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トイレットペーパーの買い占めと死んだ祖母の思い出

どーも、鷹ノ目です。

twtterでこんなツイートが流れてきました。

これ読んでみてどう思いました?

「ちょっとこの爺さん痴呆が入ってるんじゃないか?」
「トイレットペーパーを使い切る前に爺様の命が尽きるんじゃないか?」
「これだから老害は...」

まぁ、迷惑なやつがいるもんだと思うのが大半なんじゃないかと思います。

で、僕はというと、祖母のことを思い出したんですよね。

異常なくらい心配性だった祖母

もう死んでしまいましたけど、祖母はとにかく心配する人だったんですよ。それはもう端から見て異常かというぐらい。

ちょっと具合が悪いとか、膝や腰が痛いという理由で、朝の4時だろうが5時だろうがおかまいなく電話をかけてきました。

で、1時間ほど、一方的になんやかんやと話して電話をきり、そのあと、朝一番に病院に向かって薬や湿布をもらうと、「いやー安心した。」とまた電話をかけてくるそんな感じだったんです。

で、そんな祖母も最晩年、介護が必要になりました。

誰が介護するかで親戚一同、揉めに揉めた結果、逃げ出した長男夫婦に代わって、次男の嫁であるうちの母がつきっきりで介護することになりました。

その後、うちの母と父方の親戚一同、そしてすべての面倒を母に押し付けた父との間に決して埋まることのない亀裂が生まれたのはいうまでもありません。

当たり前ですが、すぐに病院にいって薬や湿布をもらおうとする祖母と介護する母は毎日のように喧嘩になったそうです。

ある日、祖母に包丁を突き付けられてわめき散らされたときは、さすがの母も泣いたといってましたね。。。痴呆も入るとほんと地獄だとか。

で、仕方なく病院にいくわけですが、お医者さんは診察した以上は薬を出そうとするわけです。なので、「薬はたくさんあるので結構です」そういって拒んだこともあるそうなんですが、、、

「年寄りは心配するから。薬は安心させるために出している。」

そんなことをいわれたそうなんですよ。僕はこれを母から聞いたときにあきれちゃいました。

ほんとうに必要な治療のためでなく、老人の「安心」のために薬を処方しているのかと。そりゃー国保料も毎年のように値上がるし、国民皆保険が潰れるとかいわれるようになるはずですよ。

薬をださないとキレだす老人もいるそうなので、病院関係者さんも事を荒立てないためには薬をとりあえず出しておけば手っ取り早いんだと思います。

でも、病院に集う多くの老人たちが本当に欲しいのは薬ではなくて「安心」だとわかっているなら、それこそ手を握って「大丈夫ですよ!」っていってあげるだけも全然違うと思うんですけどね。

「安心を伝える方法」これこそお医者さんが真っ先に身に着けるべきでなおかつ最も重要なスキルだと僕は思うんですよ。

人間、とにかく安心がほしい

母が祖母の介護をはじめて1年しないうちに祖母は亡くなりました。

隠し財産ならぬ隠し湿布が段ボール1箱分でてきて、49日の法要の後、思い出の品として皆に配られたのは忘れられない思い出です。

生きていればどうやったって人間、不安になります。人生は不安との戦いといってもいいぐらいです。

不安とどう付き合っていくか?は年齢を重ねるほど人生の重要な要因になっていくと思いますが、不安な気持ちを話せる相手がいるかだけでもだいぶ違うでしょうね。

女性はこのあたり自然にできちゃいますが、男性は苦手ですよね。冒頭のトイレットペーパーを買い占めるツイッターのお爺さんも多分一人暮らしなんじゃないかな。知らないけど。

介護の現場では「声かけ」がすごく大事だといいます。「あなたのその気持ち、わかります」という心をもって寄り添うことが声かけの極意だとか。

不安な気持ちが外からの働きかけでやわらげることができるのだとしたら、それはきっとモノではなくて、自分をわかってくれているという言葉なんじゃないでしょうかね。



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