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ラクナ梗塞

久しぶりの投稿になります。
今回は脳梗塞の中でも「ラクナ梗塞」についてお話しします。

ラクナ梗塞の「ラクナ」とは、ラテン語で「小さなくぼみ」という意味です。直径15mm以下の小さな脳梗塞のことで、脳の中にある太い血管(主幹動脈)から枝分かれした穿通枝(せんつうし)と呼ばれる細い血管があります。この穿通枝の先が詰まるのがラクナ梗塞です。

ラクナ梗塞は小さいがゆえに、気づかないことしばしば見受けられます。しかし脳梗塞を発症していることに変わりはないので、知らない間に主幹動脈の閉塞へ移行したりすることもあるので注意が必要です。

またラクナ梗塞の中でも、より主幹動脈に近い部分(根本の部分)で梗塞が起こるタイプのことをBAD型(Branch Atheromatous Disease)と呼んでいます。
穿通枝内で閉塞するラクナ梗塞に比べて虚血領域が大きく、より多くの錐体路が虚血侵襲にさらされるためと推察されます。入院経過中に運動麻痺が進行したり、構音障害など症状の悪化や重症化が起こりやすいため注意が必要です。

私の臨床の中でもBADは見かけることが多く、我々リハビリテーション職だけでなく、医師や看護師をはじめ、症状の変化には最新の注意を払っています。

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