逆噴射小説大賞 応援tips

こんにちは。
時間がなかなか取れなくて全読みは今年も無理そうです…。
なので、この週末で頑張ってみようかなというニュービーの方、それも逆噴射は初めてなんだよなというより前の段階、小説を書くのって初めてなんだよな、の方がちょっとだけレベルアップした実感が湧くようなことを書いておこうかと思います。
当たり前ですが、これを守るのが選考に通る第一歩とか、面白くなる第一歩ということはないです。あくまでも手の動かし方というか、書くにあたって、「ここに気を付ける」という視点があるよ、という程度のtipsです。

tipsというのは、直訳すると「つまさき」、ちょっとした背伸び、ワンタッチ、そんなものです。十分背が大きいお友達は別に気にしないでいいです。

推敲とは

文章を書く人が「推敲」するとか言いますね。わたくしはアレ、実はあんまりよくわかりません。定型のチェックリストがあるわけではないし、そもそも50点のものを60点にあげるための動作ではないです。本来100点のものが80点に落ちるのを防ぐもの、簡単に言えば「盛り付け」「ゴミ取り」「掃除」に近いものかなと思います。
綺麗な文章にするんだよ、と言ってしまうのが簡単ですが、何をもって綺麗とするんだよ、という話ですね。
ただ、この800字のコンテストになってくると、この「綺麗さ」というのは雑にですが定義可能かなあなどと思います。繰り返しますが、これは「必須テクニック」ではないです。その方が読みやすいかもよ、というただのtips。「面白いもの」というのはこういうところを意図的にブレイクビーツしたり、ぶっちぎったりして逆噴射するので、ヘー・ホーンくらいにしておいてください。

(1)同じ表現を使わない

これは通常でも同じであり、そしてどんな人もついついやってしまうやつです。「よく登場人物が肩をすくめちゃうんだよね」というと頷く方も多いかも。
ただ、今回は折角短いコンテストなのですから、特徴的な言い回しや象徴的な動作を、意図的でないのに二回使ってしまうのはもったいない気がします。どのラインからが凝った言い回し、象徴的な動作になるかというと定義が難しいのですが、そこの判断がつかないのであればいっそ、全部「2度使わない」にしてみたらどうでしょうか。「言う」「思う」のような、頻発しやすいものを一度しか使わない(エクストリーム的には一度も使わない)というルールを決めて、色々な言い回しや表現を試すと新しい扉が開くかもしれません。

(2)文章の粒を揃える

簡単には、なんとなくの文章の長さを揃えることで一定のリズムを作ることができます。目的はリズムを出すというよりは「読みやすさ」を増すということです。
一文の中に複数の要素・動作を入れてしまいたくなるのは書く側として非常に自然な気持ちなのですが、読む側としては二文に分けてもらった方が文意をとりやすいよなと思うことがよくあります。慣れないうちは一文に一意、というのを保っていくといいような気がします。だらっとした文、読みにくいものはリビルドしてみましょう。

(3)句読点を減らす

句読点というのは、書いているうちに一息でタイプする区切りでついつい「、」と打ってしまいそうなものですが実際の用途は違います。
大抵の読者はこの「、」で一度音を区切って読みます。句読点が入るたびに一瞬目が止まると思ってください。目が止まるタイミングで息継ぎをしたり、意味をまとめたり、ひとは色んなことをします。
文章的には本来、散らばる文意を一意に収束させるために使ったりしますが、今回は800文字です。そもそもあんまり多くないほうがいいですね。句読点がないと厳しい文、というのは大抵の場合二文に分けたほうが読みやすいです。

(4)主語を見直す

このあたりになってくるともう仕上げに近いですが、自分の書いたものを意地悪な気持ちで読んでみてください。意地悪ではなく、斜めに読むとか雑に読むとか、そんなことを繰り返してください。意味が取れない文章はありませんか?
このパートは実はメチャクチャ難しいです。ひとが自分の抱いたイメージから脱するのは大変です。なぜ、そのパラグラフが同じ人物の動作なのかというのを証明するのは大変難しいものになっています。
インスタントには今回、800字なので、まずはどの文にも「主語(○○は/○○が)」を挿入しておき、それを削っても意味が通ると自信が持てたものだけを抜いていくという手順がいいような気がします。
これは、主語はとにかく入れておけば安全、という話ではないです。それが原因でリズムが崩れたり、機械翻訳みたいな文章になってしまうこともあります。だから、この項は「余力があれば」くらいに捉えてください。
日本語では多くの場合、主語を省くのが慣例として行われています。口語で主語を省くのは日常ですが、表情も声のトーンもない文章上では普段よりもだいぶ「理解しにくくなっている」ということを覚えておいてください。

気が向けばまたなんか書きます。テーマ何がいいかな。単発のアイデアを「短編」に昇華させるためのメソッドみたいなのがいいかな。そんな魔法みたいなのがあれば僕が知りたいよ。
というわけで需要があれば、「そのアイデアはそれだけでいいのかチェック」のやりかたでも書きます。

今回からは珍しい課金形式、この記事が面白かったら投げ銭してね、ではなく、投げ銭されたら続き書きます、となります。よしなに。


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