の負傷退場。高い機動力で前線からチェックに行き、刈り取れる安東の存在はチーム全体のプレスやネガトラの質を左右させるだけにチームとして痛かった。ボランチに負荷のかかる構造とプレースタイル上、負傷が多くなるのは仕方ないが、環境が変わればそこも変わる可能性はある。新天地で実力を遺憾なく発揮している姿を見たい。

・喜山康平

出場試合:15試合(4)、出場時間:496分
成績:0G0A、警告・退場:1枚・0枚

岡山では前年20試合出場するなど出番はあったがチーム事情もあって押し出される形に。7年ぶりの復帰となった山雅では主力としての活躍を期待され、PSMでも主力として試されていたがシーズン進むにつれて出番は減少。結果的に岡山時代よりプレー時間を落とすなど新たなスタイルへの適応、J3の独特なスピード感に苦労した。ボランチやCB、左SB、前線でもプレーできるユーティリティ性や左足のキックなど衰えぬ要素も多く持っているので新天地で輝けることを願う。

・稲福卓

出場試合:5試合(0)、出場時間:35分
成績:0G0A、警告・退場:0枚・0枚

プロ3年目、2種登録を入れると4年目になった今年。手薄なサイドでも試され、新たな可能性を模索するシーズンになるかと思われたが、メンバーに絡めたのは最初の10節とA琉球戦のみ。大枠に入るのも苦労した。ユース時代も含めて恐らくこれまでにはないタスクや細かな約束事を任され、稲福にとってはやや不利な争いになったが、まだ21歳で、色んな監督・同ポジションの選手と関わることが来季やそれ以降に繋がることを願いたい。

■MF(トップ下・WG)

・菊井悠介

出場試合:34試合(33)、出場時間:2975分
成績:6G10A、警告・退場:7枚・0枚

ルーキーイヤーで強烈なインパクトを残すことに成功、さらなる結果が求められる2年目だったが昨年以上の充実のシーズンに。約500分出場時間を伸ばしたのに加え、ゴール・アシストは昨年の3倍の6G10Aと多くの得点に関与。ラストパス数もリーグトップの数字を記録するなどJ3でも屈指のアタッカーに成長し、チームMVP級の活躍と言っても過言ではない。J3卒業は当然のことながら過去の例を考えると2段階昇格のオファーが来てもおかしくない。こちらの努力だけで引き留めるのは相当難しいと言えるがどのような道を選ぶか。

・村越凱光

出場試合:31試合(20)、出場時間:1757分
成績:6G1A、警告・退場:1枚・1枚

昨年はJFL青森に武者修行、オフや夏ウィンドーでも多くの新戦力が加わって激戦区のポジションとなったが、開幕戦で途中出場するといきなりプロ初ゴール。愚行によりしばらく戦線から離れたにも関わらず、その期間以外は全試合メンバー入り。強烈な左足でのミドルを突き刺すなどチーム2位の6ゴールを挙げて、非保持にも上下動を繰り返すタフさもチームのスタイルにマッチした。霜田監督からの評価も高いので来季も重宝される可能性は高いが終盤は10試合以上無得点。波を減らして2桁に乗せたい。

・滝裕太

出場試合:32試合(19)、出場時間:1612分
成績:3G3A、警告・退場:2枚・0枚

プロ入り後は出場機会に苦しんできた滝もキャリアハイを大きく上回る1600分超え、ようやく一定の出場機会を得た。サイドのプレイヤーとしては優等生で、霜田監督の求めるような攻撃の動きを早い時期から忠実にこなしていたのが印象的だったが、得点・アシストの数字がついてこないうちに出場機会も減少。もう少しチーム全体の完成度が上がってくれば輝くこともできた気がするが、個人での打開が求められることが多くなったのが不利に働いたか。去就はレンタル元の清水のチーム事情も関わってくる。

・鈴木国友

出場試合:24試合(12)、出場時間:1034分
成績:2G1A、警告・退場:0枚・0枚

山形、群馬でのプレーを経て、山雅に2年ぶりの復帰。21年のチーム得点王でもあるので当然エース候補、CF候補の1人だったが、トップ下やサイドが主戦場となり、途中出場でもカオスな中での投入となったことも彼にとっても不運に働く。さらに霜田サッカーにおいて一日の長がある小松との併用にも苦しみ、思うような結果が残せなかった。八戸戦のように国友を軸にする前提のサッカーをすれば輝く余地はあるが、去就は編成の選択にも左右されそう。

・榎本樹

出場試合:22試合(9)、出場時間:802分
成績:1G1A、警告・退場:1枚・0枚

霜田監督の新体制ではWGにコンバートされて開幕スタメンにも抜擢。WGからの得点面も期待でき、順調なシーズンの滑り出しに成功する。が、チーム1の高さやヘディングの強さを生かせるほどの再現性はチームとしてあまり作り出せず。信州ダービーで負傷して戦線離脱している間に村越の台頭や夏の補強があり、ベンチ外の期間が続いてしまう。しばらくメンバー入りもなかったが最終盤にはベンチに返り咲きも。器用さは劣るが力強さやヘディングの上手さは魅力的。共に切磋琢磨してきた小松のブレイクに続けるか。

・山口一真

出場試合:12試合(8)、出場時間:709分
成績:1G0A、警告・退場:1枚・0枚

町田から夏の移籍で復帰し、しばらく公式戦から離れていた関係もあり、本格的に試合に絡んできたのは10月になってから。まだまだ本調子でないことは自他ともに認めているが、それでもボールのキープ力やキックの質、味方も使える状況判断などは傑出。ダービーではMOM級の活躍を見せて信頼を掴むと終盤戦にかけて欠かせない存在へと上り詰め、スケールの大きさを見せつける(相模原戦のゴールも個人的に印象強かった)。実績を考えると上からもすぐに声がかかりそうだが、怪我明けでまだ結果を残せているわけではない。このタイミングで手を挙げるクラブは出てくるか……。

・野澤零温

出場試合:15試合(7)、出場時間:625分
成績:2G0A、警告・退場:0枚・0枚

所属元の東京では選手層の厚さもあって出番が訪れず。2年連続のJ3挑戦となると山雅では大一番の鹿児島戦でいきなり先発に抜擢。複数得点での勝利に大きく貢献した。その後もそこまではチームとして少なかった裏への動きや縦へのスピード感をもたらし、守備での上下動も評価されて定位置を掴んだかのように思われたが、山口の起用に押し出される形で先発からは遠ざかる結果に。途中出場ではWBでも起用され、良く捉えるとこれまでにない挑戦もできたが、得点に絡むという点では損な役回りになったのも否めない。レンタル延長という選択肢も含み、来季はどこでブレイクを目指すか。

・國分龍司

出場試合:13試合(3)、出場時間:424分
成績:0G0A、警告・退場:0枚・0枚

5人の加入があった大卒では唯一の公式戦出場選手に。第5節鳥取戦に途中出場から出番を得るとダービーでも後半頭から登場。村越を欠いた夏場には先発の機会が回ってきて、攻撃のアイディアや技術の高さだけではなく、球際の粘り強さも見せてくれた。J3基準でも通用するところはアピールできたが、個での打開も求められるようになり、山口や野澤らも加入した後半戦は出番が激減。400分程度の出場時間はリーグ全体で見ても納得のいくものではないだろう。2年目は菊井に続いて主軸としての活躍を期待。

・ルーカス・ヒアン

出場試合:2試合(0)、出場時間:31分
成績:0G0A、警告・退場:0枚・0枚

キャンプやTMで得点をあげ、PSMの神戸戦でも飛びぬけたスピードを見せるなどポテンシャルの片鱗をアピール。秘密兵器として期待されてきたが、出場はホームの鹿児島戦、相模原戦の2戦のみ。ドリブルでスタジアムを沸かせた一方で、どちらの試合も終盤に立て続けに2失点を喰らい、守備面での不安感が結果に出てしまったのが痛かった。以降は出番がなく、シーズン終了。長い目で見てもらうのは難しい立場だが、水面下での成長があれば違ったピースになりうるが……。

・新井直登

出場試合:0試合(0)、出場時間:0分
成績:0G0A、警告・退場:0枚・0枚

大学時代のプレーを見るとFWやトップ下、WG、IHも狙える選手だと思うが、いずれのポジションでもチャンスが回って来ず。出場時間0で今季を終えてしまった。同大学のFW佐藤(いわて)が早くから出番を掴み、4G1Aと同カテで結果を残していることで彼自身焦りもあったかもしれないが、TMでは1年を通して得点を挙げ続けている。まずはチーム内での序列を覆したい。

・濱名真央

出場試合:0試合(0)、出場時間:0分
成績:0G0A、警告・退場:0枚・0枚

昨年は特指で3試合出場してアシストも記録した濱名も今年は出番が遠く、結局1年を通してベンチ入りの機会が訪れなかった。大学での実績も持っている選手だが、自身が得意としているドリブルや細やかなテクニックなどを生かしたプレースタイルとチームが求めるタスクの不一致が原因として大きいか。前任からの評価は高く、ある意味チーム事情によって出番が遠ざかった面もあるが、新たな可能性を見つけ出すチャンスでもある。来季はピッチでキレキレな姿を見たい。

■FW

・小松蓮

出場試合:36試合(35)、出場時間:3136分
成績:19G4A、警告・退場:4枚・0枚

文句なしの得点王&ベストイレブン。これまでの自己最多得点だった5を大きく更新する19得点を挙げ、山口時代の恩師・霜田監督の元で「覚醒」と言っても過言ではないシーズンを過ごした。元々守備での貢献度は高かったが、2度追い3度追いが当たり前だったところから非保持時のタスクを整理してゴール前での仕事に専念させたこと、そして彼自身のコンディション管理が身を結んでチームとしても早い段階で得点源の計算が立ったのは大きかった。「卒業」に値する成績を残して当然オファーは多く届いていることだろう。

・渡邉千真

出場試合:20試合(6)、出場時間:627分
成績:2G2A、警告・退場:1枚・0枚

小松に並ぶボックスストライカー候補として加入。PSM神戸戦や第3節のYS戦では小松ではなく、渡邉が最前線で起用されるなど"計算の立つ選手"という意味では当初は序列が高かったかもしれない。だが、そのYS戦で負傷して約2か月離脱があった間に小松がエースとして覚醒。PKながら開幕戦で得点を挙げて波に乗った小松に対して、初ゴールが7月の八戸までかかってしまったのも痛かった。今季の2得点は共に小松不在時に決めた得点で、点取り屋の仕事に集中させればまだ一瞬の輝きは生かせるはず。来年38歳、まだチャンスはある。

・田中想来

出場試合:4試合(0)、出場時間:43分
成績:0G0A、警告・退場:0枚・0枚

昨年、長野や愛媛のようなチームを相手にも高いポテンシャルの片鱗を見せ、プロ一年目から活躍の期待された想来だったがスタイル変更もあって出番は減少。TMでは点を取れているだけにどこかでチャンスを得たかった。まだまだ若いのでこれもまた良い経験にして欲しいところだが横山に続く世代別を狙う立場としてはここまで出番を得られないと世代別常連でもない限り厳しい。小松や渡邉とはまた違ったタイプになるので、その壁を乗り越える活躍を見せるかトップ下やWGも選択肢に入れるか……。先輩の小松連の背中を追えるような活躍を期待したい。


個人総括は以上。

なんとか満了が出る前に書ききりたかったですが、書く前や書いてる途中に去就が出てしまったり……少し加筆修正を加える必要があったので、若干総括として外れている部分もあるのはご容赦を(笑)

チーム総括は、共に山雅を1年間見てきて、振り返りスペースやnoteを一緒に行ってきたおぐちさん、いぬねこさんとひとまず行います!(個人でもやれればですが……あっという間に新シーズンになってそう笑)収録は済んでいますが、極力早く動かねばどんどん新情報が出てきそうなので頑張って早めに書ききります……!多分……!

ということで、山雅の場合は良いニュースの前に悪いニュースが多く来るのが例年の流れとなっていますが、今年もとにかく強い気持ちで!まずはオフの序盤戦を乗り切りましょう!

END

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