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【雑談】読書が10倍楽しくなる!?世界の解像度を上げる"テーマリーディング"とは

こんにちは。デイトラマーケティング責任者の初芝賢@hatushiba_kenです。

このnoteでは、デイトラのマーケティング責任者・初芝が、Twitterでは言いづらいちょっとディープな話をしていきます。

なお今回は雑談回です。いつもカロリーの高い話ばっかりしていると疲れると思うので、たまにはこんな回も挟んでみます。ぜひ最後まで読んで下さいね。

※このnoteはながれのほとりさん(@nagare0712)に初芝ラジオを文章化してもらったものになります。音源も聴きたいという人はこちらも併せてどうぞ。


初芝流の読書法「テーマリーディング」とは


今回は、「初芝流の本の読み方を教えてください」というリクエストにお応えしていこうと思います。

まず話の前提として、本の読み方は「何の為に本を読むのか」という目的によって異なります。具体的には、「仕事をするため」とか「書評を書くため」とかですね。

なお今回紹介するのは、あくまでも「趣味」としての本の読み方です。小説や実用書、学術書といった本を通して、大げさに言うなら人生に対する解像度を上げていくための本の読み方なんです。それを僕は勝手に「テーマリーディング」と呼んでいます。

では「テーマリーディング」とは一体何でしょうか。それは現実社会を生きていく中で気になることや問題意識を抱いたテーマについて、それに関する小説と実用書を交互に読むやり方です。僕はこのような本の読み方が非常に好きで、よく実行しています。僕のおすすめの本の読み方でもあるので、皆さんにもぜひ実際にやってみてほしいなと思っています。

自己啓発セミナーとテーマリーディング

では、実際の「テーマリーディング」とはどのようなものでしょうか。
ここからは、僕の実体験に基づいてお話させていただきます。

数年前、僕はある知人から、「知り合いが怪しげな自己啓発セミナーのようなものにハマってしまっている」という相談を受けました。なおその人は、僕にとっても知り合い、つまり共通の知人だったんですね。

相談を受けて、僕は「どうすればいいんだろう」と結構悩みました。こういうときは頭ごなしに説得してもダメだし、本当にそのセミナーがその人にとって悪いものなのかも分からない。さらに、これからその人がどうなっていくかも不明である。このようにかなりセンシティブな話だったからです。

そこでまず、「自分がその領域について詳しくならなければ無責任なことは言えないな」と、関連書籍を多数読みました。
自己啓発セミナーや新興宗教について書かれたドキュメンタリーや学術的な内容の本、そういったノンフィクションの本などなど…。それと並行して、ハマる人の心理が知りたくて自己啓発セミナーや新興宗教をテーマにした小説も複数読みました。

具体的にどのような本を読んだかというと、ノンフィクションでは、『洗脳体験』という自己啓発セミナーへの潜入体験談を綴った本や、旧オウム真理教関係の本ですね。それも旧オウム真理教の責任役員であった上祐史浩さんがその活動を自ら語ったものなど、様々な視点から読みました。

一方でノンフィクションとしては、『仮想儀礼』や『砂の王国』という小説です。ここで行ったのは、フィクションとノンフィクションの本を交互に両方読むという読み方です。この読み方こそが今回一番伝えたいです。

なぜ僕がそのような本の読み方をしたのか。それは、ノンフィクションの本を読むだけでは、対象に対する具体的なイメージがしづらいからです。感情や肌触り、そして対象への没入感。ノンフィクションの本を読むだけでは、そういったものが感じられないから、どうしても理屈っぽくなってしまう。そうなると、自己啓発セミナーのようなものにハマってしまう人の気持ちに共感することができなくなってしまいがちです。つまり、僕はそういった「肌触り」を得るために、小説を読んだんです。

逆に小説だけでもダメな理由は、小説だけだと「点」になってしまうからです。そこからは主観的な「感情」と、作者がその小説で書きたい「テーマ」しか見えてこなくて、どうしても対象を俯瞰的に見られません。
このとき、この人がなぜこんな感情を抱いたのか。どうしてそうなったのか。それは例えばその宗教が内包する構造や、「イニシエーション」と呼ばれるような通過儀礼によってそうした感情が生み出される装置が作られていたことに原因があるのではないか。あるいは、「このシーンは洗脳過程における2段階目のステップなんだな」。このようにノンフィクションの本を読むことで、対象に対する知識や事例について知ることができ、それによって小説の「物語」を再構築、再解釈することができる。このようにノンフィクションとフィクションを交互に織り交ぜることによって、その現実や、その周辺に関する解像度をかなり上げていくことができると僕は思っています。

では、このようなテーマリーディングを実施したあと、僕はその共通の知人に対してどう接したのか。まずは本人に会って詳しく話を聞きました。決してこちらから強い言葉をかけたり、論破して相手を説き伏せたりすることは避け、聞くことに徹したのです。

なぜかというと、僕は様々な本を読む過程で、一種の洗脳状態にある人に対して外から強い言葉をぶつけてしまうと、その言葉自体がさらに別な洗脳となってしまうことがあることを知ったからです。さらに、そうした状態にある人たちは、関係者から「外部の人間から説得されたときはこうやって反論しろ」というマニュアルを与えられている可能性がある。実際にそういった事例も多数見られました。

だから、こちらから強い言葉をかけたり、論破したり伏せようとすると、かえって逆効果になってしまうかもしれない。そのため、僕は相手を強引に説き伏せようとはせず、「最終的には本人が自分から気づくしかない」と思って、啓発セミナーの事例の本や実際の事例をまとめて紹介しました。それも「こうしたほうがいい」と言うのではなく、あくまでも「こういう事例があるから、もし少しでも気になるところがあったり、思い当たるケースがあったりしたら読んで欲しい」。こんなふうにして情報を与えたんですね。

その結果はどうなったかというと。半年ぐらい経ってから、その人にもう一度会う機会がありました。すると、すでにその人は自己啓発セミナーから離れることができており、普通に社会人として生活していたんですね。まあ、僕がやったことがその人の変化にどのぐらい寄与できたのかは分かりませんが、「あのとき勧められた本で自分のことを客観的に見られました」と感謝されたのは事実です。
(※これが正解とは限りません。むしろ強制的に引き剥がすことで脱洗脳できたという事例もあります。この記事ではその方法論の是非について議論をしたいのではなく、あくまで「身近で起きた答えを出すのが困難な問題に対し、様々な本を読むことで対応を発想することができた」という事例として捉えてください。センシティブな領域のため、念のため)

このように、現実世界を生きていく上で問題意識を持つことがあれば、それについて書かれたノンフィクションとフィクションの本を交互に読む。これこそが「テーマリーディング」であり、僕がおすすめする本の読み方です。

テーマリーディングのさらなるメリット

テーマリーディングのよいところは、様々な本を読み進めていくうちに、自然に次の問題意識が生まれてくることですね。

今回の問題は、「人はなぜ自己啓発セミナーや新興宗教にハマってしまうのか」でした。そこから発展していくと、それらにハマってしまうような人たちは自分に自信がない、あるいは承認欲求がこじれてしまっているといった問題を抱えている。そんな人たちが自分を新たに承認してくれる場所や居場所として、コミュニティとして、あるいは自分のアイデンティティを求めて新興宗教や自己啓発セミナーにやってくることが多いと分かったんです。

それが分かると、次は自分に自信のないような人たちが抱く承認欲求や、認められたさというものは一体どこに正体があるのか。これが気になってくるんですね。

だから、そこから僕は「物語論」についての本を読みました。「物語論」とは、人はなぜ物語が必要なのかについて述べた本です。その内容は、人間は物語によって物事を理解しているという考え方です。僕はそうした物語論に関する本や、承認欲求に関する本を読むことを通して、人が抱く承認欲求の正体についてさらに知見を深めていきました。

では、僕はなぜそのような本の読み方をしているのか。そして僕がなぜ本を読むのか。その一番の動機は、「世界に対する解像度を上げたい」。この思いが非常に強いからです。だからこそ僕にはこういう本の読み方が非常に楽しく感じられます。そして、この思いに共感してくれる人は沢山いてくれるんじゃないかなとも思いますね。

なお、別の質問で「初芝さんはなぜそんなに本を読むのが好きなんですか」というものもありました。その答えは、僕が世界の解像度を上げるために本を読みたいと思ったきっかけとなる話でもあるんですが、それはまた別の機会にお話できればと思っています。

今回は完全に雑談でしたが、もしよかったら皆さんも「テーマリーディング」を試してみてください。

今回はここまでです。
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stand.fmの初芝ラジオではいつもこんな感じの話をしていました。

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