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君の描く空は 2

第6話  家に帰って

ミズキが「ただいま」と玄関先から帰って来ると、コウジが「おかえり、姉ちゃん」とミズキに挨拶を返した。

ミズキが「あれ?お母さんは?」とシホの姿を探して居ると、コウジが「母さん、出掛けて居るよ」とミズキに素っ気なく話をした。

ミズキが「そう。何だ。お母さんに話があったのに」とコウジに返事を返した。

コウジが「話って何?」とミズキに尋ねると、ミズキが「あ、それね?私の小さい頃のアルバムが無いのかな?と思って聞きたくてさ。お泊りしていた友達の家にはアルバムが在ったから」とコウジに話し掛けた。

コウジは「そう言うのって親に聞かないと分からないと思うよ?確かにアルバムは何処かで保管して居ると思うけど、しばらく母さんも帰って来なさそうだから」とミズキに返事をした。

家に帰ってからというもの、時間は午後の4時を回ろうとしている時にシホが「ただいま。コウジ居るの?」とコウジを呼んだ。

コウジが「お帰り、母さん。そういえば姉ちゃん帰って来て居るよ」と話をすると、シホが「そうなの?ねぇ?私は年頃の頃ってよく覚えていないけど、彼氏が欲しいとか思って居るのかしら?」とミズキの事について話を始めた。

コウジが「さぁ?それは良く分からないけど、俺も年頃って言うか若いけど、そう想う奴いないからな」と苦笑いを浮かべていた。

シホが「そうよね?それは当の本人に聞かないと分からないわよね?」と話をして居た。

シホが「ね?ミズキ居る?部屋に入っても良い?」と訊ねた。

ミズキが「どうぞ」とシホに返事を返した。

シホはドアを開けて「ね?ミズキには今好きな人とか居る?」と聞くと、ミズキは「好きな人って言うか気になる人は居るけど、そんな人いないよ」とシホの返事に答えた。

シホが「そう。でも、私は年頃の時、好きな人が居たからその人の元で生活をして居た感じだったから、もしかしてミズキもそうなのかな?と思ってね」とシホは話を始めた。

ミズキが「そういう事お母さんにもあったのか。私、そんな事初めて聞いたからびっくりしたけど」とシホに気持ちを伝えた。

シホが「じゃ、邪魔したね?」とポケットから写真が落ちて、ミズキの部屋のドアを閉めた。

ミズキは「この写真、私の小さい頃かな?」と写真を眺めて居ると、学校の校門で小学生のミズキと、両親、ブスくれたコウジの姿があった。

ミズキも「こんな時が有ったのか」と懐かしく写真を眺めていた。

翌朝、コウジも「行って来ます」と学校へと向かって自転車で登校をした。

ミズキは朝練でサッカー部のマネージャーで朝早く、学校に居た。

またサッカー部の校庭グラウンド一周を初めて、サッカーボールを磨き、点数を記録して、ユニホームを洗濯していた。

カナデが「その前は、ごめんね?好きな事って人それぞれあるよね?」とミズキに謝った。

ミズキが「気持ちを分かってくれたなら良いよ。どうせ、カナデも暇でたまには遊びたかっただろうし、その気持ちを分かってあげられなくてごめんなさい」とカナデに素直に謝った。

早めに切り上げてサッカー部のマネージャーが終わると、カナデとミズキはプリクラを撮りに行った。

黒く焼けた肌に、少しだけ痩せた身体をミズキはプリクラで撮った時に、カナデが「あら?黒く焼けて居るね?サッカー部のマネージャーをしていたからかな」と凄く気付いたことで、あの頃とは少し変わったミズキに笑いかけていた。

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