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ツイッターの140文字では書ききれないこととか、あまり大声で言えないこととか、音なんか…

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ツイッターの140文字では書ききれないこととか、あまり大声で言えないこととか、音なんかをこっそり載せたりしたいと思っているだけです。You need not support me.

最近の記事

拝啓。お父さん。

2年前の今日。一人で静かに旅立って行かれましたね。誰にも知られることなく。母と孫の隣で。 あれから時は過ぎて今日はもう三回忌です。 あの日のことは今でもよく覚えています。 穏やかな秋の日に突然の訃報。 覚悟はしていたものの、胸をなにか鋭いもので突き抜かれたような、そんな衝撃でした。 多才で博識だったお父さん。 こんなできそこないの子供をとても可愛がってくれましたね。いろんなことを教えてくれましたね。 どこへ行くにも末っ子の僕を連れて行ってくれたおかげで、僕にはお父さんとの思い出がたくさん残ってます。 昔から顔や声、雰囲気がお父さんにそっくりと言われた僕ですが、中身は正反対でした。お父さんのように真面目でも勤勉でも子煩悩でもありません。 こんな愚息を遺して、さぞ心配なことかと思われますが、質素ながらもなんとか暮らしています。一匹の猫とともに。 たくさん愛してくれてありがとう。 たくさん遊んでくれてありがとう。 たくさん思い出を残してくれてありがとう。 近いうちに挨拶に行きます。 また泣いてしまったらごめんなさい。 出来の悪い三男坊より。 大好きなお父さんへ 2022.10.20 ♪「見上げてごらん夜の星を」坂本九

    • Dear My Father

      2020年10月20日夕刻。 父がこの世を去った。 83歳。 苦しむこともなく眠るように息を引き取った。 住み慣れた家のベッドで。 母や子供、孫たちの声を聞きながら。 戦時中に生まれ、3人の弟や妹の面倒を見て、長男として、父としてその人生を全うした。 真面目な性格で仕事もきっちりこなし、大阪支店に栄転。その後支店長になる話が出た頃、年老いた父の面倒を見るために退職し帰省。50歳を過ぎてから転職。再び営業マンとして働き家族を養ってくれた。 少しのタバコと少しのお酒。 愚痴を言うこともなく怒ることもめったにない、優しくて明るい父だった。 2003年、脳出血で倒れ半身麻痺になるも、懸命なリハビリで後遺症もほぼなくなった。 数年前、再び脳出血を起こし、それから自宅で療養していたが、今年に入り心臓が悪くなり、8月の終わりに母から覚悟しとくようにと連絡があった。 それから2ヶ月足らず。 あっと言う間に逝ってしまった。 大阪に住んでいた頃、よく僕を京都に連れて行ってくれた父。二人で見た東寺の紅葉は今でも目に焼き付いて離れない。 昨日、12月5日に四十九日の法要も終わり納骨も済んだけれど、実感はわかないし、なにも終わってはいない。今でも実家に帰れば笑顔で迎えてくれそうな気さえする。 これからもずっと僕の心の中で生き続けてくれる。そう信じてる。 ありがとう。 そして、ひとまずさようなら。 大好きだよ。今までも。これからも。 ※写真はたまたま訃報の前に撮った、亡くなった日の夕景。 ♪Father / The Yellow Monkey

      • 2020年・お盆

        暦の上では立秋を過ぎ、陽もだいぶ西へと傾きはじめた。長かった梅雨が終わると、待ってましたとばかりに灼熱の太陽はギラギラと容赦なく照りつけ、出遅れたのを取り戻すかのように連日猛暑の日々が続いている。そんななか今年もお盆を迎えた。今年は新型コロナウイルスのせいで、帰省を自粛する人たちも多く、あらかじめ録画しておいたテープを繰り返すような道路の渋滞や混雑する駅の映像は流れることはなかった。  今日知人と話をしていたのだけれど、市内のホテルへランチを食べに行ったら、いつもは30〜40代の女性がほとんどなのに、おじいちゃんおばあちゃん達と子供や孫といった家族連れがたくさんいたそうだ。これも新型コロナの影響なのか、帰省も様変わりしている。  本当に今年は希有な一年だと思う。たったひとつのウイルスのせいで、店は休業し、人出は減り、イベントも軒並み中止、会社は規模を縮小したり、廃業したり、卒業式も入学式もなし、学校はオンライン授業。いったいいつまで続くのか。自然災害みたいなものだから仕方ないのかもしれないけれど、だからといって指をくわえてじっとしているわけにはいかない。働かなければお金もない。食べていけないのだ。  それからこれは身内の話なのだけれど、今日実家に電話を掛けたら、80を過ぎた父が完全寝たきりではないのだけれど、ほぼ1日中寝ているらしい。実家にやってくるケアマネージャーさんは一生懸命にリハビリしなさい、と父を諭すらしいのだけれど、父はもうそんな気力はないらしい。寂しいことではあるけれど、今まで80年以上もがんばって生きてきたのだ。もうこれ以上自分の身体に鞭は打って欲しくない。少しでも長く楽で平和な日々が続けばそれで十分。長生きだけがすべてではないのだから。  目の前にあるささやかな幸せを祈ってます。 ※写真は先月雨上がりに見えた虹 ※曲は坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」です

        • 今年もお世話になりました

          もうすぐ2019年も終わろうとしています。 今年は元号が変わったり、消費税が上がったりいろいろ変化のあった年だったのではないでしょうか。 個人的にはあまり変化はなかったのですが、それでもそこそこいろんなことがありました。楽しいこと、嬉しいこと、悲しいこと、辛いこと。 年を重ねていくと、若い頃とはまた違う楽しみや喜びがある一方、どうしても悲しいお知らせが入ってきてしまいます。それでも毎回凹んでいるわけにはいきません。仕方のないことだと割り切って前向きにいくだけです。 マイペース

        拝啓。お父さん。

        拝啓。お父さん。

          1年

          今日からちょうど1年前のこの時間。金曜日の深夜だった。いつもより少し遅くまでゲームをして、そろそろお風呂に入ろうと洗い物をしてリビングへ戻ってくると、パソコンデスクの下に敷いたバスタオルの上でパームは横になって天国へと旅だっていた。最期を見送れなかったのは悔しかったけれど、まだ身体のぬくもりを感じることができたのは唯一の救いだった。 今ごろは天国でゆっくりと暮らしているのかな。 パームのいない冬がきて、春がきて、また夏がきて。あれからいろんなことがあったよ。人や猫と出会っ

          猫と駆け抜けた人生

           ゴールデンウィークが明けてぐんぐんと気温はあがり、もう梅雨がそこまで近づいてきている5月の末。病院の帰りに近くの公園に来てみた。ここしばらくは体調がよくなかったり忙しかったりでゆっくりと来られてなかったのだけど、相変わらず野良猫たちは元気そうにしている。ただ猫たちのご飯があちこちに置かれていたり、容器もバラバラで、ネコおばさん(いつも公園の野良猫たちにご飯をあげている人)が夕方になっても来ないことが少し気になっていた。その方もいろいろと忙しいみたいだし、たまに遅くなったりす

          猫と駆け抜けた人生

          Departure

          午前5時過ぎ。まだ季節は初夏だというのに陽射しは強く、着替えたばかりのTシャツにはうっすらと汗が滲んでいる。時折吹く風は心地よく、ヤシの木の葉を揺らす。旅に出て約1ヶ月。もう半分くらいは来ただろうか。見慣れない景色や見知らぬ人に戸惑うこともだいぶ減ってきたけれど、この先もまだ何が起こるかわからない。予想外のアクシデントに不安を抱きつつも、少しの期待もしつつ、出発の時を迎える。まだまだ終わりは見えないけれど、ただ前へと進むだけ。後ろには過去しかないのだから。改めてそんな決意

          Departure

          年の瀬

          今年も残すところあと数時間となりました。 お仕事も大掃除も終えて、ほっと今年1年間を振り返っています。 今年はいくつか大きな出来事がありましたが、それ以外はいつも通り なんとかこうにか一年を乗り切ったという感じです。 今年を漢字一文字で表すとしたら…オイラは「猫」でしょうか。 20年連れ添った愛猫が亡くなったり、近くの公園にいる野良猫ちゃん達と戯れたり、癒されたり。猫が縁で何人かの人とも出会いました。 そういえば、しばらく休んでいたバレーボールにも行き始めました。 だいぶメン

          年の瀬

          Feel like still drowning

          運命ならば抗うことなく従おう。 過去の報いならば甘んじて罰を受けよう。 そう開き直るほど苦しい時を どれほど過ごしてきただろう。 見えない何かに怯え 眠れぬ夜をいくつ過ごしてきただろう。 まだ終わりは見えない。 深く心の奥底に根付いた氷は 溶けているのか。 さらに根を張っているのか。 それすら分からない。 もういっそのこと 何もかも投げ出したい。 そう思っても 生を捨てることは決して許されることではない。 どれほど苦しくても どれほど辛くても 生が果てるまでは 生きなければならない。 先に逝ったあいつの分まで生きろ。 そう教えてくれたのは父だった。 電話越しにたどたどしい口調で 聞こえてるくるのは、自分の近況ではなく オイラを気遣う言葉だった。 たった数十秒の会話だったけれど 元気な声が聞けて とりあえずは胸を撫で下ろす。 次はいつ会えるかわからない。 次に会うときは今とは違う形かもしれない。 いつの間にかもうそんな歳。 オイラをこの世に繫ぎ止める 2本のロープのうち 1本は今年の夏に切れてしまった。 残る最後の1本は大事にしたい。 心から尊敬してやまない父へ。 出来の悪い息子より。 誕生日おめでとう。 これからも いつまでも I’m very proud of you.

          Feel like still drowning

          Feel like still drowning

          そして僕は途方に暮れる

          ひとつ残らず君を悲しませないものを 君の世界のすべてにすればいい やさしくなれずに 離れられずに 思いが残る 「そして僕は途方に暮れる」 music: 大沢誉志幸 words: 銀色夏生

          そして僕は途方に暮れる

          そして僕は途方に暮れる

          卒哭忌

          もうすぐパームがいなくなって3ヶ月目の朝が来る。仏教で言うところの卒哭忌(100か日)といったところか。 この3ヶ月間、ずっと悲しみに打ちひしがれていたというわけでもなく、それなりに普通に過ごしてきた。パームの最後を覚悟した時に想像していたよりも穏やかに。 ただ、特筆すべき出来事と言えば、近所の公園に捨てられていたネコを預かっていたこと。幸いにも里親さんが見つかって今は新しい環境で暮らしている。 わずか3週間だったけれど、そのネコのおかげもあって色んなことがわかったような気

          卒哭忌

          夏の終わり

          全てのものには終わりがある。 そんなことはわかっている。 そして、その終わりが切ないことも。 だけど、その終わりが2つも3つも重なると気持ちを整理するのは難しい。 今年の夏はいろんなことがあった。 台風、猛暑、地震、大雨。 個人的にはもっと。 「平成最後」なんて陳腐な言葉で片付けたくはないけれど、元号が変わるということはまた新しい始まりが来ることでもある。 気持ちを切り替えて、新しい世界に期待しよう。きっと笑える日がまた来るはず。 今年はまだあと4ヶ月残っているけれど、ひっ

          夏の終わり

          愛しのパームへ

           いつもは夏になると食欲が落ちて、毎年病院に行って検査をしてもらって歯周病の痛み止めを打ってもらうことが恒例になっていた我が家のパームさん。今年は異常気象とも言えるような猛暑にも関わらず食欲も落ちず割と元気に過ごしていましたが、7月の中旬あたりからやはり食が細くなり、病院に連れて行くと脱水症状を起こしているということで、点滴を打ってもらってきました。その後しばらくするとまた順調にご飯を食べ始めたのでひと安心していたのですが、また2〜3日するとご飯を食べなくなり、再度病院へ

          愛しのパームへ

          投薬開始

          先月半ばあたりから食欲を無くし、体調が思わしくなかったパームさん。 何度か病院に通って点滴をしてもらったものの、あまり体調は回復せず、昨日あたりからまた全くご飯を食べなくなったので、今日また病院に行って検査をしてもらってきました。 検査の結果として認められる症状は甲状腺機能亢進症、肥大型心筋症、それとエコー検査によると腎臓の機能もかなり悪くなってるということ。ただ、どれも体調不良の理由を決定づけるものではなく、どれかひとつが原因なのか、全てが原因なのか、それとも別にまだ他に

          投薬開始

          葉月

          毎日のように各地で40度近くまで気温が上がり、うだるような日々。 今日から月が変わり8月になったので、近くの氏神さまへ月詣に行ってきました。夕方の境内は人影もなく、都会の喧騒とはかけ離れた静かでおだやかな空間。 神社の近くに住み着いている野良猫ちゃん達も暑さに負けず、元気そうな姿を見せてくれてひと安心です。 緑の生い茂る公園。 風にそよぐ青い芝生。 子供たちの声。 ゆっくりと流れる雲。 夕焼けにそまる空。 いつもと同じ景色がいつもと同じように目に映る幸せを感じつつも、

          Wの悲劇

          その昔「Wの悲劇」というタイトルの映画があったけれど、4年に一度、この7月は悲しいことに「W」のつくもので争いが起こってしまう。争いと言ってもあくまでも個人的なものなのだけれど。 今年2018年はまさにその4年に一度の年で、うちのテレビのチャンネルは目まぐるしく変えられていく。テニスの4大大会のひとつ、ウィンブルドン(Wimbledon)とサッカーのワールドカップ(World Cup)だ。 サッカーのワールドカップは国内でもかなり盛り上がったみたいなので、試合は観なくて

          Wの悲劇