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みち行くなぎさ

第8話  気になる
和歌が「なぎさ。最近、見掛けないからどうしたのかと思ったよ」となぎさに声を掛けた。
なぎさが「それがね?最近、ちょっと1人が寂しくなっていて、また和歌の家にお世話になろうかと思っているの」と話をした。
和歌が「あらら、そう言う事なのね?じゃ、仕方ないわね」となぎさに話し掛けた。
なぎさは「圭祐、今日、和歌達の家に遊びに行くから、よろしく」と携帯にメールが入った。
携帯を見て、圭祐が「やっぱり、僕の言った通り、なぎさは本当に弱いし、1人じゃ寂しがっていたに違いない」と心の中でなぎさを想っていた。
和歌は「ありがとう。圭祐」と圭祐にメールを送った。
なぎさは学校が終わり「お邪魔します」と和歌達の家に上がっていった。
圭祐は「来たのか?なぎさ」と和歌に声を掛けた。
和歌は「そうみたいよ?でも、中々、この家は広いから何処に何があるか分からないみたいで、今案内してきた」と圭祐に話し掛けた。
圭祐が「そうか?やっぱり慣れないところは難しいよな?」と和歌に話をした。
なぎさが「ちょっとさっき、トイレ借りたよ?ありがとう。助かったわ」と返事をした。
圭祐が「トイレ。やっぱり、広いから分からなくなるよな?和歌、ありがとう」と和歌に感謝を述べた。
なぎさが「そう言えば、ここにある写真って、お母さん?」と小さい頃の和歌と圭祐と父親の秀平と母親の鈴が笑顔で写っていた。
和歌が「そうね?あまり言いたくはないけど、本当に可哀そうな事をしたと思っているわ。母親が私達を産んで亡くなってしまったんだから」といつの間にか寂しそうにしていた。
なぎさが「そう?でも、母親の鈴さんは、和歌達を産んで、良かったと思っているよ。だって、こんなにたくましく育ってくれたんだから」と笑顔で和歌達に話をした。
圭祐が「そうだ。さっき、アイスを買ってきたんだよ。食べようぜ」と冷凍庫からアイスを出してきた。
冷凍庫のアイスは、今の暑い夏にぴったりな美味しいアイスを食べられて幸せを噛み締めていた。
和歌は「圭祐、ありがとう。私も、今日は、なぎさと会えて本当に良かったって思っているよ。だって、なぎさの事を秘かに心配していたんだもんね?」と圭祐を冷やかすように言った。
圭祐が「馬鹿言えよ?僕は、ただなぎさの事が、その凄く気になっていただけだよ」と顔を赤くしていた。
和歌が「まったく、素直じゃないんだからね」と笑って話をしていた。
圭祐はなぎさの手を握り、いつの間にか3人で眠りに就いて居ると、もう午後の5時になってから扉を閉めて、夕飯を皆で食べた。
そんな中、洗濯物をこみ、畳んだ。
和歌達は「おやすみなさい。また明日」と部屋を暗くして眠っていた。
なぎさは「やっぱり、眠れないな。家族の元に帰ろうかな?」と月を眺めていた。
優希が「今どこ?」と携帯にメールを送ってきた。
なぎさが「お母さん、どうして此処に?」と驚いていると、父親の文雄が「やぁ、元気だったか?」と優希の横に立っていた。
なぎさが「ありがとう。心配してきてくれたの?」と優希に声を掛けた。
優希が「そうよ。あんまり長くは居られないけど、寂しかったらいつでも帰ってらっしゃい。おいしいご飯を用意して待っているから」と話し掛けた。
なぎさは「ちょっと待って。私、家に帰りたい」と優希に返事を返した。
優希達が「じゃ、一緒に帰りましょうか」と笑顔でなぎさを連れて家に帰って行った。
和歌達は「あれ?なぎさ居ないね?」と朝になって、なぎさの姿はなかった。
圭祐が「もしかしたら、寂しくてしょうがないから家に帰って行ったんじゃないか?」と和歌に声を掛けた。
和歌は「そうかもしれないわね?」と朝ごはんの残った卵焼きを2つ食べて、食器を片付けた。
なぎさは、家に帰ってきてホッとしていた。
いつもの食卓に並ぶ、おいしそうな食事、牛乳。全部が家に帰ってきた安心感なのか、ぺろりと平らげた。
優希が「じゃ、そろそろフルーツを食べましょうか?」とナイフで切っていくと、なぎさが「頂きます」と美味しそうに笑顔で食べていた。
優希が「良かったわ。美味しそうに食べてもらえるとこっちも張り合いがあるわね」と嬉しそうにしていた。
なぎさは「ご馳走様でした」と挨拶をして、食器を片付けた。
その後、なぎさは圭祐としばらくして付き合うことになった。
和歌は「良かったね?なぎさ」と笑顔で、なぎさと圭祐の幸せを願いながらも、2人は穏やかな新婚生活を始めた。

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