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「帰れ!」と言われたピッチの猛特訓――初期のWHILLを救った一言とは

WHILLの杉江理CEOによるトークセッションのレポート後半です。前半では創業期におけるCEOの役割を中心に伺いました。後半ではアクセラレーターの活用方法や、資金調達に関するエピソードについて伺います。
前半はこちらから

−−WHILLは2013年にアメリカに渡り、500 startupsのアクセラレーションプログラムに参加していますよね。どのようにアクセラレーターを活用していましたか?

スタートアップから見たアクセラレーターの魅力はネットワークに尽きると思います。500 Startupsでは関係者だけが参加できるオンライン・コミュニティがあったので、エンジェル投資家やVCにひたすらチャットでアプローチしていました。彼らは常に忙しいので、返事が来たら5分以内に返事することを徹底していました。

もう一つ思い出すのはデモデイのピッチです。最後のデモデイに命を懸けていましたね。ピッチの練習量が半端ではなくて、デモデイの一ヶ月前から30人ぐらいの前に立ち、毎日練習していました。練習ではとにかくダメ出しされます。「帰れ!」とデイブ・マクルーア(500 startupsの共同創業者)に怒鳴られる。僕も「帰れ!」とデイブから何度も怒鳴られました。

ある日、デイブから日本語でピッチするよう言われてやってみたら、「日本語のほうがいいな。なぜなら自信があるように見えるからだ」と言われたんです。
「お前の英語はクソだ。自信があるように見えないのは練習量が足りないからだ。練習量が足りないと、どうなるかわかるか?会社が潰れるんだぞ。そうならないために練習するのが君の仕事じゃないのか?」と叱咤されたんです。

確かにそうだったんです。日本で資金調達がうまくいかず、アメリカに飛び、ようやく500 Startupsのプログラムに参加できた。ここで、デモデイのピッチがうまくいかず投資を受けられなければ潰れる。そこからは必死に練習しました。持ち時間が3分なら、3分キッチリ、すべてのページが何秒かわかるくらいまで丸暗記して本番にのぞんでいました。その後もピッチコンテストで何度か優勝していますが、デイブのおかげだと思います。

ピッチのテクニックはネットで落ちていたり、メンターが教えてくれるので大丈夫です。テクニカルな話もそうですが、何より練習することが重要だったように思います。

−−ハードウェア・スタートアップにとって、資金調達のために投資家を回ることも重要かと思います。うまく調達できずに疲弊するCEOも少なくないと思いますが、杉江さんはいかがでしたか?

「やらなきゃ会社が潰れる」からやっているだけで、好き嫌いとかそういう話ではないです。

資金調達はとにかく数を当たりました。資金が必要で、投資した資本の回収にも時間がかかるハードウェア・スタートアップに投資するVCはなかなか見つかりません。実際に生き残っているハードウェア・スタートアップも少ない。そういう環境でやっていることをそもそも自覚すべきで、可能性があることを全てやりきるしか無いと思います。
もちろん断られまくりますが、ごちゃごちゃ言わずにやるしかないですね。

−−WHILLは現在国内外に約300人の従業員がいますよね。組織が大きくなる過程で、創業者として考えていたことはありますか?

5人から10人、20人と人が増えていくと意思疎通のやり方も変わります。一番重要なのは、ある程度の人数になったときでも取締役全員が同じことを言っているかということ。次に執行役員が同じ目線であるかどうかということ。結局組織はトップの意思疎通がそのまま下に影響します。トップの構成を見ればその会社がやりたいことがわかると思います。

初期のスタートアップであれば何かあるたびに徹底的に話し合うこと。WHILLも創業期は折に触れて「ちょっと本音で話し合おうよ」と膝を突き合わせて話すことが時々ありました。
実は創業者3人で飲んだことがほとんどありません。お互いの役割を機能的に見ていて、3人のうち誰かが抜けたら潰れると思っていたし、感情的になりすぎず合理的な話し合いができる関係性だったのは良かったと思います。

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文・越智岳人


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HAX TokyoはSOSV、SCSK、住友商事の共同運営による、ハードウェアに特化したアクセラレータープログラムです。 シードステージのスタートアップの成長を加速する3ヶ月間のプログラムを提供しています。 https://www.hax.tokyo/