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秋元札幌市長が会見 一問一答

IOCによる東京五輪のマラソン・競歩の札幌開催検討について、秋元克広札幌市長が17日午前に記者会見を行った。その一問一答。右胸には東京オリンピック・パラリンピックのバッジ。

大変驚いたが札幌の名前を挙げていただいて光栄

まず、幹事社の読売新聞の記者による質問が続いた。

読売新聞記者「昨夜、IOCが東京オリンピックのマラソンと競歩の競技の会場を東京から札幌市に移すことを計画していると発表しました。あらためて市長の受け止めを聞かせてください」
秋元市長「本当にたいへん突然なことで驚いています。私も昨日の夜ですね、報道機関からの問い合わせがあって初めて知ったところです。開幕まで1年を切って、という状況のなかでの会場変更の検討ということでありますので、大変驚いておりますし、札幌という具体的な名前が出てのお話でありましたので、このことも重ねて大変驚いているところであります。札幌としては、これから組織委員会、それからIOC含めての関係者と協議をされるということをうかがっております。札幌市としてはそれを受けてということになろうかと思いますけれども、札幌としては札幌という名前が具体的にIOCから挙げていただいたということについては大変驚いていると同時に光栄だと思っているところです。いずれにいたしましても、札幌も2020年の大会、サッカーの会場として東京大会の一翼を担うということでやってきておりますので、東京2020大会の成功に向けて、最大限の協力をしていきたいと、このように思っています」
読売新聞記者「開催まで10ヵ月を切るという短い時間ですが、札幌での開催の実現に向けての課題は何だと考えますでしょうか」
秋元市長「まだですね、先ほども申しましたようにほんとにあの聞いたところで、最終的な結論が出ていないということでありますので、実現に向けてどういうクリアをしていかなければいけないのかということでありますけれども、かなり時間がタイトでありますので、相当東京の組織委員会ともしっかり協議をしたうえでないと進められないのではというふうに思っていますし、地元の、北海道を含めての関係機関の協力をいただきながら進めていかないといけないと思っています」
読売新聞記者「なぜ札幌という名前が挙げられたのか市長の考えは」
秋元市長「ひとつは気候の問題、気温の問題ということで、東京でのマラソン、競歩という長距離の競技に対しての選手への負荷が一番の課題になったということで、気温の問題、気候の問題が一番一番大きいんじゃないかなというふうに思います。加えて、夏場で日本の国内でマラソンをやっているのは札幌だけ。北海道マラソンというのを毎年8月にやっておりますので、そういうこともあったのではないかなと思っております」

オリンピックを開催するに相応しい街と認識してもらいたい

読売新聞記者「札幌市は2030年の冬季オリンピック・パラリンピックの招致を目指していますけれども、この東京五輪のマラソン・競歩の競技の札幌開催が実現するとすれば、どのような影響があると考えますでしょうか」
秋元市長「2030年の冬の大会の招致を目指しているところでありますけれども、その大会運営能力でありますとか、市民のもてなしも含めて、オリンピックを開催するに相応しい街であるということを、世界の方に認識していただく、そのためには、これまでも申しあげてましたけれども、2020年のサッカーの競技でありますけれども、その大会を成功させていく、そのことが、札幌を認識していただく、まあ運営能力を含めてですね、オリンピックをやっても間違いない都市だということを認識をしていただくという意味ではですね、今回、仮にマラソン、競歩という、やるという(ことなら)、これをしっかりやるということが2030年への道につながっているんではないか、というふうに思っております」
読売新聞記者「ありがとうございます。幹事社からは以上です」

恒常的に残るもの以外は組織委員会の負担で

HTB記者「具体的な課題ですけども、選手村であるとか、あとサッカー開催の時にも問題になりました費用負担、ソフト面、ハード面、そのへんについてはどうクリアを」
秋元市長「これからいろんなお話を伺っていかなければいけませんので、どういう問題が出てくるかというのはありますけれども、例えば選手村のことについてはですね、サッカーの1次予選、これは7月の22日から29日まで10試合ほどやりますけれども、それについては選手村を新たに造るということではなくて、ホテルを選手や関係者用に東京の組織委員会がすでに確保しているということでありますので、同じような対応が可能なのではないかというふうに思っています。費用面についても、基本的にはこれは東京の組織委員会のほうで、恒常的に残るものについては私どもが負担をいたしますけれども、それ以外の大会運営についてはですね、組織委員会負担ということで整理をしてきておりますので、それを原則に、これからも話をさせていただくということになるのかなと思います」
北海道新聞記者「来年、仮に決まったとしてですね、夏の五輪をやってしまうことによって、2030年招致がさらに先延ばしになってしまわないかという懸念があるのですが、その辺りについてはいかがでしょうか」
秋元市長「(小首を傾げて)あ、そうでしょうか? 逆にあの、盛り上がれば、2030年という気持ちに、盛り上がってくるんじゃないかなと、私は思いますけれども」
北海道新聞記者「コースについてなんですけれども、今現在、北海道マラソンのコースはありますけれども、一部では札幌ドーム発着という案も報道によるとあがっていまして、その辺りについてはどうお考えでしょうか」
秋元市長「コースをどうするかということもこれからなんだというふうに思います。そういう意味では先ほどの課題という意味ではですね、まったくオリンピックをやるという想定で、マラソンの競技をやるという想定をしておりませんので、そういうコース選定からスタートしなければいけない、そういう意味では時間がかなりタイトだというふうには思います」

事前に北海道マラソンなどの資料は求められていない

共同通信記者「市長は昨夜初めてお聞きになったということですが、事前にIOCから北海道マラソンに関する資料の提供を求められたりとか、やりとりはなかったのですか」
秋元市長「それはございません」
共同通信記者「一切なかったと」
秋元市長「はい。あの、2026年の冬の大会招致に向けて、札幌という街だとか、あるいはいろいろな施設、こういったものの情報を提供しておりますので、すでにIOCとしては札幌という街の情報はつかんでいたのではないかと思いますが。今回の件でやりとりはまったくありません」
NHK記者「昨日の発表以降、IOCからは何か連絡はありましたか?」
秋元市長「現時点ではございません」
北海道新聞記者「30日に予定されている調整委員会には出席されるのでしょうか?」
秋元市長「いえ、今のところは何も言われていませんし、基本的にはそのなかで議論がされるということになっておりますので、例えばいろんな情報提供という意味ではですね、聞かれるといいますか、資料などの提出を求められることがあるかもしれませんけども、現時点では何も連絡等いただいておりません」
読売新聞記者「2026年の大会の立候補の際に、札幌の街や施設について情報提供をしていたということですけれども、そのことが今回、札幌でマラソンをやろう、競歩をやろうというIOCの提案につながったということはお考えでしょうか?」
秋元市長「どういう形の判断をIOCの方がされたかというのは私どもは現時点ではまったくわかりません。そういう意味では、情報としては持っていたというのは事実だろうと思います」

関係機関で実務レベルの検討は始めたい

朝日新聞記者「今日はこれからIOCあるいは組織委員会からよろしくという、あるいはこちらから連絡する予定は?」
秋元市長「基本的には今月末の調整委員会でさまざまな関係の方々がご議論いただいて方向性を出すということを聞いておりますので、こちらのほうでも直接IOCなり、組織委員会のほうに問い合わせをするということよりも、仮にそれを受けるとなればどういうことを検討していかなければならないか、地元としてもですね、先ほど知事ともちょっとお話をしまして、さっそく道と市、関係機関が少し協議できるような実務レベルの検討は始めましょうと、いうことにはしておりますけれども、こちらから組織のほうにアプローチということは、ま、どういう状況かという情報収集はすることになりますけれども」
朝日新聞記者「道知事とお話し合いになって、これから実務レベルの協議をしていくということなのですが、具体的にはどういうことをしていくことになりそうでしょうか」
秋元市長「全体がまだはっきりしませんので、具体的な動きをどうしていくかというのは調整委員会の会議の結果を待ってからというふうにならざるを得ないと思いますけれども、マラソンということですから、道路、交通規制ですとか、そういったことがありますので、道警を含めて関係機関と協議をしていかなければいけない事柄、仮に札幌が会場となった場合ですね、そういうことがありますので、少なくとも北海道と札幌市を含めて関係機関のなかで情報共有していく体制を作っていきましょうということで、私も市のなかの関係部局に先ほど指示をしましたし、知事のほうも先ほど道庁のなかでそうするというお話をしておりました」
朝日新聞記者「それは調整委員会の会議を待たずに進めていくということ?」
秋元市長「会議の結果が出てからヨーイドンということではない形でですね、少し準備を進めていきましょうという意味です」
HBC記者「仮に札幌で開催が決定した場合、市長として競技を成功させる自信というのはおありでしょうか」
秋元市長「それをしっかり受け止めて、やりきるということが必要になるだろうと、いうふうに思います」

地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。