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月刊はつかのnote/2020年2月号

ごあいさつ

三月ですね。

春って、いい響きだなあと、いつも思います。
新しい環境、新しい場所、新しい服なんて買っちゃって。
でも、皆が一斉に動き出したり、慣れない環境に行ったりするから、すごくそわそわしているような気もします。

この春のそわそわ感が、実はあまり得意じゃないんです。
「何か始めなきゃ」なんていう焦燥感に駆られたり、変わらない自分を責めてみたり。
草木が目覚めはじめて、ゆっくりと色を増やしていく景色の、瑞々しさがまぶしくて。思わず、自分の暗さが際立つような気がして。

春を嬉しく思う反面、そんな気持ちを心のどこかでいつも抱えていました。

石田千さんの『夜明けのラジオ』に、こんな一文があります。

 寒さにとじこめられていた命が、いちどにあふれる。若いころは、春の力強さはやさに気おされ、うつむいたり、しゃがんだりすることが多かった。
 このごろは、こまりごとが起こっていても、場数をこなしたおかげで、なるようになると花見をたのしむ。身のまわりのたいていは、そうするうちに、ささいな笑いばなしとなっている。こんな腹のすえかたは、台所に立つようになって、だんだんと覚えた。  (『夜明けのラジオ』春韮より)

この文章に出会ったときに、なにかずっと探していた落とし物を見つけたような気持ちになりました。

こまりごとが起こっても、腹をすえて花見をたのしむ。そんな大人になりたいなと、この頃はいつも思います。

そんな、春です。

  〇

総観

さて、記事数も増えてきたので、道案内を書いたのが一月前。
この調子で道案内に記事を追加していったら、不親切な地図みたいになっちゃうな、と思ったため、毎月のnoteをまとめる形にしていこうかなあ。ということで、月刊です。ふつう、月刊誌とかって発売の翌月とかを名前に冠するよな…前月ってなんかおかしくないか…と今ふと思ったんですけど、きづかなかったことにします。

せっかくなので、2月をまとめて総括でも……と思ったのだけれど、なにも思い浮かばない。ふた月も毎日更新(なお、日付を越えたためシステム上は切れている)を続けると、だんだんと投げやりな文章が増えてくるのかな、という気持ちはあります。

でも、決定的に「だめだこりゃ」っていう感じにはならず(これは本当に駄目な時は写真で済ませているので、ちゃんと毎日ではないというからくりがあるのですが)、なんだろうな、書けはするけれど、クオリティは高くない。みたいなことが起きている気はします。

一記事に求めるものが多すぎるのかしら、日記のつもりでもあるので、もうちょっとゆる~く書いてもよいのかもですね。とりあえず、「続ける」を目標にしているため、そこそこでも続けていこうかなとは思います。

二月のおすすめ「はつかのnote」

〇短くて力強い文章に、いつもあこがれている。

 人と会話をしていると、ぴょんと話が飛んだりする。ぴょんと飛んで、跳ねて、学校の屋上とか電信柱の上とかを渡って、でも不思議なことに気づけば一番最初の出発点に戻っていることがある。
 智春さんの『やわらかぎんこう』には、心地のいい断絶が存在している。途切れて、ふわりと浮いたかと思うと、綺麗な放物線を描いて戻ってくる。そしてその軌道は、不思議と「それ以外にないな」と思わせる完璧さを持っている。空いた行間が、本当に気持ちがいい。
 心底、この掌編小説に惚れている。

〇なんのために書くのだろう

・読むことの不思議なところは、どこまでも孤独なくせに、どこまでも共同作業であるというところだと思っている。読むときは一人なのに、読むためには必ず書く人がいなければいけない。書く人と読む人で、対話をする。たとえ、それを感想という形で相手に伝えなくとも、読まれた時点で、そこには対話が生まれているんだ。

〇エンドロールのない人生を生きている

映画の途中でその映画のレビューが書けないように、人生の途中で自分の人生が「なんだったのか」なんて答えられない。
だとすれば、私たちは生きている限り「何者でもない」のではないだろうか。

〇掌編小説『からだ』

 柔らかい腕も、私にはない曲線を纏ったふとももも、全部。これ以上ないってくらい、モトコの身体に思えた。

おわりにかえて、二月まとめ報告書

コメントを頂いたり、ツイッターでシェアしていただいたりして、とんでもなくうれしいです。ひとりでにやついていたら、弟に気持ちわるっと言われました。うちの弟はとても口が悪いです。

ツイッターにもいます、もしよければ、仲良くしてください。今仲良くしてくださっている方は、もっと仲良くしてください。猫を被っているだけで、強欲なので……。

それと、少し前にお友達のアトリエラムレーズンさんにとても可愛らしいアイコンを描いていただきました。お気に入り、かわいい。アトリエラムレーズンさんのnoteはこちら。すごく好きで、ときどきnoteのサムネイルに使わせてもらっています。

二月はこんな感じでした。

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