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蛙の子守歌/なまけdays 200602

・実はこの箇条書きの回数を増やさないように努力していた時期がある。いまも、二日連続で箇条書きをしないように気を付けていたりして、その意味のない自分への制約の根源を辿ると、手を抜いた文章を見られることへの恥なのかもしれないと思いいたる。しかし、普段手を抜いていないかと問われれば答えにくく、そもそも文章の手を抜くとか手を抜かないとか、いまいちわからない。私は、脳内の考え事をそのまま言葉にしている節があるからそう思うのだろうか。なにもわからぬ、なにもわからぬ。

・記録も兼ねて、近況を綴る。

・家の周りの田んぼにも、数日前ようやく水が入った。そうすると一同に蛙が鳴き始める。毎夜蛙の合唱に耽溺する。

・何度も蛙の泣き声について書きたくなってしまうのはなぜなのか、夜中まで続く終わらないコンサートを聴きながら考えてみた。

・大学に入ると同時に、一人暮らしをした。名古屋は岐阜と比べて都会だ。建物ばかりで、畑もなければ田んぼもない。水の張った田を渡る風の涼やかさを感じることも、蛙の合唱にうるさいなんて悪態をつくこともない。地元の空気感がとても恋しくなった。

・ある日、買い物がてらに散歩に出かけた。いつもとは違うみちを歩くと、幹線道路の脇に、小さな小さな田があった。そこから、ゲコゲコと、車の走り去る音に紛れて、確かに蛙の泣き声がする。合唱とまではいかぬ、一匹か二匹の、ちいさな路上ライブ。

・無性に、嬉しくなったことを覚えている。

・人は自分が持っているものには気づけないものらしい。蛙も、田を渡る風も、土の匂いも、一人暮らしをしたからこそより強く心を引き付けるものとなった。

・今晩も、蛙は元気に鳴いている。しかし幼いころと比べ、家の周辺の田も減った。いつかは、この声を聞くことが叶わなくなるのかもしれない。そう思うと、やはり今夜も蛙たちの子守歌へと耳を傾けたくなるのだ。

・こういうこと書こうとしたんだっけ。まあいっか。おわり!おやすみなさい。

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