小説『そもそも彼女は死んだはず』 第一話「よみがえり」
#創作大賞2023 #イラストストーリー部門 #小説
桜舞う季節。初々しい少女たちが真新しい制服に身を包み、新生活に心躍らせ、校門をくぐる季節。
夜の学校は、桜の木だけが外灯の光を白い花びらに反射させ、いっそう神秘的に存在を輝かせる。
須山美里は保健室の窓から桜の木を眺める。美里は学校に誰もいないこの時間が好きだった。少女たちの姿が消えた夜の校庭は、静かで、透き通っていて、別の世界のようだ。だから美里が彼女を見つけた時、信じられないけれど、一瞬彼女も別世界から迷い込んだのか