見出し画像

思春期に一番衝撃を受けた詩人(7日間ブックカバーチャレンジ2日目)

三代目魚武濱田成夫という詩人の言葉が大好きでたまらなかった時代が僕にはありました。
そのほとんどを買い集めたのですが、なによりすごいタイトルだと思ったのが
『君が前の彼氏としたキスの回数なんて俺が3日でぬいてやるぜ』
でした。

昔々、『ソリトン金の斧銀の斧』『ソリトンside-B』という伝説の番組がありました。
たしかSide-Bのほうでドリアン助川が詩を朗読していて好きになって、
そのまま土曜深夜の正義のラジオジャンベルジャンを聞いていました。
CMに入り、大きな声でガーンと刺さる言葉を叫んでいたのが三代目魚武さんでした。ドリアンよりすごい人がいる、と思いました。

喫茶店に来ていたグループにかわいい子を見つけてじっと睨みつけて、声をかけてそのままお持ち帰りしてみたり、
虎にあこがれて、アイスコーヒーを愛し、神様にクリームシチューをねだる姿に、僕はしびれていました。
友達の家に居候して壁に落書き(詩)を描いていくパンクな姿勢がかっこよく見えました。

なにより(今でいえば)突き抜けた上から目線で、うぬぼれという名の絶対的な自己肯定を貫いて、とても生きにくい人なんじゃないかなとも思う。
けれど、思春期にこの人のコトバにシビレてしまった僕は、いつか三代目魚武みたいになりたいと思って、そうはなれなくて、今に至ります。

大塚寧々に「この人の子供を産みたい」といわせるくらいの魅力を持った三代目魚武濱田成夫。

いま、この人何やってるのかなと思ったら、『詩人三代目魚武濱田成夫ブログ』で詩を叫び続けていました。

彼のコトバが胸に刺さるほど今の僕の心は敏感ではなくなってしまったけれど、
ページを開くとこれを熱心に読んでいた思春期の自分を思い出します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?