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高千穂はエンターテイメントにあふれている

イザナキのみそぎによって生まれた三人の神の「その後」は、面白いです。
月の神のツクヨミは、その後、古事記に登場しません。
一方、太陽の神アマテラスと海の神スサノオは、日本人なら知らない人はいないほど有名です。

スサノオは、田んぼの畝を壊したり、神殿に糞をしたり、皮を剥いだ馬を機織り中の娘に投げつけたりする不良でした。
娘はショックを受けて亡くなってしまいます。
このため、スサノオは追放されました。
最初はスサノオをかばっていた姉のアマテラスでしたが、弟の悪行に衝撃を受けて、引きこもってしまいました。

太陽神アマテラスが天岩戸に隠れたことで、世の中が真っ暗になりました。
困った神々らは、アマテラスをとりもどす相談をしました。
盛大なエンターテイメント・ショーを開催して、天岩戸の中のアマテラスを誘い出すという作戦が採用されました。
このときセンターで踊ったのが、アメノウズメです。

アマテラスが、聞こえてくるにぎやかな声に気づいて、天岩戸を少し開けて、アメノウズメにたずねました。
「ねえねえ、この私がいないのに楽しそうなんだけど、なんなのよ?」
「あんたより、もっと人気のある神がいるので、みんなで楽しんでるのよ」
「私を誰だと思っているの。いったい誰?」
アマテラスは、天岩戸をさらに開けて、笑い声のする方向をよく見ようと体を出しました。
このときアマテラスが発した光が、笑っている神々のつら(面)に当たって、白く見えました。
そのときに、力持ちの神アマノタチカラオが、天岩戸をこじ開けてアマテラスを外に引っ張り出しました。

作戦成功です。
暗黒だった世界に光が戻って、もとのように明るくなりました。
日本初のダンサー・アメノウズメは、芸能の神と言われています。
また、アマテラスが天岩戸を開けたときに、人々の面が白く見えたことが、「面白い」という言葉の元になったとも。
狂言師の野村萬斎さんが言っておられました。

アメノウズメは、天孫降臨のときも随行します。
このとき地上で道案内をしたのが、猿田彦命です。
二人は結婚します。
この二人をお祀りしているのが、高千穂町にある荒立神社です。
芸能の神社とされています。

このため芸能人が来るとのこと。
ちなみに女優の剛力彩芽さんは高千穂観光大使です。
テレビの旅番組で、高千穂の荒立神社にロケにいったことがきっかけになったそうです。
荒立神社には角川春樹さんの碑もあり、アニメの「押しの子」にも登場します。
さすがエンタメの神社だと思います。

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