加藤ゆたか

カクヨム作家。Kindle作家。カクヨムや小説家になろうで小説を書いています。 https://kakuyomu.jp/users/yutaka_kato 公式ページ https://katoyutaka.com/

加藤ゆたか

カクヨム作家。Kindle作家。カクヨムや小説家になろうで小説を書いています。 https://kakuyomu.jp/users/yutaka_kato 公式ページ https://katoyutaka.com/

マガジン

  • ホラーな人々

  • AI読書レビュー

    自作をChatGPTに読書レビューしてもらった結果を公開しています。もしかしたら面白い小説と出会えるかも?

  • 創作大賞2023 イラストストーリー部門 応募作

    創作大賞2023 イラストストーリー部門 応募作 『そもそも彼女は死んだはず』 同人誌も公開中です

最近の記事

同人誌『少年探偵ガジェット』を公開しました

同人誌『少年探偵ガジェット』をKindleとBOOTHで公開しました。 いつものように表紙の絵は自分で描いてます。

    • おじ神様とハナ

       わし、神様。  山の人間たちはわしを恐れる。かと思えば、困りごとがあればわしに助けを請いに来る。もちろんただでは助けない。  ある時、わしは見返りとして人間たちに嫁をつれてまいれと命令した。  しばらくして、わしのほこらに白い着物を着せられた背の低い人間が一人やってきた。  滅多なことでわしのほこらを訪れる者はいない。つまりこれがわしの嫁として来た人間ということじゃろ。わしはその人間をサッと隠してしまうと自分の家に連れてかえった。 「人間、顔を見せい。」 「はい。」  

      • メガネ妖怪がいる

        「あ、メガネ!」  教室で美優が私の顔を指さして言う。  うん、そう。確かにいつもはコンタクトだけど今日は目に違和感があったからメガネだよ。  でもだからって会うなり、それ?  私だって悩んだよ。気のせいにしてコンタクトつけてみようかとか、痛くなっても我慢しようかとか。  だけど万が一があるといけないってお母さんが言うからしょうがないじゃん。  ただでさえテンション下がってるのに。  私は口を曲げて美優に言った。 「美優。人の顔を指差すな。」 「ごめん。でもビックリしたか

        • 黒いやつがいた

           俺は他人の自分への好意が色で見える。  よくある天気予報の気温を表すアレみたいな感じだ。  俺への好意の低い順に青、水色、緑、黄色、オレンジ、赤、と色が変わる。  試しに教室のクラスメートを見渡せば、大半の奴は水色か緑。つまり、少し嫌いか無関心ってこと。  これが黄色になると俺のことがほんのり好きって感じで、今までも黄色の女の子にアプローチすれば高確率で付き合えた。メリットっていうとそれくらいかな。  でも、それも今はどうでもいい話。  今の俺には愛しい彼女がいるので。

        マガジン

        • ホラーな人々
          9本
        • AI読書レビュー
          11本
        • 創作大賞2023 イラストストーリー部門 応募作
          16本

        記事

          ずっと一緒にいる

          「トリあえず……と。」 「あきら。そこ、変換ミスってる。『とりあえず』でしょ?」 「あ、ほんとだ。」  リビング。ノートパソコンの前で、小学生にしては少し背伸びした印象の少女が、年下の少年に言う。  指摘を受けた少年が入力した文字を消して打ち直す。 「とりあえず……よし。それじゃ、えまちゃん。何を書く?」 「そうねえ。」  えまと呼ばれた少女は顎に手を当てて考えはじめる。  目をつむり、情景を思い浮かべようとする。 「まずはトンネルね。トンネルの中。」 「……とりあえ

          ずっと一緒にいる

          はなさないで。いる

          「絶対にはなさないで。」  通学路、僕は急に路地裏に引き込まれた。  むぐっ。  そしてすぐに口を手で塞がれる。  誰だ? と目をやると同じクラスの酒井さんが僕の制服を掴んでいて、緊張した面持ちでどこかを見ている。  酒井さんのキリッとした眉が美しい。実は密かに憧れていた。同じクラスだけど、こんなに近くで彼女の顔を見たことはなかった。 「……っ。」 「しっ。黙って。」  酒井さんが声をひそめて言った。 「いるから。」 「……?」  黙ってって言われても、酒井さんに結

          はなさないで。いる

          ささくれ妖怪がいる

          「あ、ささくれ!」  教室で美優が私の指をさして言う。  なるほど。確かに右の中指の爪の上に二、三本、ささくれが出来ている。  これ痛いんだよね。  冬だから乾燥してたのかな。  ささくれが出来るなんて思ってもなかったから、ハンドクリームを指の先まで塗ったかどうかも憶えてない。  あー、なんか残念な気持ちになる。  私は口を曲げて美優を見た。 「なんて顔してるの、沙織。」 「だって、ささくれって痛いじゃん。」 「ごめんね、私が見つけなければよかったね。」 「いや、美優とさ

          ささくれ妖怪がいる

          箱の中にいる

          「お届け物でーす。」 「わあ、大きな箱。」  私とタロウちゃんの愛の巣に届けられたのは、人が余裕で入れるんじゃないかってくらい大きなダンボール箱だった。  私が玄関から顔を出すと宅配便のお兄さんは台車に載せたその箱の横で笑顔でお辞儀をした。よくエレベーターに乗れたなと思う。  私は受け取りのサインをしてから、箱を見て聞く。 「私ひとりで持てるかな?」 「そんなに重くないですよ。」  お兄さんがそう言うので試しに箱を持ってみる。  ほんとだ、全然軽い。  中に何が入ってる

          お隣さんがいる

           うちが扱う物件はとにかく安いので、当然、客の質もお察しであった。  金のないフリーターのおっさんとか、売れないミュージシャンみたいな格好した男とか。そんなのが何件内見を回っても決めきれない。おかげさまで俺の給料も上がらない。  こんな仕事、他に楽しみがなければやってられないだろう。  つまり、今日の客は当たりだった。  十八歳の女。高校を卒業して地方から出てきたらしい。金が無いから安い物件を探していると言っていた。  髪を茶色に染めつつも化粧慣れしてない女の顔は、大人と子

          お隣さんがいる

          クローゼットにいる

           あばばばば、どうしてこんなことになっちゃったんだろう、どこで間違えたんだろう、こんなはずじゃなかったのに、血の気が引いて心臓がバクバクいって頭が真っ白になって、何も考えることができない、時間ばかりが過ぎていく、何度も叫んだ、叫んだけど何も解決しなかった、もうダメなんだ、やるしかないんだ、深呼吸をして気持ちを落ち着かせて、ここまでの思考は一秒にも満たない、とにかく私には三分以内にやらなければならないことがあった。  なぜ三分か。  それはさっきスマホに届いたメッセージに「あ

          クローゼットにいる

          AI読書レビュー『僕と天野さんの片思い協定。』

          今回レビューしてもらう小説はこちらです。 この小説は自分の小説の中でもかなり好きな作品です。 天野さんが彼女の失恋を知らせた日下くんに健気な復讐をしようとして返り討ちに遭うところがお気に入りです。 それではAI読書レビューです。 AI読書レビューChatGPT: この小説は、青春期の恋愛と友情について繊細に描かれている作品です。主人公は、学校で少し孤立している天野さんとの関わりを通じて、片思いの感情や友情の大切さを学んでいきます。 物語は、天野さんが主人公に「片思い協

          AI読書レビュー『僕と天野さんの片思い協定。』

          プロフィール|創作活動

          同人誌一覧自作を国立国会図書館に納本するため、同人誌にまとめています。 『少年探偵ガジェット』 発売日:2024年09月 価格:オンデマンド印刷 1320円、電子版 220円 サイズ:B6 無線綴じ 表紙マットPP / 162ページ (本文158ページ) 短編集『私は負けたことがない』 発売日:2024年02月 価格:オンデマンド印刷 1210円、電子版 297円 サイズ:B6 無線綴じ 表紙マットPP / 136ページ (本文132ページ) 『そもそも彼女は死んだ

          プロフィール|創作活動

          AI読書レビュー『白い天使と夢魔の夜』

          今回のレビューの小説はこちらです。 この小説で言いたいことは男の子の可愛さは永遠にならないってことです。いつか大人になってしまうので。永遠にしたかったらどうしたらいいでしょうか? そういう話です。 それではAI読書レビューいってみましょう。 AI読書レビューChatGPT: This content may violate our content policy. If you believe this to be in error, please submit your

          AI読書レビュー『白い天使と夢魔の夜』

          AI読書レビュー『二人からの求婚、どっちも選んでみた結果』

          今回レビューしてもらう小説はこちらです。 この小説はなろう小説ってこんな感じかなと思って書いた作品です。いわゆる婚約破棄ものです。 ただ、婚約破棄された主人公が他のもっと良い男に選ばれるという展開は主人公が終始受け身すぎて成長がないので、自分だけで幸せになる方法を見つける方がいいよねと思って書きました。 それではAI読書レビューです。 AI読書レビューこの小説は、魔術師でありながら王子との結婚を選んだマーガレットの複雑な愛と選択に焦点を当てた物語です。彼女は、宮廷での地

          AI読書レビュー『二人からの求婚、どっちも選んでみた結果』

          AI読書レビュー『信じた手紙は花の香り』

          今回レビューの小説はこちらです。 時代小説風に書きたくて書いた作品です。 お夏に騙された主人公がお夏を信じられなくなりお夏の明かした真相すら疑う、という展開がお気に入りです。 それではAI読書レビューです。 AI読書レビューこの小説は、復讐、信頼、そして裏切りの複雑なテーマを織り交ぜた物語です。主人公・山本一之進は、家族の名誉を回復するために江戸で苦難の日々を送っています。彼の唯一の慰めは、幼なじみで許婚のお梅からの手紙です。しかし、物語は一之進が殺人を依頼されるという

          AI読書レビュー『信じた手紙は花の香り』

          AI読書レビュー『だいたいゾンビのせい』

          今回のレビューの小説はこちらです。 この小説は、コロナ過で引きこもり状態になった生活を表現しようとした作品です。ウーバーイーツの配達員だけが生身の人間との交流になってしまった主人公が実はとっくに狂ってるという展開がお気に入りです。 それではAI読書レビューいってみましょう。 AI読書レビューこの小説は、新型ゾンビウイルスが蔓延する世界を舞台に、主人公の内面的葛藤と社会の変化を描いた物語です。物語は、主人公が妻・幸子をゾンビによって失ったことから始まります。幸子の死は主人

          AI読書レビュー『だいたいゾンビのせい』