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リモート監視は心配性さんの創造性を高める ~ Remote Monitoring Enhances the Creativity of People with High Anxiety (2021)

青山学院大学 経営学部 服部ゼミ:上野 由依・小嶋 智聡・和田 あかり

概要

本研究は、オンライン会議ツールZOOMを用いて、被験者39名を無作為に『他人(実験者)から見られている状況にあるグループ』と『見られていない状況にあるグループ』に振り分け、各々に創造性を測るテストの結果や心理状況を調査し比較したものです。

実験結果から、「他人から見られること」が「創造性」に及ぼす効果には性差があり、男性は他人に見られることで創造性が高まる傾向があるのに対し、女性には有意な効果は見られませんでした。また、男女ともに性格特性である「神経症傾向」に関して、監視が創造性スコアに及ぼす効果の有意な交互作用が見られました。具体的には、神経症傾向の強い実験参加者は、監視によって有意な創造性の向上が確認され、神経症傾向の弱い参加者は、創造性の低下が見られました。この結果は、現在のコロナ禍における仕事や大学でのオンライン授業における従業員や学生の作業モチベーションを維持するための重要な示唆を与えてくれると考えます。

*この研究紹介はこちらのエントリ「「見られること」は創造性を高めるのか?〜 オンライン会議ツール ZOOM を用いた RCT (2021)」の完成版という位置付けになります。https://note.com/hattorizemi/n/n63b5d4a2adb9

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