データはゴールド

データの扱い方を見ていると データの価値を わかっている人と そうでない人が よくわかる。
先日 ケーブル会社の人が 訪ねてきた。
ケーブル会社も 以前のようには 売れないようで 携帯電話を 抱き込んで 別路線から 売り上げ高を 狙っている。カラクリが見えるだけに 冷めた目で見ているが 玄関先にいるので 一応 話だけ聞いた。
すぐに 私のところに来たのではないことが 発覚した。私の前に ここの住所に住んでいた人が ケーブルの契約をしているので その情報を元に 携帯の切り替えを斡旋に来たことが わかった。
ところが その時、そのセールスマンは この人を 訪ねてきたんですと、タブレットのスクリーンに表示された その人の個人名を 私に見せた。そこには 名前以外の 契約者の情報もあったので 一瞬で 目を逸らし
契約する気は 全くないことを伝えて 帰ってもらった。常識にかけている人だと思った。
数日後の夕方 窓の外で 車のエンジン音がするので
外を見ると そのセールスマンが 車の中にいた。
顧客となのか 友人となのか、携帯のスピーカーをオンにしてしゃべっている。
個人の敷地内なのに 何だろ?すぐに去るかと思ったが そうではなかったので 外に出て行った。
私に気づいて すぐに あーこの間のと言ってきた。
が 私は 他人のデータを見せることに 注意を払わないばかりか 個人の敷地に駐車して 何とも思わない
この人の アホさかげんに呆れ どうして ここに駐車してるの?と聞いた。セールスマンは 初めて会った時とは 全く違う私の態度に 一瞬戸惑ったようだが すぐに車を出したと 思いきや 今度は 隣の家の前に停めた。呆れて言葉も出ない。
少しして 隣の人が出て来て 外で しゃべっているのが 聞こえたが 私の知ったことではない。

日本では マイナンバーのシステムが 個人情報の漏洩に繋がっているとか 繋がるとか言った話しを聞いた。
要は 漏洩も問題だが データを売り買いしている人たちがいるのだ。そして どんな契約も コンフィデンシャルは有り得ない時代に入ったと 思う方がいい。
私自身 オンラインショッピングで カードを利用したり 携帯上にカード情報を登録したり オンラインで
税金の支払いのために 銀行口座を登録したりしているが 誰が それらのデータ管理をしているかは わからない。誰もが 使用した先でしょ?と思っているが 通信機器を使用している場合の 履歴などを管理しているところは別にある。マイナンバーなら国が管理するが データにおいては専門の筋に依頼しているはずだ。
そうすると漏れたり流出したりした場合の 責任の所在が曖昧になる。現代は 加速度的に便利になったばかりに そのような部分は蔑ろにされている。
本当に 表面オンリーの世界になってしまった。

アメリカだって クレジットカードや ネットのショッピングのデータが 一部流出している証拠に 知らないところから eメールで勧誘とか宣伝が 来たりする。
何年も前は ハッキングのせいにしていたが なぜだか 今では カードの利用規約に 一部データのシェアをすると言う項目があり それに反対なら 契約できない。規約文はかなり長いから 普通は 読まずに
承認する人が多い。その結果が 大量のジャンクメールに繋がる。
最初の話しに戻れば、タブレット上にあった 個人情報ぐらいで 見た人が悪用するかは 考えがたい。
が 玄関先に ビデオが設置されていて タブレットのスクリーンが 全てクリアーに うつっていたとしたら?名前や住所を 悪用されることだって 考えられる。ここはアメリカだ。

波乗りをして ビーチに戻る時 携帯のカメラが こちらに 向いてる時がある。その人が 海の写真を撮っているならいいが 私を撮っていることもある。以前 ビデオを撮った人がいた。
年配の女性だったので 笑って済ませたが 気持ちのいいものではない。有名人ならまだしも、無名の個人だ。
そして 個人的に 見ず知らず人に 勝手に写真を撮られるのが嫌いなのだ。それがネットに流れれば 誰かが それを 加工して 裸にすることもできる。あるいは 勝手に音声をつけて あることないこと 私がしゃべっているように 見せることもできる。そして それを見た人は それらが加工されたものとは 思わない。
私ではない私が ネット上で 一人歩きする。
怖いと思う。魂を抜かれる気分だ。

SNSで 子供の画像をシェアした人がいる。
少し経って 強盗に入られた。捜査官が その画像に
撮影した場所のデータがあり コンピュータの操作によっては 住所を知ることができると 子供の母親に
報告した。幸い 事件当時 子供は部屋にいなかったのだが 人物の画像には 時に背景が写っており その場所に どのようなものが置いてあるのかまで シェアしていることに気づかない。
データそのものは 物として存在していないだけに
見えにくい。
情報化社会というのは 便利さの裏に そのような闇も潜んでいる。
ビデオから その子供の声を盗み ふりをして親に電話をすることも可能だ。誘拐を演じることも可能だし、親から お金を引き出すことも可能だ。
誰かが 私のフリをすることも。
そして 知らないところで 知らない人に 検索されていたりする。
便利さが 自由な時間をもたらすというのは 神話に過ぎなかった。
個人情報を 握られることで 逆に不自由になっている。

本来 データは ゴールドのように 扱われなくては
いけなかったのだが ゴールドゆえに 狙われたり
裏取り引きされることもまた 避けれないことなのだろう。

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